次第に根がきつく、いかにも大物が出そうな釣り場にやってきた。船中数枚のヒラメが上がったが、私はまだ型見ず。石井さんは4枚も釣ったというのに。
　それにしても私と石井さんの釣果の差はどこで生まれるのだろう？
　仕掛けは全く同じ。唯一の違いは竿で、私がカーボン純度の高いマダイ竿。対して石井さんがヒラメ専用。とはいえ竿の差がここまでの違いを生むのだろうか。
　ここで船長は岩船沖から岩和田沖へとポイントを移し、スパンカーを下げた。おっ、横流しだ。
　私はチャンス到来とばかりに仕掛けの捨て糸を90センチにし、オモリも水切りのいい形状のタイプに変更。底をなめるように探るべく、竿を細かく操作した。
　こんな工夫が功を奏したようで、ついにヒラメをヒットさせることができた。今までさんざん根周りを狙ってきたのでハリスが根で傷ついている可能性もある。慎重にヤリトリをして、うれしい1枚目を手にする。
　この1枚で吹っ切れたようで、さらにヒラメを追加。11時半の沖揚がり寸前にきたアタリはモノにすることができなかったが、思いどおりの釣り方で2枚を手にすることができて満足した。
　釣果は4.1キロのヒラメを筆頭に計27枚（トップ6枚）。ソゲ級が1枚交じったものの大半が2〜3キロと良型が中心であった。久しぶりにチャレンジした根周りのヒラメ釣り。やっぱり面白いなあ！

［明広丸］後藤明広船長