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本誌APC(東京)/鈴木良和
掲載号: 2012年6月1日号
仕掛けは人により様ざま
相模湾に夏イカシーズンがやってきました!
麦の穂が実る初夏に釣れることから、関東地方ではこのころに釣れる小さなスルメイカをムギイカと呼んでいる。
ようやく模様が出始めたと聞き、釣友の大塚くんと塙くんを連れて相模湾小田原早川港の坂口丸を訪れたのは4月29日だった。
ムギイカ釣りの特徴はタナが30〜50メートルと浅いので手釣りでも楽しめることと、竿釣りの場合もオモリが40〜60号と軽いため、ライトゲーム感覚で釣りが楽しめることだろう。
とはいえシーズン開幕直後だけに、ムギイカよりもマルイカのほうが多い日もある。今回お世話になった坂口丸の看板にも「ムギ.マルイカ乗合」と書かれているのはそのためだ。
受付がてらおかみさんに話をうかがうと、
「今日でムギイカが始まって3日目だから、まだ手探り状態なの。できればマルイカ用とムギイカ用、両方の仕掛けを用意したほうがいいかも……」とのこと。
私たちを含む6名の釣り人を乗せ、久保田幸司船長の操船で6時半に出船となる。
皆さんの道具を見てみると、手釣りが2名で竿釣りが4名。手釣り組は直結仕掛けで、竿釣り組はムギイカ仕掛けが1名で残り3名はマルイカ仕掛けを選んでいた。各自の道具や仕掛けがバラバラなところが開幕当初らしい。
15分ほどでポイントの小田原沖に到着。
「水深は35メートル。底中心です」というアナウンスで釣りが始まった。
各自がオモリを投げると投入器からツノが順番に飛び出していき、やがて海中へと沈んでいった。
ところが1投目は空振りで潮回りとなり、続く2〜3投目もノーシグナル。期待とは裏腹に乗りは遠い。群れが小さいのか?
それとも乗り渋っているのだろうか?
心配しながらカメラを抱えていると、
「乗りましたよ!」の声で釣友の大塚くんが船中1杯目を取り込んだ。
彼の仕掛けは下4本が直ブラ、上2本が直結のマルイカ仕掛けで、下から2番目のオレンジ色のスッテに胴長15センチのマルイカが抱きついていた。
続いて、
「こっちにも乗りましたよ」と釣友の塙くんからも声がかかった。
彼が使っていたのはブランコ仕掛けで、マルイカをダブルで取り込んでいた。
さらに手釣りをしていた大船長が取り込んだのもマルイカだった。
いよいよ時合がきたのだろうか。大塚くんは投入のたびにマルイカをヒットさせはじめた。
釣り開始から2時間が経過したところで私も竿を出すことにした。
私の仕掛けは全長5センチのシンキングスッテで作った直ブラ6本仕様だが、下から3番目に6センチのプラヅノ(ケイムラカラー)を配するのが私のこだわり。このプラヅノはムギイカにもマルイカにもよく効くようで、過去に何度となくいい思いをしてきている。
道糸がPE0.8号ということで選んだ40号オモリを勢いよく投げ込んだ。
乗りはすぐに到来したが、巻き上げている最中にクイーン、クイーンとストロークの長い引きが穂先に伝わってきた。こんなときは触腕1本に掛かっている場合が多い。
案の定、巻き上げ途中で重みが消えて、カンナに引っ掛かっていたのは千切れた腕1本のみ。
「あちゃー。合わせが遅かったのかしらん?」
ほどなくゴールデンタイムは終了してしまったようで、パタッと乗らなくなってしまった。
Page1 仕掛けは人により様ざま
Page2 灘寄りで活発に乗り出した
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。