7時15分に荻野裕大船長の操船で出船となる。こうゆう丸は基本的にエサ釣りメインの乗合船だが、ルアー釣りも受け付けている。この日は林さんともう一人がミヨシからルアーで狙う布陣だ。
　40分ほど走って金谷沖の釣り場に到着。すでに10隻以上の釣り船が集まっており、どの船もそこそこの釣り客を乗せている。昨日は釣れなかったのを知っているのだろうか。
　案ずるより産むがやすし、他船で銀色の魚体が取り込まれているのが見えるではないか……。
　「いいですよ、20メートルより上」の合図とともに第1投で、いきなり左舷で1本目、続いてもう一人のルアーの方と続く。
　型はいずれも80〜90センチ級の中小型だが、釣れたという事実に沖藤ともども胸をなで下ろしたのだった。
　林さんも1本目を釣ってからは異常とも言えるペースで釣りまくる。やはり、浅場で釣れ始めたらルアーの手返しの速さにはかなわない。
　遅れて私も参戦するも、すぐに1本目を釣る。しかしながら2本目は1時間近くを要してしまった。原因は簡単、アタリはあるのだが掛からない、いや掛けられないのだ。
　早合わせはダメ、待ってもダメ、ゆっくり誘い上げてもダメ……で空振りばかり。結局船長、地元名人の鶴岡直次さんに救いを求めることとなる。
　引き出した答が、アタリがきても竿を上下に小さく揺らして、強く引き込んだところで合わせるというもの。とはいうものの言うはやすし、合わせが早かったり、竿の動きを止めてしまったりで、なかなか習得できない。
　しかしながら3本目、4本目と連続でヒットさせて、おぼろげながらコツがつかめた、と思ったら沖揚がり。
　釣果は鶴岡さんが21本で竿頭。林さんは途中エサ釣りに変えたりして、初釣行を楽しみながら18本。平均でも5本以上は釣れて、まずまずの釣果。
　当然ながら納得いかないのが私。これまでの経験も実績も自信もすべて水泡、というか同じ釣りを半年もやらないと、すっかり忘れてしまうのであった。歳ですかね、やっぱり。

［こうゆう丸］荻野裕大船長