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NEWタックルで狙う外房〜南房のマルイカ

今年も始まったマルイカ(ケンサキイカ)。ライトタックルで繊細なアタリに合わせる釣趣、当たりスッテを追求する楽しさで、非常に高い人気を誇ります。今回は好調なスタートを切った外房小湊沖を攻めるべく小湊の寿々木丸にお邪魔しました。

良型が見込める外房〜南房エリア

外〜南房エリアではアカイカとも呼ばれる大型が交じるのが特徴。房総半島の南に位置する立地から暖流の黒潮の分流が入りやすく、水温が高まる3月ごろより本格シーズンを迎えます。
今年は2月半ばよりスタート。まだまだ深いので良い日の竿頭で40杯前後の釣果ですが、スレていないので当たりの出方も素直。全体的に活性も高いようです。

大きいアカイカと呼ばれるサイズが出るのが当地の魅力!平均サイズも大きい♪

5時半過ぎに出港した寿々木丸、釣り場までは約15分。まだ辺りも薄暗い中でスタートとなりました。船長からアナウンスされた水深は105メートル。合図と共に一斉に仕掛けが投入されてゆきます。魚探反応に対して船を止めている流し始めは着乗り勝負!

ロッドを海面に向けて少しでもガイドとの抵抗を減らし、時折スプールへサミングを入れてオモリが真っ直ぐ沈むように調整しましょう。穂先とスプールの動きを注視し、着底が取れたら素早く糸フケを回収するだけですぐにイカは乗ってきます。
これだけでも充分に釣果を上げられますが折角なら一工夫。出船が早い外〜南房エリアでは薄暗い時間帯からスタートとなることが多く、夜行性のイカ類は海底より少し浮いています。ですので、朝一は着底後にオモリを2メートルほど浮かせて狙うと多点掛けになることが多いのです。この作戦で順調に数を重ね、一流しで11杯のスタートダッシュ。日が昇ると活性は落ちるので手返しは何より重視したいところです。

最新マルイカタックル

少し明るくなってきた2流し目から釣りの手を止めて船上観察。ぐるりと使用仕掛けを見渡すと直ブラ仕掛けが半数でブランコ仕掛けがちらほら。直結仕掛けは私以外に2名ほどです。タックルはライトが8割にノーマルは2割といったところでしょう。やはり感度と操作性に優れたライトタックルが主流となっているようです。仕掛けのスッテは5センチのシンキングタイプが最も多く、7センチの浮きスッテは少数。これはここ数日の上がるサイズに沿ったセレクトですね。

さて今回の釣行はダイワNEWタックルの実釣会も兼ねています。より詳しく製品を理解するためには実釣からインプレは欠かせません。一通り船内を回ったら、同行スタッフたちのニュータックルの観察へ。もちろん自身でも朝から使っていますが横から観察するとさらに見えてくるものもあります。

・シーボーグ150J-L
小型左巻きで話題性が高いリールですが、実釣面で見ていると落下速度の速さが際だちます。スッテ数・オモリ号数ともにそろえた仕掛けにシーボーグ150JはPE2号、手巻き両軸のTDジリオン100はPE1号の条件で同時に投入。すると全ての投入でシーボーグ150Jが先に着底してきました。
これはシンクロレベルワンドとスプール口径の恩恵によって生じた差と思われます。スプールフリーの回転性に勝るTDジリオンですが、落下時のレベルワインドは固定タイプ。そのためスプール縁付近のラインが出る際にレベルワインドとの角度がつくため放出に抵抗が発生。これに対し巻き取り時同様にレベルワインドが動くシーボーグでは抵抗がほとんど発生せずスムーズな落下が可能となります。
またジョグダイヤルとクラッチによってリール操作が完全に親指一本で可能なのも見逃せないポイント。こう書くと片手操作が真っ先に思い浮かぶ物ですが、重要なのはハンドル以外の箇所を持ち続けての操作が可能となるところ。
これによりウネリなどでロッドがブレやすい状況ではグリップに手を添えて安定した静止状態を。タタキを入れる際にリールから手を離した状態でも、当たりがくれば親指でダイヤルを回して間髪入れずに合わせを入れることが可能です。タナの取り直しのクラッチON/OFFも親指一つで難なく操作。これは実釣で使ってみると大きな魅力です。

 

・メタリア マルイカMH150
メタルトップのエントリーモデルの位置づけとなる「メタリアシリーズ」ですが、研ぎ澄まされた感度は極鋭譲り! 今回発売のマルイカモデルも完成度の高い一本です。
同社の極鋭やリーディングシリーズに比べて先調子となっており、モタレ感をダイレクトに伝える手感度重視の仕上がりとなっています。それでいながらメタルトップの追従性も良く、目感度も並のロッドには劣りません。
そして実際に振ってみるとパリッと仕上がったブランクにより、減り張りの効いた「誘い」や「止め」の動作ができます。負荷の変化も手元へ明確に伝わるので合わせのタイミングを逃さない感じです。

YouTube Preview Image

探見丸に写る反応

マルイカを釣りに来ていながらも、どうしても気になるフィッシュイーターの反応。こんな時、探見丸があれば水中の様子が把握しやすくなります。最近では魚体長を予測するアキュフィッシュ機能を搭載し、魚探に不慣れでも分かりやすく楽しませてくれます。
薄く海底付近に出るマルイカの反応から、上に15メートル前後までの小魚と思われる反応。船がポイントへ流し直しに動くときの探見丸画面を見ていると、根の間を沿わせるように流していることがわかります。
そしてそんな反応を見ていると画面に大型魚を示す反応が・・・。そのサイズは164センチ!それに続けて121センチと出てきます。小魚の中にある突出した魚体反応・・・。巻き上げ中にマルイカを盗られないとなると遊泳速度はそれほど速くないのでしょう。

これを見たときに昨年初夏の勝浦沖のイシナギ釣りを思い出したのは言うまでもありません。
今回写った反応は沖揚がりまでに10回ほど現れました。今年の熱い初夏が待っているのでしょう・・・。

釣果を左右する仕掛け形式

朝の活性もなくなり、流し替え後の即乗り以外は拾い釣りになってきました。マルイカは釣り人が仕掛け形式を選択する釣り物です。当日の状況をみながら各仕掛けの特徴と結果を見てみましょう。

・直結
モーニングチャンスではどんどん掛けられるものの、仕掛け構造的に多点掛けはやや不利。しかし中盤以降の拾い釣りでは威力を発揮。サバの妨害があっても楽々通過できます。一瞬の緩みが即バレに繋がるシビアな面もありますが、それを補って余りある感度は見逃せません。

・ブランコ
ハリスが長くバレが少ないのでモーニングチャンスでは多点掛けが目立ちました。当日は無かったものの警戒心がやや高いアカイカ級が掛かることの多いメリットは見逃せません。
しかし中盤以降の拾い釣りでは活性が下がってスッテを抱く時間が短いので、スミ跡だけというのも多数。触りを捉えにくいので釣れても動作の中で掛かった感じが否めず、釣果では苦戦していました。

・直ブラ
モーニングチャンスの多点掛けも対応し、渋った時間の拾い釣りもOK。直結やブランコの中間だけに両方の仕掛けの利点を活かせれば確実に釣果をのばしていきます。
先調子のロッドが用意できるなら初心者に最もおすすめできる仕掛けです。これで経験を積んでから直結仕掛けに挑むのが無難といえるでしょう。

それぞれが特徴をもち、状況に合わせて使い分けることが釣果向上のポイントとされます。ただし、どの仕掛けにも「慣れ」は必要。まずは様々な仕掛けを使って特徴を知識ではなく感覚として知ることが大切です。

タングステンオモリ

40~60号のオモリを使うこの釣りではタングステン製のオモリが最上とされています。「鉛より比重が高く、同じ号数で体積が小さいので、抵抗が低く落下が速い」特徴をおさらいするとこんな感じでしょう。これらが大きな利点となるのは事実ですし、着底即乗り勝負となれば釣果を大きく伸ばすことができます。そして意外と見落とされているのが「感度」です。体積が小さいと言うことは水中での抵抗が低いと言うこと。これにより潮流に流されにくく、マルイカの触りの感触が明確に出て、アワセのタイミングも取りやすくなります。
このように利点の多いタングステンオモリですが唯一の弱点は単価が非常に高いところ。価格も通常のオモリの10倍近いのでロストの際は懐と精神的なダメージは計りしれません。

 

今後は浅場にて最盛期に

現在は100メートル近い深場で釣れている小湊沖のマルイカも水温上昇と共に徐々に浅場へと移動してくるでしょう。例年、ゴールデンウィーク頃には水深50メートル前後へ移動し、よりテクニカルにそして手巻きでも快適な釣りが楽しめるようになります。さらに内房・三浦半島・相模湾の各釣り場も釣れ出せば一気に盛り上がることでしょう。
マルイカは浅場ならカワハギや外房フグのタックルで挑むことが可能。誘い・止め・アワセの動作、サイズや配色などのスッテの選択など決して簡単ではありません。しかし、それらがピタリとハマったときの爆乗りの快感は何物にも代え難いものです。
全身を研ぎ澄ませて釣るテクニカルゲーム。是非挑んでみてはいかがでしょう?

小湊 寿々木丸 ℡/04-7095-2647

後日談

仲間内でマルイカ釣りにゆくと誘いの戦略や当たりスッテの議論で大いに盛り上がります。そして次のチャレンジに備え、極鋭マルイカAGS147・メタリアマルイカMH150・ホソ・カル・ピン金剛激まるいか160・バイオインパクトマルイカ82と各スタッフは自身の考えるベストを用意w マルイカが釣れ続けば次回はより熾烈な闘いとなりそうです・・・。

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