ところがしばらくすると沈黙してしまった。
　「このまま釣れてくれればよかったのだけど……潮が澄み過ぎているのもよくないのかな？」と船長。その後はカタクチイワシの猛攻が続いた。
　そんなとき、右トモの佐々木さんに大物がヒット。海面に浮いたのはなんとクロダイ。1キロは軽く上回るなかなかのサイズだ。
　この1枚が出たあとは船中あちこちでクロダイがヒットした。いかに外道とはいえ、このサイズなら1枚釣りたいもの。しかし今日の私はウイリー仕掛けと決めていたから今さら空バリ＋付けエサ仕掛けに替えるというのもなあ……。
　すると前出の佐々木さんが再び竿を大きく曲げ、良型のイシダイを取り込んだ。
　もはや心が折れる一歩手前。ここで追い討ちをかけたのはなんと石井さん。
　「コレ、大きいよ！」とビッグファイトを堪能している。
　「大事にね！」と声をかけつつ、船長もタモを片手にやってきた。それは34センチの見事なイサキ。
　あーあ。またしても石井さんにやられてしまった。言葉も出ない。笑うしかない。
　ここでようやく空バリ仕掛けに交換してみると、たしかによく釣れる。30センチ級とまではいかないが、イサキが連続ヒットした。
　この後もイサキがポツポツと上がる展開が続き、12時半の沖揚がりとなった。
　釣果は25〜34センチのイサキが2〜38尾。思いのほか数はのびなかったが、クロダイ、イシダイ、カワハギなど多彩なゲスト交じりで楽しめた。
　船長によれば、この後8月いっぱいはイサキ狙いを行う予定とのこと。これからもまだまだ楽しめそうだ。

［伝五郎丸］鈴木長喜船長