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[マルイカ]
外房小湊港発…小湊沖 寿々木丸

ウネリに負けるな! 大型マルイカ捕物帖

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フィッシングライター/山口 充
掲載号: 2010年5月1日号

誘いより安定が重要

 


当日の乗りは今イチだったが、今後は期待できるはず
しっかり乗せて、巻き上げましょう

「少し早いけれど、型が出たので始めました」
 今シーズンはそんな釣り物が多い。例年に比べて水温がかなり高い状態で推移したせいだろうか。
 外房小湊沖のマルイカも、いつもの年に比べて半月から1カ月近くも早いスタートを切った。
 今回乗船する小湊の寿々木丸は、私は十数年前からお世話になっている船宿。現在、舵を操るのは2代目鈴木達也船長。先代は厳しく面白い船長であったが、達也船長は優しく面白い。
 久しぶりの再会で、楽しい釣りになるはずだったがどうも天候が怪しい。南風が強く波も高いが、釣り場が近いこともあって、なんとか出船することになった。
 3月31日、午前5時20分に12名の釣り人を乗せて出船。小湊沖の水深約50メートルのポイントに到着し、各釣り座の投入器から勢いよくスッテが飛び出しスタートとなる。
 スッテといえば、これを選ぶのに相当悩んだ。海のコンディションが悪いので、直結かブランコかも迷うところだが、まずはスッテのサイズを決めなければならない。大型のメッカとはいえシーズンは開幕したばかり。型は大小どちらが中心なのか?
 それによってスッテのサイズも異なってくる。うーん、悩む。とまあ、こういったところもマルイカ釣りの楽しさだったり、ハマる要因でもあるわけだ。
 とりあえず、同行の石井さんは5センチ、私は7センチで様子を見ることに。カラーは曇り空と底荒れを考慮して、チャート系のやや明るい色をメインにした。
 ちなみに、私たちのロッドは軽量のライト系ロッドであるが、半数以上の方は東京湾でいうところのマルイカのタックルを使っていた。
 朝マヅメの期待がかかる時間帯だが、なかなかアタリは訪れない。
 しばらくしてブランコ仕掛けを使っていた石井さんが、直ブラ仕掛けに変更する。
 石井さんのロッドは7:3調子でやや胴に乗る調子。これに直ブラ仕掛け。私は7:3調子だが硬めのロッドにブランコ仕掛けだ。
 「アタった、外れた……」と石井さん。マルイカのアタリを捕らえたようだ。
 「ウネリがある=直ブラは不利」という図式でブランコ仕掛けにしたのだが……。
 次のアタリで、直ブラを使う石井さんがマルイカを乗せ、船中1杯目を上げると、左舷でも小型のマルイカが釣れる。その人も直ブラ仕掛けでスッテは7センチ、竿は胴調子だった。
 ここで1つのヒントが見えた。
 「ウネリの影響でスッテが安定していないのでは?」ということだ。
 これを確かめるため、誘わずにじっと様子を見ることにした。回収するとスッテに墨が付いてくる。これが数回繰り返され、答えが出た。
 手持ちで竿を安定させていてもスッテがウネリで動き過ぎている。だから乗せる「間」がないのだ。
 右舷胴の間の鴨谷さんもスローな誘いでマルイカをヒットさせた。このコンディションでは誘いよりもスッテを安定させることが重要なようだ。
 左ミヨシにいた友人は、長い竿とライト系ロッドを使い分けて本命を上げている。その隣にいた高橋さんも3杯目をヒットさせた。
 その後、キントキが登場。おいしい魚だからうれしいかぎりだ。渋い状況の中、魚とのファイトに癒される。


 

 


 

 

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