やがてイサキに交じって大型のアジや20センチ級のムロアジが交じり始めた。
　「この場所にはアジやムロの着いている根があって、それを狙ってカンパチも回ってくるんだよね」と船長が教えてくれた。
　しかし30分ほどで潮が止まり、ついにイサキやムロアジも食わなくなってしまった。
　この沈黙が破られたのは10時半。突然、船長から、
　「移動するから急いで仕掛けを上げて！
　ハリス6号のワラサ仕掛けに戻して!!」とのアナウンスがあり、船は全速力で灘寄りに向かった。どうやら他船からワラサが食い始めたとの情報が入った様子だ。
　5分ほどで尾ケ崎沖のポイントに到着。船長によると、今シーズン最初にワラサの爆釣があった場所とのこと。周囲には10隻ほどの船がいたが、すでに竿が曲がっている光景が見られた。
　「今を逃したらアウト！」という思いでコマセを振ると、まずミヨシ側の2人の竿が大きく曲がり、続いて私の竿にもアタリが到来！
　船長待望の全員同時ヒットである。
　各自が取り込んだのは2.5キロ級。イナダとワラサの中間サイズである。船長は型に不満があったようだが、とりあえず本命を手にして私はホッとした。
　すぐに仕掛けを投入すると、再び私の竿にヒット！
　今度は先ほどよりも引きが強く、3キロのワラサと呼べるサイズ。さらに私の竿にアタリが訪れ、30分の間に本命3本を釣り上げることができた。
　この食いも開始から1時間ほどで落ち着き、魚の反応も消えてしまった。
　その後、再び白浜沖のポイントに戻ったが、残念ながらアタリがないまま定刻13時に沖揚がりとなった。
　釣果はイナダ＆ワラサが1人1〜3本。カンパチが船中1本、イサキが1人15〜20尾、ほかにアジやムロアジが各自5〜10尾とお土産は十分。
　船長によるとワラサの今後を予想するのは難しいが、11月中旬現在、水温が20度ほどあるので、年末まで狙えるのではないかとのこと。マダイとイサキも視野に入れ、お出かけを！

［光明丸］土屋文男船長