ところで今日の乗りは、昨日と比べるといいのだろうか、悪いのだろうか？
　その点が気になったので、船長に尋ねてみた。すると、
　「今のところ昨日よりよく乗ってますよ！」とうれしそうに答えてくれた。
　「昨日はサバが多くて、なかなか仕掛けが落ちなかったんですが、今日はすんなり落ちていきますね」とのこと。
　その後、私もヤリイカを釣り上げたが船中で後が続かなかったため、船長は洲ノ崎沖の200メートルダチ前後へ移動。
　反応が出ているのは底から20〜30メートル上まで。
　開始からまもなく、
　「乗ったよ〜！」との声が右舷から聞こえてきた。カメラを片手に駆けつけると、胴長30センチはあろうかと思われる良型のヤリイカだった。続いて、
　「これ、引くな〜！」という声が聞こえてきたと思ったら、大型スルメイカが登場と、徐々に船中全体が盛り上がってきた。
　時間が経過するにつれて乗りは上向き、時計の針が正午をさしたころに乗りは最高潮となった。
　先ほどまでと異なり、潮回りするたびに乗りが訪れる。おまけに型もアップしているようだ。
　ミヨシに座る浅野さんが4点掛けを披露すれば、トモでも4点掛け。右舷の常連さんたちもイカを乗せるたびに、
　「きたど〜！」と大きな声を出して船中を盛り上げる。そんな中で胴長35センチの当日最大サイズも上がった。
　潮回りするたびに活性はグングン上向いたようで、船中あちこちの釣り人が多点掛けを決めている。
　楽しそうに釣る皆さんの様子を見ているうちに私も我慢できなくなり、再び竿を手にした。
　オモリが底に着いたあと、ゆっくり竿を聞き上げてみると……。
　グン、グーン！
　やりました。竿を抱えて電動リールの巻き上げスイッチを入れる。途中でサバが掛かったようだが、かまわずに巻き続ける。
　海面に上がった中オモリをつかみ、1手ずつ仕掛けをたぐっていくとスルメ、ヤリ、スルメ、サバ、ヤリ、サバ……の6点掛けだった。
　最後は総仕上げとばかりに左トモの高倉さんがヤリイカの6点掛けを披露し、14時半に沖揚がりとなった。
　船中釣果は2〜17杯でアベレージサイズは胴長20〜30センチ。このほかスルメもポツポツ交じった。
　なお当日の水温は20度だった。船長によるとこの後2度下がり、18度くらいになるとさらに乗りは上向くだろうとのこと。年末年始にはさらにいい釣りが楽しめることを期待しよう！

［やまはち丸］出口　訓船長