その後しばらくは探索の旅が続いたが、10時ごろには再び小船団ができ上がる。潮が澄んでいるせいかタナは40〜50メートルと深くなったが、船内メーターオーバーの良型が連発。が、食いは続かず再び放浪の旅へ……。しかし芳しい反応が見当たらないのか、船長は大貫沖への移動を決断する。
　しばし走って着いたポイントは水深17メートル前後で、指示ダナは13メートルより上。ここでは周囲のルアー船がポツポツとタチウオを取り込むのが散見される。と思ったら、当船を始めとしたエサ釣りの船にもアタリが到来。それまで2本に甘んじていた三石もグイグイと追い上げを見せる。
　その様子を見ていると、巻頭特集で解説してもらっているように確かに仕掛けを動かさないときにアタリが出ることが多いようだ。とくに大貫沖はタナが浅いため海面まで活発にタチウオが追ってくるのかと思ったが、そうでもないようだ。
　ポツポツの食いはしばらく続いたため、しばらく延長して午後2時前に沖揚がり。船中釣果は60〜105センチをトップ10本。撮影でしばし手を止めながらも三石も8本を釣り貫禄を見せつけた。残念ながら型を見られなかった人も数人出てしまったが、この日の食いなら致し方なしといったところ。
　大型台風6号通過後も目立った動きはないが、潮に濁りでも入れば突如として急上昇する可能性もあるのがタチウオ。本誌発売後に盛り上がっていることを期待したい。

［川崎丸］飯塚 和信船長