Check
本誌編集部◉村上 敬洋
掲載号: 2012年4月15日号
この1枚を待っていた!
イサキは1人20〜30尾前後望める
このままでは引き下がれないと再挑戦したのは3月19日。6時前に港に着くと、船長は浮かない表情。
「今日は風が強いよね〜、神子元で13メートルも吹いているんだよ。後半はナギになる予報だけど、この前みたいに朝イチから神子元に行くのは無理。昨日は小型中心ながらもマダイがよく食ったんだよなあ」
強風の予報のせいか釣り人の集まりも悪く、私とお客さん1人の計2名で6時半に出船。
須崎港を出ると下田方面へとゆっくりと進み、下田沖の40メートルダチに到着。海面下25メートルの指示ダナでイサキ釣りが始まった。
食いはまずまずで、開始から2時間半くらいで私もお客さんも20尾くらいキャッチ。
いつしか風も弱くなってきたようで、周囲の船が次つぎに神子元島へと向かい始めたが、本船は動く気配がない。
わわわ……どうしよう。また他船にマダイを釣られちゃう!
慌てて操舵室へ向かうと、
「泡を食うんじゃないの。マダイはイサキを30尾釣ってから!」と諭された。
その後1時間近くイサキ釣りを続け、私とお客さんが30尾ずつ釣ったところでようやくマダイ狙いとなる。
先行した他船によると、神子元島周りの釣れ具合は今イチで、マダイは顔を見た程度らしい。そこで船長はイサキ釣り場から少し筋を変えたところでマダイを狙ってみることにした。
指示ダナは海面下30メートル。私はオキアミ2匹を抱き合わせにして投入し、指示ダナにコマセカゴを合わせた。
その直後、いきなり竿先が海面に突き刺さり、スプールからズルズルと道糸が引き出された。慌てて竿をかかえると、魚は沖へと突っ走る。
手に汗を握りながらヤリトリすること数分。ようやくコマセカゴをつかみ、ハリスをたぐると魚からボコボコと泡が出ているのが見えた。マダイだ。
後検量3.5キロ。2日間のチャレンジが報われた1枚だった。このあとお客さんと私で1枚ずつ小型をキャッチして13時に沖揚がり。
マダイは船中3枚で最大3.5キロ、イサキは30〜35尾。マダイは数こそのびなかったが、会心の1枚に乗っ込みが近いことを感じた一日だった。
[爪木丸]田中貞一船長
Page1 不本意な釣果
Page2この1枚を待っていた!
※本誌紙面では、カラーグラビア、仕掛図などがご覧いただけます。