ところで私が選んだ竿は2.4メートルのメバル専用だが、最近は2メートル前後のゲームロッドを使う人が多くなってきたような気がする。たしかに見通しが効かない夜釣りの場合は短い竿のほうが取り回しもいいかもしれない。仕掛けは定番の胴つき3本バリ。日中のエビメバル用をそのまま使ってもいいのだが、夜は良型が出やすいので、私の仕掛けはハリスが太めの1.2号。またハリも若干大きめの9号を選び、アオイソメの付けやすさを優先してみた。
　もしゲームロッドで楽しむときに仕掛けが長過ぎると感じたら、一番下の枝スを切って2本バリにしてもいい。これで手前マツリも減るはず。
　もう1つ注意点をあげるとしたら、予備の仕掛けやハサミなどを明るいうちに身の周りに置いておくこと。正味2時間半程度の釣りだけにトラブルはなるべく避けたいものである。
　中盤から竿を出した私はあっさりと20センチオーバーのメバルをゲット。続いて25センチ級のカサゴを連発し、さらに日中のアベレージサイズともいうべきや18センチ級のメバルを抜き上げ、塩焼き＆煮つけ用を瞬く間にキープすることに成功。
　どれもサイズがいいだけに釣果は十分だったが、欲をかいてさらにワンヒットを狙う。ところが、天は我を見放した……かのように、パタッとアタリが遠ざかってしまったのだ。
　このとき潮先となった左舷は絶好調。ならばと竿をカメラに持ち替え「船上カメラマン」に復帰する。魚を持つ釣り人はみな笑顔。型の大きさがうれしさを増幅させているのかもしれない。
　「写真はもう十分でしょう。時間がないからもっと釣ってください！」と船長からうれしいお言葉をいただいたが、先ほどの4尾があれば十分と納得の納竿とした。
　このまま21時の沖揚がりまでアタリは途切れることはなく、トップは20尾ジャスト。船中ほとんどの釣り人が10尾台後半。このほかカサゴやアジが交じった人も多数だった。
　ちなみに洋平丸では夜メバルでアジが多く交じるのを合図に日中のライトアジをスタートさせたが、こちらも好調そのもの。とくにゴールデンウイーク期間中は通常大人9000円のところを7000円という格安料金で営業する（※要予約。女性.高校生以下は半額＜2011年現在＞）。なんて太っ腹なんだ！
　別れ際に船長は、
　「ホントはもっと釣ってもらいたかったのですが、風裏しか流せず残念です。でも今シーズンのメバルは魚影は濃いようなので、今後も期待できると思いますよ。またアジの反応もバッチリ出ているので夜釣りだけじゃなく日中船にも遊びに来てください」と話していた。
　初夏の東京湾は昼も夜もおいしい魚でクーラー満タンが狙えそうですな。

［洋平丸］寺内洋平船長