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フィッシングライター/ 山口 充
掲載号: 2010年12月1日号
会心の1枚をゲット
シケ後で心配されたが、今年も鹿島沖のヒラメは上々のスタートだった
今年も茨城県鹿島沖のヒラメ釣りが解禁となった。
外房と並ぶ一大ヒラメエリアである茨城県海域では11月1日に鹿島沖など南部の一部が解禁となり、その後12月からは大洗〜日立方面を含めた全面解禁と、段階的にスタートするのが通例。今回解禁する鹿島沖の状況は、今期のヒラメ釣りを占う大切な日になっている。
今年は10月30日から台風14号が関東地方をかすめ、31日に茨城県の沖合へ。そのため実質的には3日が解禁初日となった。
今回お世話になったのは鹿島港の第二洋生丸。当日は祝日に当たり、港は多くの釣り人でにぎわっている。
浦田洋行船長にあいさつしながら今年の予想を聞いてみると、「今年はいいと思いますよ。例年になくほかの釣りの外道でヒラメが掛かることが多かったですからね。期待しています」とのこと。昨年このエリアでいい思いをさせていただいた私としても期待せずにはいられない。
14名のお客さんを乗せて午前5時30分に出船。台風はすでに通過したとはいえ、海上はウネリが大きい。
30分ほどでポイントに到着すると、仲乗りさんがイワシを配ってくれる。親バリを上アゴへ、孫バリを尾ビレ付近に刺して投入準備。
やがて開始の合図。水深は約28メートルで、船は横流しで少しずつポイントを探っていく。「根が出てきますから根掛かりに注意してください」と船長。ここがチャンス。根の周りはヒラメにとって最高のエサ場。海底をイメージして、さらにエサをルアーに見立ててコントロールしていく。活性が高ければ目立つエサにアタックしてくるはず。攻めのヒラメ釣りだ。
右舷トモの細谷さんに最初のアタリ。うまくハリ掛かりしたようだ。小型のヒラメであったが無事タモに収まり船中1枚目。
続いて右舷の千葉さんにヒット。これは引きが強い。良型かと思ったが、上がってきたのは大きなアイナメだ。
次にヒラメがヒットしたのはアイナメを手にした千葉さん。これも小型だったがうれしそうだ。
再びきつい根を通過。私はリールのクラッチを切った状態でスプールを親指で押さえたまま、オモリを海底から若干上げた位置で待ち、竿の上げ下げで時折オモリを底に着ける感じで狙っている。
オモリが根に当る感触を感じとりながら底ダチをコントロールし、根ぶちでは?
と思う所でスプールを押さえる親指をゆるめて仕掛けを落とすと、一気に2メートル以上落ちる。
すると狙いどおり明らかなヒラメのアタリ。が、ここからが難しい。あまり食わせの間を取ると根掛かりしてしまうし、早合わせもいけない。
ころ合いを見てゆっくり竿を上げてみるとガクガクッとした感触。エサを放してしまったようだ。
しかしここで諦めず、すぐに放したエサをルアーで言う「フォール」で軽く落とし込むと、ロッドを引ったくるように一気にヒット。逃げたエサが一瞬止まったように演出したのがよかったのだろう。
巻き上げると、これがいいファイト。道糸が船下に入る舷だったためオマツリが心配だったが、無事1.5キロクラスを上げることができた。これで十分、思いどおりにイメージして手にした会心の1枚だ。
Page1 会心の1枚をゲット
Page2 3キロ級の良型も浮上!
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