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[マゴチ]
内房上総湊港発⬇大貫〜竹岡沖 鈴孝丸

メゴチで狙うBIGマゴチと 一つテンヤマゴチの可能性

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本誌編集長/沖藤武彦
掲載号: 2012年7月1日号

一つテンヤマゴチで釣る

 


一つテンヤでマゴチを掛けた「あの男」
ステンレス製の丸カイズ、角セイゴのほか、 オモリにも一工夫加えている
メゴチのトゲを切ると食い込みがいい?


 釣行前、船長にハリや仕掛けについて尋ねると、
 「何でもいいんですよ」と答えてくれたのだが、船に乗って仕掛けを見せていただくと、やはり、そこにはこだわりがあった。
 ハリはメゴチエサ用にステンレス製の丸カイズ(テンヤバリのように見える)、エビエサ用の角セイゴは「いわせ」の特注品。それぞれハリから5センチほどハリスを二重にして縒ってあったり、補修糸を使用しているのだが、その素材はエサの種類によっても変えているようだ。
 オモリは丸オモリにステンレスの針金を通して道糸、ハリスをつなぐようにしてありテンビンは使わない。
 それらの仕掛けは船長手製の手バネに装着されて、貸し道具として使える。
 私はリール竿を置き竿にし、手バネを持ってアタリを待つ。そしてハリのサイズからオモリまで、あらためて船長の仕掛けをまねて作ってみる。
 個人的に、一番楽しい時間である。
 
 私が上総湊のトラディショナルな魅力に浸っているとすれば、イカ先生は自由な発想を持って最先端を試していた。
 パラアンカー、生きエビと聞いてピンときたのか、置き竿用のほか、彼が用意したのは一つテンヤの道具だった。
 これにはハッとさせられた。
 過去、本誌でも何度かマゴチ乗合で一つテンヤを試し惨敗を喫したが、それらはエンジン流しだったのだ。
 船の動きが緩やかなパラアンカーでの流しなら、着底、誘い、テンヤの重量など様ざまな調整が効く。ようは外房大原と同じ感覚で狙える。
 しかもエサはテンヤにジャストサイズのサルエビ!
 一つテンヤマゴチが成立する可能性が最も高いのが、この、上総湊の鈴孝丸だったのだ。
 北陸能登にいて、それを前情報だけで見抜いて試そうと思うのだから、この男、さすがとしか言いようがない。
 イカ先生はキャストしてはいわゆるボトムバンピングで探ってくる。全員の糸が垂直に入るなか、広範囲に探る。
 そして、後半唯一となるマゴチを釣り上げたのだ。
 これには、参りました。
 ★メゴチエサを置き竿に、ビッグマゴチを狙いながら、
 ★一つテンヤマゴチにチャレンジ(手バネも楽しい)。
 ★昼には船長手製のあら汁。
 鈴孝丸のマゴチ釣りの魅力だけでなく、新たな可能性までを体現して見せたのは、やはり「あの男」イカ先生こと富所潤であった。
 マゴチの盛期は7〜8月、照りゴチの時期。これは、再び行くしかないでしょう。



鈴孝丸]鈴木利定船長

 

 


 

 

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※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。