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[スミイカ]
東京湾奥小柴出船…中ノ瀬〜第二海堡周り はやぶさ丸

14 人で 213 杯と好スタート テンヤ釣法オンリーの試し釣り

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本誌編集部◎斉藤 貴伸
掲載号: 2010年11月15日号

第二海堡から中ノ瀬へ

 


開幕から良型も交じって乗ってきた


 午前7時過ぎの出船と聞いて6時に宿に着くと、すでにほとんどの人が乗船し準備中だった。スミイカ船の常連の方にとっては正月みたいなものなのだろう。
 ミヨシの張り出しには右に滝沢さん、左に越田さんと、いつもの布陣だ。私は左舷の操舵室の横に入る。これまたいつもの釣り座になる。
 気になるエサのシャコは、小山哲司船長によると地元でも手に入るし、もしものときは他からの入手経路も確保してあるので、当分は問題ないという。テンヤの釣りではシャコが必須なのでまずは安心した。
 7時過ぎに出船し、まずは第二海堡の南側へ向かう。これも毎年変わりはない。このポイントのスミイカの乗りがシーズン初めの指針になる。
 水深約15メートルで開始となるが、ポツポツと型を見せる程度であまり芳しくはない。20メートルまで狙ってみてから、北側に移動する。
 こちらのほうが乗りはよく、投入の合図が出てからだれかが1杯乗せるまでの時間が短くなり、それに続く人も見られるようになった。スミイカの型は100~250グラムほどとまちまちだ。この点は好模様の裏付けと言っていい。シーズン初めから型がそろっていると、乗りが渋くなるのが早いことがあるのだ。
 午前中でツ抜ける人が出るペースの乗りになり、船長も一安心といったところだろう。10時ごろから私も竿を出してみた。ポツリポツリと昼までに5杯。悪くないペースだ。
 釣り場を中ノ瀬の11~15メートルに移してからは、さらに模様がよくなってきたように見えた。しかし水温が例年に比べればまだ下がっていないため、ポイントによってはサバフグがいる。テンヤの釣りの天敵だ。
 フグにやられたテンヤが上がってくると船長はすぐに移動を告げ、ポイントをずらす。そこでスミイカの数を稼ぐ。フグがくればまた移動。こうした細かなポイント移動で、フグを避けつつスミイカを釣らせてくれるのは、この道40年の船長の腕だろう。テンヤのファンが集まる理由が分かる。
 釣り方を見るとテンヤを遠投する人が多いが、必ずしもスミイカは船から離れた場所でよく乗っているわけではない。テンヤが船下にきてから乗るパターンもよくある。そのため船下専門に攻めてもそれなりに数が稼げる。
 試し釣りではベテランがそろうためほとんどの人がテンヤを遠投する。そこで投入合図が出た1投目はテンヤを投げず船下を狙うというのが試し釣りでの私の手。ガラ空きの船下を最初に狙うわけだが、結構この手は効いて納竿の3時までに合計13杯を手にできた。
 トップは滝沢さんの31杯。船中14人で8~31杯、合計213杯。型は100~300グラム。数杯だけカミナリイカが交じっていた。
 これから水温が下がると中ノ瀬のフグは消えてくれるだろうし、釣り場も広がってくる。群れが固まってきて次つぎに乗ってくるパターンも期待できる。
 深場でも底が取りやすいテンヤの釣りは、これからどんどん面白くなるはずだ。



はやぶさ丸]小山 哲司船長

 

 


 

 

Page1 14人のテンヤファンが集まった
Page2第二海堡から中ノ瀬へ



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