まずは初物を拝んでひと安心といった状況だったが、その後の2流し目、3流し目も釣果は右舷に集中。反面私の座る左舷はさっぱりで、ただただ指をくわえてヒットシーンを見守るのみであった。
　ところが11時、風が南から北寄りに変わった途端、左舷にアタリが集中したのである。
　すでに朝マヅメの時合を逃しているとはいえ、なんとか私にも待望の魚信が到来した。これは結構な引きで電動巻き上げの途中も何度かドラグが作動し、2キロオーバーの期待は十分。
　かくして好ファイトを堪能し、ようやく手にしたマダイは美麗な2.6キロ級で思わずほほも緩んでしまった。
　気をよくするとこんなもので、その後も魚信は続き、マダイの1キロ級、そして大アジ、ホッケと色いろな魚を手にすることができた。
　しばし沈黙していた左舷にもアタリが出始め、3本の竿に相次いでアタるシーンも見られたほど。
　沖揚がりの合図が出されたのは1時40分。船中トップは4枚。大半の釣り人が1〜2枚のマダイを手にするというまずまずの釣果だった。型についても3キロ級を筆頭に2キロ超えが数枚と、これまたまずまずと言えよう。
　今号発売時から4月一杯まではプレ乗っ込みの真っ最中で、中〜小型の2ケタ釣果も望めるはず。マダイの数釣りに酔いしれるならこれからだ。

［海遊丸］藤井 忠和船長