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フィッシングライター/竹川啓二
掲載号: 2011年2月15日号
最後にドラマが待っていた
置き竿にしているだけじゃダメ。時どき聞き上げてみましょう
撤収か撤退か(!?)2つに1つの決断を委ねられた船長が下したのは……!「風も弱くなったって予報で言っているから、最後にもう1カ所狙ってみよう」だ。
そして着いた先は通称「男祭り」の会場。大会を控えているのであえて釣り場の名前は書かない。なぜ男祭りと呼ぶかというとオスしか釣れないポイントだからである。
すでに寒さで感覚が麻痺したような白波7人男だったが、最後の力をふりしぼって仕掛けを投入。その目の奥に去来するものは……船中全員オデコの討ち死にか!?
この状況なら仕方がないかと思った矢先、左トモ2番の釣り人が、「きた〜〜!!」と天まで届くような雄叫びを上げた。
全員の目はそこに集中し、仲乗りさんも玉網を持って駆けつける。
そして海面に姿を現したのはまぎれもないマコガレイ。それも大きい!
無事玉網に入ったあとで計ってみれば、全長37センチのオス。40センチには届かなかったが、立派な湾奥マコガレイである。
そして右トモでも25センチ級が上がり、船中がぜん活気付くも再びヒットしたのは左舷の同じ方。
今度は船長がタモ取りしたが、仕掛けの先にもう1枚カレイが掛かっていたので一荷。これで船中合計4枚、すべて30センチオーバーとは恐れ入る。釣った本人は、「私ばかりですみません」と恐縮するも、破顔一笑。まさに時合到来。カレイ釣りはこれがあるから面白いのである(本当はとっくに諦めていたのだが……)。
結局食いが立ってきたということで1時間延長、そのかいあって船中でさらに3枚追加し、夕日を背に沖揚がりとなった。
竿頭は5枚。次いで2枚、1枚と続き、オデコが4名。
釣果に偏りが見られたものの、この強風下、型が見られただけでも上々だろう。
産卵直後は一時的に食い渋るが、春本番にかけてどんどん模様が上向くのが江戸前のカレイ釣り。これからが楽しみだ。「大型のマコは2月いっぱい狙えます。もちろん大会では優勝を目指していますよ!」
寒さに負けず頑張った船長の、最後にホットした一言であった。
[岩田屋]岩田一人船長
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