仕掛けはシンプルにと指示を受けていたので、この日はワインドオンリーダーに直接親子サルカンを逆編み付けで接続し、ハリスもサルカンへじかに結んだ仕掛けを使った。
　ハリスは30号。3メートルでは長すぎると思い、1本釣った後は2メートルに詰めてある。
　パラパラだった雨が突然これまで経験したことのない豪雨になったのは8時過ぎだった。カッパの上から当たる雨粒が痛い。
　海面は白く煙り、波の角が取れ、砂嵐のようだ。忠文船長も銭洲でこんな雨は見たことがないと驚いていた。
　そんな中でも、船中ではカンパチの連続ヒットが続く。チビムロが元気でありさえすれば、カンパチはアタックしてくる。弱ればかすりもしない。それがハッキリと分かる食い方だった。
　一にも二にもムロの数と生きのよさがヒット率に反映する。船長が力説する点がこれだ。
　あまりの雨に12時過ぎに納竿。最大の4.6キロを含み6本釣った満君がトップ。私は3本、他の3名は3、2、0で船中14本。小型が多かったとはいえ、この天候では上々だろう。
　船長はネープルス周りにもチビムロが回ってくればもっとすごいことになると言っていたが、翌週の8月2日、2.5〜7.5キロを船中86本と今期最高を記録している。
　銭洲のチビムロのカンパチが今最高のシーズンに入っている。

［とび島丸］鈴木 忠文船長