2日目の釣行は3月3日。以前よりイカ先生.富所潤さんがボートショーの帰りに、ライトヤリイカを試すべく友人4人と予約を入れていた乗合に便乗。
　イカ先生といえばスパイラル釣法の考案者として知られるが、昨年より日本海でブームになった「ライケン」、今冬富山湾で流行した「ライタチ」を考案.発信した人でもある。すでにライトヤリイカも実釣しており、そのタックルと仕掛けを関東のヤリイカ乗合でガチで試したいと乗船したのだ。
　この日のヤリイカ乗合は16名の大盛況。私と先生は右胴の間、他のライトメンバーも空いている場所に散った。
　6時に出船し波の中を北上し70メートルダチへ。ここは前回探らなかった場所だが、これが大当たり。1投目から船中至る所でヤリイカが取り込まれた。
　胴の間のイカ先生も1投目に大ヤリのダブルを豪快にブッコ抜き。枝間70センチの3本ヅノ仕掛けは、タックルを持ったまま片手でたぐり込めるのだ。
　他のメンバーは全員ヤリイカ釣り初体験。通常の電動タックルに囲まれて、ライトタックルは最初こそ場違いに見えたが、数回流していくうちに船上の風景になじんでいった。
　「こりゃ面白いね！」
　「デカイ、でかい！」
　「誘い方、どうするの？」
　まるでエギングを楽しんでいるときのような盛り上がりだ。
　「沖藤さん、もう、ほかのこと試していいですよね！」
　
　10数杯を釣ったころ、イカ先生は餌木スタイルに変更。
　「お、めっちゃアタリますよ、そら、どうだ！」
　まるでカワハギでも釣るように、イカとの駆け引きを楽しみながら掛けていく。
　こりゃ面白そうだ。
　さっそく試す。
　すると、アタる。そして、掛かる。これ、すごく面白いぞ！
　他のメンバーも餌木に替えてから一層、歓声を上げていた。
　「今日一番面白かったのは餌木」
　「もっと早くから餌木にしておけばよかった」
　「教えてくれなかったじゃん」
　帰りの船上で、口々に話しては盛り上がったのだった。
　この日、イカ先生の釣ったヤリイカは23杯。トップは常連の本宮さんで51杯だった。その本宮さんが、我われを見て、
　「楽しそうでしたねぇ。ライト、はやらせてください！」と言ってくれた。
　加瀬船長ももちろん、不動丸ではライト歓迎である。

［第18、第101 不動丸］加瀬 秀和船長