その後ポイント移動を繰り返したが、魚の活性は低くなってしまった様子で、だれの竿にもアタリがないまま時間だけが過ぎていった。しかも心配していた南西風が予想よりも早く吹き始め、正午を過ぎると海面は真っ白になってしまった。
　しかし、このまま終わっては船長も納得のいかない様子で、魚群を求めてさらに1時間近く走り回った。
　政信丸の船長は納得のいく反応が見られるまで竿出ししないタイプで、途中で4〜5回小さな反応が見られたものの納得がいかず、移動を繰り返した。
　そうこうしているうちに午後1時を過ぎ、沖揚がりの午後2時が近づいてきた。
　「まさか今日はこのまま終わり……？」と不安になった矢先、走水沖の水深80メートルで、ようやく船長納得の反応に出会ったようだった。
　風速12メートルを超える南西風が吹き荒れていたが、仕掛けを投入してタナ取りを終えると、すぐに心地よいアタリが伝わってきた。
　期待して巻き上げると25センチ級の3点掛け。息子も船が大きく揺れる中、一荷でアジを釣り上げており、船内はようやく入れ食いモードに突入した模様。
　これを見た船長から、
　「沖揚がりの時刻を30分延長します」というありがたいアナウンスがあり（本当は私が朝遅刻して出船時刻が遅れたせい？ 汗）各自、納竿直前になんとか釣果をのばすことができた。
　当日の竿頭は左大ドモで竿を出していた望月氏で、20〜35センチを36尾。氏は付けエサにアオイソメを用いたとのこと。私は33センチを頭に31尾、息子も30センチを頭に20尾釣り上げ、満足げであった。
　残念ながら、この日40センチオーバーの大アジは登場しなかったが、全員30センチオーバーの幅広アジをゲットすることができた。強風と激流で釣りづらかった状況を考えると、まずまずの釣果と言えるのではないだろうか。

［政信丸］広川政信船長