その後もポイントは変わらず白間津沖の20メートル前後。私も中盤から竿を出したが音沙汰なし。これはまあ通常進行であるが、さきほど見た小野ちゃんのファイトシーンが頭から離れず、
　「どうにか次こそはオレに」と、願いながらタナをていねいに探り続ける。
　本命らしき魚をヒットさせたのはまたしても小野ちゃん。ところがこの魚も彼女が主導権を得られぬままハリス切れ。まるで非力な彼女を狙ったかのように食う狡猾さ。南房のシマアジ、恐るべし。
　以降はアタリがないまま沖揚がり。水温低下と流れない潮のダブルパンチを食らった一日だったが、船長の言葉どおり大型の本命が食ったのは確かだ。
　いい日に当たれば……と思うと毎週、いや毎日のように釣行したいくらいです。
　さて、船長に今期の状況をたずねたところ、
　「潮が澄んでいる日なんかはシマアジが船上から見えるんだけど、数も多いし、大きいのも結構見える。5キロオーバーのいい型も上がってるし、1.8〜2.6キロを1人で3尾上げた人もいるから、当たり年だと思うよ」とのこと。
　例年大型連休ごろからは水温が安定し、本命はもちろん30センチ級のイサキや2〜3キロ級のイシダイ、1〜2キロ級のカンパチ、5キロ級のマダイなども交じってクーラーの中は賑やかになるという。高級魚五目を狙って、皆さんも出かけてみてはいかがでしょうか！

［海正丸］酒井正和船長