ヒラメからショウサイフグへの転進を告げたあと、船長は3分ほど船を進め、30メートルダチで投入の合図を出した。
　開始直後から船中あちこちでフグが上がったが、好調だったヒラメとは異なり、すぐにアタリが止まってしまった。
　一体どうしたことだろう？
　ヒラメ釣りの終盤でカットウ仕掛けを下ろしていた仲乗りさんは、ダブルを連発させていたというのに。
　船長と仲乗りさんに尋ねてみたところ、
　「潮が止まっちゃったんだよね……それとこの30メートルダチはつい先日までよく釣れていたんだけど、今日は潮が澄んでしまったせいか群れの上に船を止めても、すぐにどこかへ泳ぎ去ってしまうんだよ」と渋い顔。無線によると、別船のショウサイフグ乗合も今日は苦戦しているらしい。
　その後1時間近く30メートルダチを攻めてみたが、思うように釣れなかったため、船長は少し深い37 メートルダチへの移動を決めた。
　これが大正解で、仕掛けを落とした直後から、次つぎに竿が曲がっていく。
　取り込まれるショウサイフグは20センチに満たない小型も交じったが、体長30センチはあろうかという良型も多かった。これがいわゆる「鹿島サイズ」で、当地のフグの魅力でもる。
　やがて幸栄丸の別船（フグ乗合）もこの釣り場にやってきて、2隻でしばし入れ掛かりを堪能した。
　楽しそうな皆さんの姿を目にして、いても立ってもいられなくなり、仕掛けを放り込んでみた。
　すぐにフグを掛けることはできたのだが、私が仕掛けを入れた直後からフグの食いは再び渋くなってしまい、船中ポツポツと釣れる程度にまで落ち着いてしまった。
　結局12時の沖揚がりまで食いは渋いままで、18〜38センチが1人6〜14尾という釣果。思いのほか数がのびなかったが、群れが消えたわけではなく、翌日以降は頭が40尾台に届いているようなので、年末年始にかけても期待できるだろう。
　ヒラメとフグのリレー船はただいま人気が沸騰しているとのこと。予約はお早めに！

［幸栄丸］小野 馨 船長