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本誌編集長◎沖藤武彦
掲載号: 2009年11月15日号
2日目は泳がせ釣りでカンパチ&モロコ狙い
明けて18日。意気軒昂な金丸のメンバーは迷わずシマアジ狙い。一方、やぶさん始め海楽丸のメンバーは泳がせのカンパチ&モロコ狙いで大物獲得を目指すこととなった。
6時過ぎに出船し、まずは三本岳へ。エサ用のムロアジはすぐに釣れた。しかし、小さなシマアジも顔を出すものだから、一同泳がせへ転進する決心がつかない。
それでも1時間ほどで、まさに後ろ髪を引かれる思いで島の南部へ転進。新鼻新山(にっぱなしんざん)の沖で投入となる。
周囲には泳がせ釣りでカンパチを狙う船が数隻浮かぶ。
「40メートルになります」
「25メートルに上がります」
海底は岩礁で起伏は激しい。カンパチはもちろん、いかにもモロコが潜んでいそう。だから、放置するとまさに秒殺で根掛かりする。
海底から上へとゆっくり誘っていくカンパチ狙いはまだしも、海底から5メートルほどでアタリを待つモロコ狙いの私は、それこそ根掛かりにビビリながら、底ダチをひんぱんに取り直していく。
魚探にはカンパチらしき反応も見られるし、潮の流れも速すぎず、遅すぎず。いつ食ってきても不思議ではない……が、食ってこない。
これには倉持船長、胃が痛かったに違いない。
「三好さんが食わせた! デカいぞ、こりゃあ!」
慌ててミヨシへ。見ると三好さんは竿を抱えるのがやっとで、道糸は恐ろしい速さで引き出されている。
「三好、三好! ミヨシだよ! 突き出しに行け〜!」
やぶさんの冗談とも本気ともとれない絶叫の直後、ハリスが飛んだ。
「何なんだよ、あのスピードは!?100メートル一気!」
呆然とする三好さん。キハダか、巨大ヒラマサか?
それとも……。
万事休す。三宅島の旅は謎の巨魚のバラシで幕を下ろしたのであった。
港に戻ると、昨日同様にシマアジを狙い続けた金丸で4キロ級を筆頭に8尾が上がっていた。
うらやましい……。でも、シマアジの好況はうれしいかぎり。これから冬に向けてますますよくなることだろう。
もちろん、泳がせ釣りで狙うカンパチも5〜6キロはもちろん、10キロ、20キロ超級のチャンスは続く。そして、不意にやってくる巨大ヒラマサ、島の周囲に潜むモロコ。三宅島は遠征釣りを満喫できるフィールドだ。
[海友丸]倉持昌康船長
Page1 三本岳周りでシマアジのち、カンパチ、のちシマアジ狙い
Page22日目は泳がせ釣りでカンパチ&モロコ狙い
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