アタリのない私は、グリーンのタコベイトをオレンジと、近ごろ流行!?しているケイムラ（蛍光紫）に交換するとともに、付けエサをカタクチイワシに変更。さらにカタクチの尾から胴の部分まで切れ込みを入れてスリット状にしてみた。これで誘えばヒラヒラとしてオニカサゴに目立つはずだ。
　誘い方も、オモリでドンドンと4〜5回底をたたく動作を加えて、振動と音でオニカサゴにアピールしてみた。
　すると底をたたいている最中にコツコツというアタリ。すかさず竿の動きを止めて食い込みを待つと再びコツコツ……。
　一呼吸置いた後に、乗せるような合わせで竿を頭上まで振り上げる。そして竿を海面に戻しながらリールを素早く巻いて再び大きく合わせを入れて、もう一度同じ動作をしてから電動のスイッチを入れる。
　オニカサゴの上アゴは硬いので完全にハリ掛かりさせないと、海面でのバラシにつながる。小さな合わせは道糸のフケとテンビンが力を吸収してしまい、ハリ掛かりしない場合があるのだ。
　取り込んだのは500グラムとやや小型であったが、私のオニカサゴ無敗記録が破られずに一安心。ホッとしながら同様に攻めていると、再び小づいているときにアタリ。
　今度はリーリングの際に断続して激しく引き込む。海面を割ったのはやはり1キロオーバーの良型だった。
　その後、私がキントキを追釣した2時30分に沖揚がり。船中釣果は1〜6尾でオデコなし。終日潮が動かず、潮変わりもない状況では上々の釣果といえるだろう。なお竿頭はベテランの鈴木さんで、ほとんどアナゴエサで釣ったとのこと。
　色いろなエサや仕掛けを使用した我われだが、これといった偏りは見られなかった。トップの鈴木さんに見習ってアナゴも使用してみたが、私たちには1尾も掛かってこなかった。ということは、オニカサゴはエサや仕掛けより腕？
　ちなみに私が食わせた3尾はいずれも上バリだったので、小づきに寄ってきたのだろうか。まだまだ奥が深いと思った今回の釣行だった。

［釣り船佐円丸］岩浦 一夫船長