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[キンメ&ムツ]
三浦半島葉山あぶずり港発…沖ノ瀬 長三朗丸

葉山発・沖ノ瀬の根魚五目 狙うは良型のキンメ&ムツ

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フィッシングライター/訓覇啓雄
掲載号: 2011年1月15日号

本命キンメも登場

 


 前述のように、同じキンメ釣りでもエリアによって違う。さらに細かくいえば同じ沖ノ瀬のキンメでも船ごとに個性があることに気づく。
 数に重きを置く船もいれば、その日の状況を見てトータルバランスで勝負する船もいるだろう。長三朗丸の場合は、とにかくサイズのいいキンメにこだわる。
 推奨するハリスが12号と太いのも、攻める水深が他の根魚船と比べて少々深いのも、すべてはこのため。
 サイズがよくなれば絶対数は当然少なくなるし、群れの規模も小さくなる。また、成長につれて警戒心も強くなるため、釣るほうも釣らせるほうも難易度は高くなる。
 たとえば、小ぶりなキンメの群れは明確な反応が出るが、型のいいキンメは岩の陰などに隠れるように群れることが多いため、単純に見つけるのが難しいだけでなく、船の進行方向によってはブラインドとなるケースもあり、走るコースを変えて初めて反応が映ることもあるという。
 とはいえ大型だけを追い求め、根魚釣りでオデコ続出では具合が悪い。そこで折り合いをつけるべく700〜800グラム級のキンメが1人平均3〜5枚の釣果を得られるように心がけているという。
 さて、型のいいキンメは平場より、傾斜のきついカケ上がりを好み、たまたま同じような環境をクロムツが好む。これがこの日、クロムツが連発した理由。海底の起伏が激しい、いわゆるきわどいポイントを流すため、釣り人側もきちんと対応する必要がある。
 まずはタナ取り。オモリがトンと着いたら素早く1メートル程度底を切る。この作業を30秒に1回のわりで続けること。海底をトントンと小づくようでは低すぎる。他人の仕掛けのほうが先にポイントに入って不利なだけでなく、オマツリの原因ともなる。
 クロムツのラッシュが落ち着いた後は、400メートルを超える深みでキンメの調子が上向いてきた。
 海況が悪いこともあり、いつもに比べると型、数ともに今ひとつというが、11時過ぎには右舷ミヨシで堂々の6点掛けを達成する。
 この流しをクライマックスに、その後は空振りも目立つようになる。
 それでも、不思議とポツンポツンとキンメは顔を見せ続け、午後2時に沖揚がり。
 釣果は35〜46センチのキンメが0〜8枚。42〜47センチのクロムツが0〜3尾。このほかメダイやスミヤキ、ドンコ、カサゴなど、深場釣りらしい顔ぶれがそろった。
 今後は天候を睨みながらの出船となるが、ナギさえよければ、ある程度手堅い釣果を得られるのが根魚釣りの魅力。食味抜群の良型キンメを手中にできる確率は高い。



長三朗丸]栗飯原由巳船長

 

 


 

 

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