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本誌APC/宇田川 亘
掲載号: 2010年7月1日号
3つの食い渋り対策
南房は今もっともイサキがよく釣れている地域の1つ
タナがズレると、釣れるものも釣れません
アタリが遠くなったところで潮回り。これまでの様子からイカタンだけで釣っている人と、オキアミでアタリがよく出る人に分かれている。今日のイサキはエサを選り好みしていないということか?
船長の指示は先ほどと同じく20メートル。仕掛けの長さだけ道糸を余分に出し、コマセを振り出しながら20メートルのタナに合わせる。
しばらく待ってもアタリがないので、竿先をチョンチョンと揺すってコマセをポロポロと出す。
と、竿先をたたくようなイサキ特有のアタリが到来。ゆっくりと竿を立て、ハリ掛かりを確認して巻き上げる。
海面に顔を出したのは26センチの良型。続いての投入でも25センチを釣り上げたが、早朝よりアタリの出方が遅い。さらにアタリがあってもハリ掛かりしなかったり、巻き上げ途中にハリが外れたりと、打率が低下してきた。
そこで、食い渋り対策(1)「コマセをチビチビまき」を決行。
釣り上げたイサキの胃袋には大量のコマセが入っている。ということは、コマセばかりを食べて付けエサを口にする確率が下がってしまう。逆にコマセの量を減らせば付けエサを食う確率が上がるというわけだ。
続けての食い渋り対策(2)「付けエサを小さくする」。
イサキは口の形状からすると、マダイのようにエサを噛み切るのではなく、海水と一緒に吸い込んで捕食すると思われる。当然、食い渋り時は吸い込む勢いも弱くなるはず。そんなときでも吸い込みやすいよう、付けエサを小さくするのだ。エサを付けず、カラーバリ仕掛けにするのも手だろう。
さらなる食い渋り対策(3)「違和感があったら竿先を下げて糸を送り込む」。
エサの吸い込みが悪いと、ハリを口先にくわえて反転するため、ハリ掛かりしない。また掛かっても掛かりが浅いので、巻き上げ途中に外れる。これを防ぐために、アタリがあったら竿先を下げて糸を送り込み、より深く食い込ませてから竿を立てるのだ。
この3つの食い渋り対策を地道にコツコツ続けていると、ポツポツではあるが周りよりもペースアップ。作戦成功だ!
しかし、これも少しずつ効果が低下……。時間の経過とともにアタリがなくなり、ポイント移動となる。
指示ダナは25メートル。ここでも1流し目は良型のイサキ、メジナ、タカベが上がるが、2流し目からはポツリ状態。再び移動が告げられ、白浜沖に釣り場を移す。
今度の指示は35メートル。ここでは30センチの良型が顔を出し、私は本日初の一荷を達成。船中あちこちで竿が曲がり始めたが、ここでもしばらくするとアタリが遠のく。
再び早朝のポイントへ移動。右舷でポツポツと良型が顔を出したが、やや食い渋りのまま11時半に納竿となった。
船中の釣果は25〜37センチが17〜41尾。竿頭は右大ドモの豊崎氏。後半食い渋ったが良型中心で平均30尾、タカベ、メジナ、ウマヅラも交じり、爆釣とはいかなかったが十分満足の釣果だった。
南房のイサキはいよいよ本格シーズンに突入。翌日は10〜45尾、その翌日はトップ50尾超えと好調が続いているから数釣りはもちろん、良型の期待も濃厚だ。
[松丸]西藤 裕船長
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