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[ワラサ]
南伊豆下田須崎港発…神子元島周り 若宮丸

南伊豆のワラサがスタート ヒラマサの登場にびっくり

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フィッシングライター/上田龍太郎
掲載号: 2012年10月1日号

山口氏の独り舞台に!

 


本格化まであと一歩です


 南伊豆下田須崎沖はマダイとイサキをはじめワラサ、メダイ、カサゴ、キンメなど様ざまなターゲットのポイントが点在することで知られているが、8月下旬にワラサ回遊の報が届いた。
 さっそく下田須崎港.若宮丸の土屋嘉公船長に電話を入れてみると、
 「マダイ狙いの外道でワラサやイナダが釣れ始めたんですよ。まだ群れが固まっておらず、広い範囲でポツポツ釣れている状態ですね。3キロ前後のヒラマサも交じっていますよ」とのこと。
 これを聞いた私は8月26日に息子を連れて若宮丸を訪れた。
 
 午前5時に船宿に到着すると、見覚えのある方がたが集まっていた。過去に若宮丸に乗船したときも、必ずと言っていいほどお会いしている常連の山口氏と須藤氏だ。
 山口氏は周年マダイ狙い専門で若宮丸に通っているベテランで、イサキのシーズンでもマダイ用の1本バリ仕掛けしか使わないこだわり派。過去には山口氏が良型マダイを釣り上げてくれたおかげで取材成立となったこともあり、今日もよろしくお願いしますとあいさつをした。
 船宿でお茶をいただいてから、宿の目の前にある乗船場へ向かった。左舷に息子と私、右舷に須藤氏と山口氏がそれぞれ釣り座を構えることになり、午前5時半に出船。ゆっくりと神子元島へと進んで行った。
 出船前に船長から、
 「マダイ狙いがメインで、それにワラサが交じる感じです。だからハリス4号、全長8〜10メートルの仕掛けをおすすめします。ワラサが多いようなら、ハリスを太くしたらいいでしょう」とアドバイスがあったので、図に示したような仕掛けを用いた。
 航程20分ほどで神子元島の東側、通称「神子元のケンミ」に到着した。
 風はほぼ無風であったが、沖縄方面にある大型台風の影響で、波長の大きなウネリが周期的に押し寄せている。周囲にはイサキ船に加えて、モロコ狙いの船も浮いていた。
 定刻の午前6時、船長から投入開始の合図とともに、
 「タナは40メートル」とのアナウンスが流れた。そこで50メートルまでコマセカゴを落としてから、2回コマセを振りながら指示ダナまで巻き上げてアタリを待つ。
 すると右トモで竿を出していた山口氏の竿にいきなりヒット。落ち着いたヤリトリで浮かび上がらせたのは1.5キロのマダイであった。
 これを見てがぜんやる気になった息子にコマセの振り方なをどアドバイスしていると、再び山口氏の竿が曲がった。今度も慣れた手つきでファイトし、海面に浮かせたのは1キロ級のマダイ。さらに10分後、山口氏は1キロ弱のマダイを追釣する。
 この間、他の3人の竿にアタリはない。まさに山口氏の独り舞台であった。
 潮はゆっくりとトモ方向へ流れていたので私にもチャンスがあると思い、投入を繰り返していると午前7時前に私の竿が大きく引き込まれた。
 アタリと同時に魚が一気に走ったので最初はマダイだと思ったが、ヤリトリを開始してもマダイ独特の首を振る感触が伝わってこない。
 「ひょっとしてワラサか?」と思いつつ、4号ハリスをいたわりながら慎重に格闘していると、やがて青白い魚体が浮かんできた。無事、玉網に収まったのはイナダとワラサの中間サイズの2.5キロ。とりあえず本命をゲットすることができ、ホッと一息つく。
 次の投入でも、私の竿にアタリが訪れて500グラムのマダイをゲット。
 さらに10分後、私の竿にそれまでとは異なる強いアタリが到来。ところが最初のダッシュを交わした直後、痛恨のバラシを喫してしまった。仕掛けを回収すると、新品のクッションゴムが真ん中で切れていた。傷でもあったのか。


 

 


 

 

Page1 山口氏の独り舞台に!
Page2 あっ、ヒラマサだ!



※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。