釣り開始から2時間が経過したところで私も竿を出すことにした。
　このときの指示ダナは海面下30メートルだったので、仕掛けを35メートルまで落とし、5秒ほど待ってから1メートル巻き上げてパパッとコマセを振り出し、このあとは30センチほどのシャクリ幅で指示ダナまで誘い上げた。
　海面下32メートルまで誘ったところでクンとアタって、キューンと引き込まれた。
　さらにそのまま誘い上げて追い食いを狙うと、31メートルで再びキューン。
　竿に伝わるズッシリとした手応えに、もう十分だろうと巻き上げ始めると、24センチと26センチのイサキが一荷で上がってきた。
　次の投入は1尾に終わったものの、その次はパーフェクトと絶好調である。
　「やっぱりイサキはこうでなくちゃ！」と思って釣り続けていると、
　「ホームページ用に写真を撮らせてよ！」と船長からカメラを向けられた。
　普段は撮る側の私ですが、いざカメラを向けられると照れくさいものですね。
　10時ごろから北風が強くなってきたので、灘寄りに移動となる。
　指示ダナは海面下20メートルと浅かったが、30 センチクラスの良型がギュンと竿を絞ってくれた。
　いやあ、大きなイサキだなあと思っていたところ、ベテランの渡辺さんが0.8キロのマダイを取り込んだ。
　そのマダイの余韻さめやらぬ中、大ドモでも1キロクラスが出てびっくり。
　マダイを手にした2人に共通していたのは付けエサにオキアミを使っていたこと。うれしそうな2人を見て、次回は私もオキアミを持ってこようかなあと思った。
　沖揚がりは11時半。釣果は全長22〜34センチのイサキが1人12〜50尾。このほかウマヅラが2〜6枚、マダイが船中2枚。
　朝の船長の話では苦戦が予想されたが、終わってみればトップは定数に到達。本来の食いが戻ったと判断していい好釣果であった。
　ちなみに私の釣果はイサキ30尾。密かに目標としていたクーラー満タンにはならなかったが、寒イサキの楽しさは十分に味わえた。

［鈴丸］鈴木武夫船長