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[フグ]
東京湾奥港南出船 丸裕

好天、ベタナギの船上で繰り広げられた神経戦

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本誌編集部◎斉藤貴伸
掲載号: 2010年1月15日号

腕で勝負!?湾フグ

 


東京湾観音を望む大貫沖で静かな神経戦が繰り広げられる
食いが渋いときにも釣る人は釣っている


 東京湾大貫沖のフグ、通称湾フグにハマっている釣り人たちは、ちょっと変な感覚を持っている人が多い。普通の釣り人の心理として、釣れないよりも釣れることを願うはずなのに、その逆の食い渋りを心のどこかで歓迎している節があるのだ。
 腕で勝負というか、微妙なアタリをヒットに結びつける快感を楽しみたいのだろう。だれにでも釣れる模様のときには、釣行しない人さえいる。
 だから、模様が悪かろうがナギが約束された予報が出れば、結構釣り人が集まる。12月6日の港南丸長もそんな感じだった。
 別にバカバカ釣れているわけでもないのに、14名の釣り人が集まり7時半前に出船。8時半過ぎに着いた大貫沖は、湖のようなベタナギ状態だった。
 水深9メートルのポイントで開始。何人かはカットウ仕掛けの上に食わせ用のハリを出していたものの、ほとんどの人がシンプルなカットウ仕掛けだけの仕掛けをキャスト、あるいは船下へ下ろしている。チラシと呼ばれる3本の食わせバリをエサバリとしたカットウ仕掛けを使っている人も少ない。
 食い渋るというか頻繁にアタリが出るわけではないこの季節は、エサを冷凍アカエビの1匹掛けにして目立たせる手を取る人が多い。
 開始からしばらくして、トモ、そしてミヨシでわりあい順調にフグが取り込まれる。ときおり歓声が沸くのは、30センチオーバーの良型が取り込まれたときだ。
 9時半、ひときわ注目を浴びてトモ側の古牧さんが取り込んだのは、1キロを軽く超えるアカメ(ヒガンフグ)だ。ショウサイフグよりも鈍重な引きを見せる高級魚は、意外とヒット率が高い。
 10時ごろから私も竿を出す。左舷の胴の間で古牧さんの隣だ。白地にオレンジのクラックペイントを施した8号のオモリをカットウ仕掛けにセットする。
 私がキャストするのを見計らったかのように、フグのアタリが止まった。朝のサービスタイムは終わりと、まるでお約束のようなタイミングだった。


 

 


 

 

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Page2 これはもしかしてと期待させる魚がヒット



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