船中をグルグル回って上手な人のタックルや仕掛けを盗み見したところ、驚いたことにほとんどの方がアオヤギのほかに自分なりのエサを用意してきている。エビ、イカ、ホタルイカ？、アサリ？、アオイソメ？、アカタン？、豆アジ？、サビキ……。
　最後のほうは何釣りなんだか分からなくなっちゃった感もあるが、そのせいか外道も色いろで、でっかいホウボウ、でっかいサバ、普通のイナダ（デカけりゃワラサだもん）、小さいハナダイなどが釣れていた。
　これも同沖の魅力であるが、それ以上に魅力だったのは当日の釣れっぷり。中盤を過ぎても船中あちこちでフグが釣れ続いている。
　ヒラメやコマセ釣りの釣り場としても飯岡沖はすごいが、ショウサイフグの釣り場としての飯岡沖のポテンシャルは侮れないものがあると改めて感心した次第。
　そんな船上の様子をカメラに収めたところで私は再び竿を出すことにした。
　ちょうど潮止まりのようで少々食いは落ちていたものの、1回のエサ付けで5連発なんていうのもあり、足元のオケはフグでいっぱいになっていく。
　活発な食いと比例するように、竿をシャクる手もリズミカルになっていった。
　船長は30分置きに潮回りをしたが、そのたびに数尾ずつはフグをゲット。台風の影響などはほとんど感じなかった。
　12時前に船長から、
　「次の流しで揚がります」とのアナウンス。それとほぼ同時に私に最後の1尾がヒット。隣にいた、やはり常連のダンディ海老沢氏も食わせ仕掛けでまずまずのサイズをヒットさせ、2人そろって有終の美を飾ることができた。
　当日のトップは途中で竿を収めてしまったものの66尾。最後まで竿を出していれば間違いなく80尾の定数に到達していただろう。
　このほか50尾オーバーも3〜4名いて、船中の平均も24〜40尾と上々の釣果であった（私は38尾）。
　「今日は20センチ前後（15〜27センチ）が多かったけど、状況がよければ30センチを超える良型も期待できるよ。今シーズンの魚影はかなり濃いから、出船できれば好釣の可能性は高いね。この釣れ方なら初心者が入門するにも最適だよ。おいしいフグが待っているど〜！」と目を細める船長であった。
　ちなみに釣ったフグは「フグ処理師」免許を持つ船長と教子おかみがさばいてくれるので心配なし。昼食として出してくれるラーメンを食べている間に、キレイな身欠きにしてくれるぞ。

［長五郎丸］鈴木敦夫船長