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本誌編集部/加藤智晴
掲載号: 2012年6月1日号
大型は出たものの…
竿とリールを使わずに楽しめる釣りは数あるが、手釣りでしか楽しめない釣りはマダコくらいなものだろう。
手釣り糸を通して伝わるタコの乗り、合わせた瞬間の重量感……そんな手釣りならではの釣趣に加え、最大の魅力はやっぱり食味。釣ったマダコを一度口にすれば、もうスーパーでタコを買う気にはならないほど。
釣り場は各地にあるが、例年先陣を切って開幕するのが東京湾の内房富津。4月28日、今年も多くのマダコファンが訪れた。
富津の川崎丸には31名が集まり2隻出し。自分は石井広一船長の操船する2号船に富津のタコ娘こと本誌連載「忍塾」でおなじみの三石忍さんとともに乗り込む。
初心者の方へ釣り方のレクチャーが済んだ5時半過ぎに出船、まずはマダコの定番ポイント、第二海堡に向かう。
現在も周辺の工事が進んでいる第二海堡だが、見るたびに姿が変わっている。果たして海底のポイントへ影響はないのだろうか?
その点を船長に聞くと、以前のように数は釣れなくなったけど、大型が上がる確率は高いらしい。
まずは水深5メートル前後からスタート。第二海堡は根掛かりが激しいことでも知られるポイントで、開始早々苦悶の表情を浮かべる人が続出。しかし根掛かりを恐れていてはタコは釣れないので、ここは我慢のしどころ。
なお、根掛かりしたときに無理に糸を引っ張ると余計にガッチリ掛かってしまう。糸を張る、緩めるを繰り返すと、うまくすれば外れることもある。どうしても外れないようなら、素手だとケガをする可能性があるので、必ずグローブなどをして糸を引っ張り、仕掛けを切るようにしたい。
流し変えを重ねるうちに、今期の第1号が出たのは6時過ぎ。左舷ミヨシで2キロクラスの良型、続いて左舷トモで1キロ級が上がる。
しかし、後が続かない。船中3杯目が取り込まれたのはそれから30分ほどたってからのこと。
ところがこの3杯目、第1号を手にした左舷ミヨシの人が釣ったのだが、なんと当日最大となる4.7キロの大ダコであった。
その後7時ごろまで第二海堡で粘ったが、追加できたのは船中1杯だけ。図らずも「数は釣れないが型はいい」という船長の言葉を証明する形になった。
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Page2 深場で乗り上向く
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