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‘釣行レポート’ カテゴリーのアーカイブ

NEWタックルで狙う外房〜南房のマルイカ

2013/03/18

今年も始まったマルイカ(ケンサキイカ)。ライトタックルで繊細なアタリに合わせる釣趣、当たりスッテを追求する楽しさで、非常に高い人気を誇ります。今回は好調なスタートを切った外房小湊沖を攻めるべく小湊の寿々木丸にお邪魔しました。

良型が見込める外房〜南房エリア

外〜南房エリアではアカイカとも呼ばれる大型が交じるのが特徴。房総半島の南に位置する立地から暖流の黒潮の分流が入りやすく、水温が高まる3月ごろより本格シーズンを迎えます。
今年は2月半ばよりスタート。まだまだ深いので良い日の竿頭で40杯前後の釣果ですが、スレていないので当たりの出方も素直。全体的に活性も高いようです。

大きいアカイカと呼ばれるサイズが出るのが当地の魅力!平均サイズも大きい♪

5時半過ぎに出港した寿々木丸、釣り場までは約15分。まだ辺りも薄暗い中でスタートとなりました。船長からアナウンスされた水深は105メートル。合図と共に一斉に仕掛けが投入されてゆきます。魚探反応に対して船を止めている流し始めは着乗り勝負!

ロッドを海面に向けて少しでもガイドとの抵抗を減らし、時折スプールへサミングを入れてオモリが真っ直ぐ沈むように調整しましょう。穂先とスプールの動きを注視し、着底が取れたら素早く糸フケを回収するだけですぐにイカは乗ってきます。
これだけでも充分に釣果を上げられますが折角なら一工夫。出船が早い外〜南房エリアでは薄暗い時間帯からスタートとなることが多く、夜行性のイカ類は海底より少し浮いています。ですので、朝一は着底後にオモリを2メートルほど浮かせて狙うと多点掛けになることが多いのです。この作戦で順調に数を重ね、一流しで11杯のスタートダッシュ。日が昇ると活性は落ちるので手返しは何より重視したいところです。

最新マルイカタックル

少し明るくなってきた2流し目から釣りの手を止めて船上観察。ぐるりと使用仕掛けを見渡すと直ブラ仕掛けが半数でブランコ仕掛けがちらほら。直結仕掛けは私以外に2名ほどです。タックルはライトが8割にノーマルは2割といったところでしょう。やはり感度と操作性に優れたライトタックルが主流となっているようです。仕掛けのスッテは5センチのシンキングタイプが最も多く、7センチの浮きスッテは少数。これはここ数日の上がるサイズに沿ったセレクトですね。

さて今回の釣行はダイワNEWタックルの実釣会も兼ねています。より詳しく製品を理解するためには実釣からインプレは欠かせません。一通り船内を回ったら、同行スタッフたちのニュータックルの観察へ。もちろん自身でも朝から使っていますが横から観察するとさらに見えてくるものもあります。

・シーボーグ150J-L
小型左巻きで話題性が高いリールですが、実釣面で見ていると落下速度の速さが際だちます。スッテ数・オモリ号数ともにそろえた仕掛けにシーボーグ150JはPE2号、手巻き両軸のTDジリオン100はPE1号の条件で同時に投入。すると全ての投入でシーボーグ150Jが先に着底してきました。
これはシンクロレベルワンドとスプール口径の恩恵によって生じた差と思われます。スプールフリーの回転性に勝るTDジリオンですが、落下時のレベルワインドは固定タイプ。そのためスプール縁付近のラインが出る際にレベルワインドとの角度がつくため放出に抵抗が発生。これに対し巻き取り時同様にレベルワインドが動くシーボーグでは抵抗がほとんど発生せずスムーズな落下が可能となります。
またジョグダイヤルとクラッチによってリール操作が完全に親指一本で可能なのも見逃せないポイント。こう書くと片手操作が真っ先に思い浮かぶ物ですが、重要なのはハンドル以外の箇所を持ち続けての操作が可能となるところ。
これによりウネリなどでロッドがブレやすい状況ではグリップに手を添えて安定した静止状態を。タタキを入れる際にリールから手を離した状態でも、当たりがくれば親指でダイヤルを回して間髪入れずに合わせを入れることが可能です。タナの取り直しのクラッチON/OFFも親指一つで難なく操作。これは実釣で使ってみると大きな魅力です。

 

・メタリア マルイカMH150
メタルトップのエントリーモデルの位置づけとなる「メタリアシリーズ」ですが、研ぎ澄まされた感度は極鋭譲り! 今回発売のマルイカモデルも完成度の高い一本です。
同社の極鋭やリーディングシリーズに比べて先調子となっており、モタレ感をダイレクトに伝える手感度重視の仕上がりとなっています。それでいながらメタルトップの追従性も良く、目感度も並のロッドには劣りません。
そして実際に振ってみるとパリッと仕上がったブランクにより、減り張りの効いた「誘い」や「止め」の動作ができます。負荷の変化も手元へ明確に伝わるので合わせのタイミングを逃さない感じです。

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探見丸に写る反応

マルイカを釣りに来ていながらも、どうしても気になるフィッシュイーターの反応。こんな時、探見丸があれば水中の様子が把握しやすくなります。最近では魚体長を予測するアキュフィッシュ機能を搭載し、魚探に不慣れでも分かりやすく楽しませてくれます。
薄く海底付近に出るマルイカの反応から、上に15メートル前後までの小魚と思われる反応。船がポイントへ流し直しに動くときの探見丸画面を見ていると、根の間を沿わせるように流していることがわかります。
そしてそんな反応を見ていると画面に大型魚を示す反応が・・・。そのサイズは164センチ!それに続けて121センチと出てきます。小魚の中にある突出した魚体反応・・・。巻き上げ中にマルイカを盗られないとなると遊泳速度はそれほど速くないのでしょう。

これを見たときに昨年初夏の勝浦沖のイシナギ釣りを思い出したのは言うまでもありません。
今回写った反応は沖揚がりまでに10回ほど現れました。今年の熱い初夏が待っているのでしょう・・・。

釣果を左右する仕掛け形式

朝の活性もなくなり、流し替え後の即乗り以外は拾い釣りになってきました。マルイカは釣り人が仕掛け形式を選択する釣り物です。当日の状況をみながら各仕掛けの特徴と結果を見てみましょう。

・直結
モーニングチャンスではどんどん掛けられるものの、仕掛け構造的に多点掛けはやや不利。しかし中盤以降の拾い釣りでは威力を発揮。サバの妨害があっても楽々通過できます。一瞬の緩みが即バレに繋がるシビアな面もありますが、それを補って余りある感度は見逃せません。

・ブランコ
ハリスが長くバレが少ないのでモーニングチャンスでは多点掛けが目立ちました。当日は無かったものの警戒心がやや高いアカイカ級が掛かることの多いメリットは見逃せません。
しかし中盤以降の拾い釣りでは活性が下がってスッテを抱く時間が短いので、スミ跡だけというのも多数。触りを捉えにくいので釣れても動作の中で掛かった感じが否めず、釣果では苦戦していました。

・直ブラ
モーニングチャンスの多点掛けも対応し、渋った時間の拾い釣りもOK。直結やブランコの中間だけに両方の仕掛けの利点を活かせれば確実に釣果をのばしていきます。
先調子のロッドが用意できるなら初心者に最もおすすめできる仕掛けです。これで経験を積んでから直結仕掛けに挑むのが無難といえるでしょう。

それぞれが特徴をもち、状況に合わせて使い分けることが釣果向上のポイントとされます。ただし、どの仕掛けにも「慣れ」は必要。まずは様々な仕掛けを使って特徴を知識ではなく感覚として知ることが大切です。

タングステンオモリ

40~60号のオモリを使うこの釣りではタングステン製のオモリが最上とされています。「鉛より比重が高く、同じ号数で体積が小さいので、抵抗が低く落下が速い」特徴をおさらいするとこんな感じでしょう。これらが大きな利点となるのは事実ですし、着底即乗り勝負となれば釣果を大きく伸ばすことができます。そして意外と見落とされているのが「感度」です。体積が小さいと言うことは水中での抵抗が低いと言うこと。これにより潮流に流されにくく、マルイカの触りの感触が明確に出て、アワセのタイミングも取りやすくなります。
このように利点の多いタングステンオモリですが唯一の弱点は単価が非常に高いところ。価格も通常のオモリの10倍近いのでロストの際は懐と精神的なダメージは計りしれません。

 

今後は浅場にて最盛期に

現在は100メートル近い深場で釣れている小湊沖のマルイカも水温上昇と共に徐々に浅場へと移動してくるでしょう。例年、ゴールデンウィーク頃には水深50メートル前後へ移動し、よりテクニカルにそして手巻きでも快適な釣りが楽しめるようになります。さらに内房・三浦半島・相模湾の各釣り場も釣れ出せば一気に盛り上がることでしょう。
マルイカは浅場ならカワハギや外房フグのタックルで挑むことが可能。誘い・止め・アワセの動作、サイズや配色などのスッテの選択など決して簡単ではありません。しかし、それらがピタリとハマったときの爆乗りの快感は何物にも代え難いものです。
全身を研ぎ澄ませて釣るテクニカルゲーム。是非挑んでみてはいかがでしょう?

小湊 寿々木丸 ℡/04-7095-2647

後日談

仲間内でマルイカ釣りにゆくと誘いの戦略や当たりスッテの議論で大いに盛り上がります。そして次のチャレンジに備え、極鋭マルイカAGS147・メタリアマルイカMH150・ホソ・カル・ピン金剛激まるいか160・バイオインパクトマルイカ82と各スタッフは自身の考えるベストを用意w マルイカが釣れ続けば次回はより熾烈な闘いとなりそうです・・・。

様々な活エサで狙う相模湾ブリ

2013/01/28

 今シーズンは例年よりかなり早くから姿を見せていた相模湾のブリ。
秋から冬の大物として釣り師を熱くさせます。エサ・ルアー問わず釣れれる魚ですが今回はエサ釣り、特に泳がせに絞って書きたいと思います。 

近年釣果上昇中の大型魚

ブリは最大で1.3メートル、20キロ前後に成長する大型回遊魚です。出世魚としても有名な魚ですが、神奈川県の遊漁ではここ十年ほどで釣果が上昇している魚でもあります。
様々な要因がありますが釣果上昇は釣り人にとっては嬉しいかぎり。しかも大型個体の釣果も年々増え、2011年秋には東京湾内のアジ泳がせで16キロという記録的な大型も仕留められました。
ここ数年で10キロクラスは季節に狙って通えば十分に獲れるサイズとなってきており、近場の大物として注目度は増すばかりです。

地域・季節で変化するエサ

今シーズンのスタートは大いに盛り上がったキハダが収束するとほぼ同時。瀬ノ海や亀城根の水深100メートル前後や、城ケ島東30メートルや西沖の200メートル前後など様々な場所に姿を見せ、釣り人を楽しませてくれました。
そして冬を迎えた12月頃にはアカカマスを追って瀬ノ海120~200メートルを回遊する群れと、南下するサンマや回遊するヤリイカを追う真鶴半島から初島周辺の群れに固まった感じです。

・サバ&アジ
10~12月 シーズン序盤は主にサバを使って狙います。先にエサを釣ってから泳がせ釣りに移行することが多く、手返し良く短時間でエサをしとめることが非常に重要です。 サバはビシ仕掛けやフラッシャーサビキで狙います。

・カマス
12~2月 冬になると相模湾では水深120~250メートルのタナに40センチほどのアカカマスがやってきます。脂が乗って非常においしいカマスはブリの特エサです。 エサ釣りを泳がせ釣りと並行して行うことがほとんどで、タックルは2セット用意する必要があります。またカマスが釣れない場合はサバをエサとするので、こちらの用意も忘れずに。

 

・ヤリイカ
12~3月 年末よりスタートするのがヤリイカをエサにしての泳がせ船。ブリはもちろん、マダイ・メダイ・イシナギ・アラなど多彩な魚が掛かってきます。日中に狙うことが多いですが、地域限定で夜間に狙う場所存在します。 日中はヤリイカ釣りと並行して泳がせ釣りを行うスタイル。いかに早くヤリイカを釣って泳がせ釣りをスタートさせるかに尽きます。 それに対し夜イカブリでは前半にヤリイカを釣って、後半にブリを狙って泳がせます。もしヤリイカが釣れなかった場合は冷凍・冷蔵ヤリイカを使うか、活ヤリイカを買い取って釣ることとなります。 活ヤリイカをエサにする船ではサバなどの魚を泳がせることを禁止しているところがほとんどです。仕掛けが胴突き式やテンビン式となります。

泳がせ専門もしくはハモノ狙いでは各船によってオモリや仕掛け形式が異なります。必ず事前に確認をとってから挑むようにしましょう。 また活きエサは鮮度が命。扱いは極力素手で触れないように注意し、こまめに生け簀へ移すなど気を使いたいところです。エサ付けも短時間で行い、海面で元気に泳ぐのを確認してから沈めましょう。

上記以外にも様々な魚がエサとなりますので色々試して特エサを見つけても面白いかもしれません。

 

ブリと対峙するタックル

メインターゲットは10キロ級のブリですが時には50キロ以上のイシナギも掛かってくるこの釣りでは、活きエサの動きが分かる繊細さと大型魚もねじ伏せるパワーが求められます。

ロッド:
この釣りの要となるのはやはりロッドでしょう。穂先はエサの動きを伝え、ターゲットの食い込みを妨げない柔軟なものが必要です。そして大型魚の引きを受け止めきれる胴がなければなりません。強度と繊細さが同居するロッドとなるのでグラス系ワンピースのものが適しています。

MPGのパワーとしなやかさが特徴のスフィンクスシリーズ。色鮮やかでアタリも見やすい!
細身ながら驚異的な強度を見せるマッドバイパー。筆者も愛用し仕留めた大物多数♪

リール:
近海泳がせで必要とされるラインキャパはPE6~8号を300メートル以上。そして鋭く重い引きをいなせるドラグが重要です。狙う水深は70~250メートルとなるのでパワーのある電動リールが適しています

 
大型モデルはパワーはもちろん糸巻き量が多いので不意のトラブルにも安心感があります。
昨今の中型モデルはパワーアアップされて大物と十分渡り合える実力を持ちます。

仕掛け作成は強度を抜かりなく

泳がせ釣りの仕掛けはヒラメ仕掛けに良く似た胴付き一本バリが多めです。地域や対象魚によって仕掛け形式が変化することも多いので必ず乗船船宿に確認しておきましょう。

ハリス:
ブリを中心とする場合は14~20号を2メートル以内。ある程度太さがあれば同時ヒットやサメの襲撃が多いときにゴリ巻きが可能です。また長すぎるとエサは幹糸を中心に動くので他乗船者とのオマツリを発生しやすくなります。

ハリ:
ヒラマサ16~20号、アジ16~18号が目安のサイズ。エサのサイズに応じてサイズを使い分けられれば理想的。カラーは銀が無難でしょう。エサが大きいためコマセ釣りの感覚で小さいものを使用すると苦戦するでしょう。
エサずれ防止に小型のケイムラビーズや夜行玉をハリのフトコロにつけておきましょう。

幹糸:
ハリス長・号数+α程度のものを使用します。一般的には16~20号前後が多いでしょう。
もしルアーや一つテンヤで用いるPRノットができるのなら、ミチイトに直接3~5メートル組めれば理想的。これはオマツリや水面付近で船下に潜られた際のダメージを軽減するためで、高強度ナイロンを用いればナチュラルクッションとしての働きも得られます。

 

的確なタナ設定でターゲットを狙おう

どんなターゲットもタナを合わせなければ釣れる確率は激減します。ブリをターゲットとした場合、通常時のタナは海底より5メートル前後。高いときで10メートル、低くとも3メートルは浮かせます。たまにエサを追いかけて中層まで浮くこともあり、そのような時はエサの反応に対して5~10メートル程下げて待ちかまえます。ブリは遊泳力がある魚なので多少タナが上下しても食わせることは可能です。また、サメ以外の掛かる魚に高級大物が多いのもこの釣りの特徴。イシナギは底から3~5メートル、ヒラメは1~3メートル、イカエサでのマダイは3~5メートルでアタリが多く感じます。

 
思わぬ大物は専門船のレコード級が釣れることも!気を抜かず挑みましょう。

船長に聞く泳がせ釣りのポイント

指示タナで活きエサを泳がせるだけに見えますが当然釣果差は出てきます。貴重なブリをしとめるにはどうすれば? 今まで船長に聞いたポイントをまとめてみました。

・ロッドが突っ込むまで持たない
30センチ程の活きエサを飲むには時間が掛かります。ブリはハリにエサが付いている限り何度もアタックを繰り返すので、じっくりと待つこと。

・送り込み厳禁
ロッドを大きく揺すり、エサを飲み込もうとしているときは不用意にテンション変化を与えてはいけません。食い込みを促そうと送り込んでは離してしまう事がほとんど。テンションが抜けるためハリ先も立ちにくくなります。またロッドを手に持つと十分な食い込みを待ちきれない人も多いようです。

・ポンピング不要
引き込みは強烈ですが顔を向けさせれば意外と巻けます。バランスのとれたタックルを用いれば、ロッド角度を保ってゴリ巻きも可能。不用意なポンピングは魚に反転の隙を与えます。ファイト時間が増加すればサメの被害やオマツリのリスクを増大させるだけです。

・予備の仕掛けは多めに
一瞬が勝負となる大型魚だけに「時合にオマツリほどき」ほどバカらしいことはありません。時間の掛かる絡みなら即切断し次の仕掛けを出しましょう。

サメによる妨害

泳がせ釣りでは必ずといって良いほど掛かるのがサメ類。せっかく手に入れたエサを潰されるばかりか、仕掛けを切られることもしばしば。大型個体は掛かった魚を横取りしすることもあります。そして切られず上がってきたとしてもハリスは鮫肌で擦られ、魚体も大きいので船上に上げることも困難です。
また1メートルほどの小型のサメは要注意! ついつい抜き上げてしまいがちですが毒棘を持つツノザメ類であることが多く、魚体をくねらせて第一・第二背鰭の大きな毒棘を刺して切り裂こうとしてきます。60メートル以浅でまざるドチザメ・ホシザメ・シロザメにパッと見が似ているので要注意です。
厄介なサメ類ですが底付近で掛かることが多く、大抵は底から3メートル以内で掛かります。あまりにもサメが掛かるようならサメが食わなくなるタナまで仕掛けを引き上げるのも一手。それでもダメなようなら専門船はほぼ移動し、便乗船でも本命魚が食害されるので大抵移動します。


100キロ以上のサメは上げるだけで一苦労…。小型のサメは毒棘に要注意!

泳がせの基本を覚えて更なる大物へ…

今回の泳がせブリは「泳がせ釣り」の範疇では中級レベルといった位置づけでしょう。ここで食い込んだ本アタリの見極めや、ロッド操作などをしっかり体得しておくと更なる大物釣りに役立ちます。できればイシナギなどが掛かり、ファイトの体力配分の感覚も掴めれば理想的です。
泳がせの上級ターゲットはマグロ・モロコ・大型カンパチ&ヒラマサといった一筋縄ではいかない超大物たちが待っています。いつかはそのような魚と闘える日を目指して、ぜひ身近な海から泳がせ釣りを始めてみてはいかがでしょうか?

 

提灯行列を狙え!銚子沖アコウダイ

2012/06/27

深場釣りの人気ターゲット、アコウダイ。普段は水深300~600mに生息する深海魚。初夏になると産卵のため、浅場へ移動してきます。

暖流と寒流のぶつかる銚子沖

今回狙う銚子沖のポイントは北からの親潮と南からの黒潮がぶつかり合い、非常に豊かな漁場を形成してる場所の一つ。そこで育つアコウは食味も抜群!ご当地ではメヌケと呼ばれ親しまれています。数もそれなりに生息しているとあって、比較的安定した釣果を得ることが可能です。銚子沖のアコウダイはポイントが遠く、出船時間が非常に早いのも特徴の一つ。今回、お邪魔したのは外川港福田丸も午前2時半に出船し、釣り場まで2時間半の航程。キャビンでぐっすり眠りながら向かいます。

マグネット投入で楽々♪

空も明るくなった午前5時にポイントへ到着。しっかり眠れれば短時間でも身体はずいぶん楽になります。 今回使用するアコウ仕掛けは以下の通り。福田丸では仕掛けを再使用するスタイル。船縁には強力なマグネットが設置されているので投入は楽々。仕掛けの消耗も少なく経済的です。 注意点として「エサは持参」となるので用意を忘れないでください。

・胴付き10本針: ムツバリ22号 ハリス18号65センチ 幹糸30号1.3メートル オモリ:500号 中オモリ50号 エサ:サバ切り身 ・イカのタンザク

基本的に大ドモから順に投入するスタイル。1人投入が終わる度に船を前進させ、各人の仕掛けが絡まない用に最適な間を作り出します。 この投入ですが通常はマグネット投入が無難です。その理由として治具投入では仕掛けコントロールが困難であるということ。下膨れ形状の胴付オモリ500号を使用した場合、落下速度が非常に速く、ある程度慣れていなければ危険です。船で用意されているオモリも鉄製ワンダーワンで下膨れなので落下速度は速め。初心者はマグネット投入で安全に投入しましょう。

一流し目から本命浮上

各人の仕掛けが藍色の海へ吸い込まれてゆくと、ゆっくりと船を戻して船長より水深のアナウンス。「水深550メートル。段々掛け上がってゆきます」 アコウダイの仕掛け操作の基本は底たたきの状態を作り出すこと。時折オモリが海底をたたく状態をキープし、根掛かりを極力避けることがポイントです。 船長曰く深場釣りの仕掛けコントロールは「オモリに聞く」とのこと。様々な変化はオモリによって伝達されます。それによって状況を推測し仕掛けを操るのが釣り人の仕事。大雑把なイメージの深場釣りは昔の話。何もしないで放置して釣れるほど甘くありません。細かな状況判断と仕掛け操作が釣果を伸ばしてゆくのです。

刻々と変化する海底地形からアタリを引き出すべく、各人が底取りに集中。しかし潮に吹かれてラインが斜めに入ると、とたんに難易度が増してきます。 オモリが海底をとらえる感触は曖昧となり、知らず知らずのうちにオモリを引きずると、たちまち根掛かりしてしまいます。ラインが斜めに深く入るときは一度10メートルほど巻き上げてから落とし直すと効果的。多少なりラインの角度が戻り、底の感触がつかみやすくなります。

しばらく流していると数名の穂先がアタリをとらえ始めました。「ゴクン、ゴクン」という独特の鋭い引き込みはアコウのアタリに間違いなさそうです。 まわりがアタリだせば自分もチャンス!海底で群れるアコウは1尾でいるということはほどんどありません。仕掛けの位置がそう離れていない以上、自分に当たる確率も大です。 福田丸は自由回収のスタイル。確実に1尾を獲るもよし、提灯行列を夢見るもよしです。ただし追い食いにはリスクも付き物。いつの間にか居なくなることも多々あります。そして最も注意しなければならないのは根掛かり。オモリが切れるだけと安易に考えてはいけません。特に追い食いを狙っているときは先に掛かった魚が暴れて針穴が広がっています。そこにオモリが切れた瞬間的な高負荷が掛かってしまうとバレることが多いとか。 アタリによってオモリからの海底情報が聞きにくくなるので細心の注意を払って仕掛けを操作しましょう。

仕掛けを操作しアタリを待つも無念のブザーの巻き上げ合図。魚のいない仕掛けを手繰っていると隣ではポコン、ポコン、ポコンと3尾のアコウが浮上。その隣でもアコウが上がっています。一流し目から姿が見れて上々のスタートとなったようです。

速潮にはオモリ700号も・・・

2流し目もポツリポツリと釣れますが、依然私にはアタリなし・・・。モゾモゾと微妙な魚信はありますが、周りのアタリから見てもアナゴやギスなどがイタズラしているのでしょう。それよりも潮流が微妙な形となってきました。落下途中の変速具合から最低3層に分かれていそう・・・。表層は北へそれなりに流れるも中層は停滞、そして400m以深はトロトロと流れている模様。これもあって投入巻上中の糸は右へ左へと向きを変え、油断するとすぐにオマツリに。斜めに入ったラインでは着底のシグナルも一瞬だけ。これを捉えきれないと潮流でズルズルラインが引き出されるばかりで根掛かりは必至です。 この状況に船長からはオモリを追加する提案も・・・。500号のオモリに200号を巻き付けて合計700号・・・。潮流が速くなると度々使う手段とのことなので、メインのオモリのほかに予備で200号は数本積んでおいたほうが良いでしょう。 「確実に底をとれる手段の確立がアコウの敷居を下げる。そういう意味でも800号ぐらいのオモリを是非ともメーカーに作ってほしい。」と船長談。もとより手持ちにすることのない深場釣りでは仕掛けの挙動が明確に把握できた プラスオモリは効果効果的。しかし着底を確実にとれる手段ではありますが、PE8号のライトライン派には厳しいところ。浮力のある魚と違い、追加されたオモリの負荷はかなりのもの。直線強力的に大丈夫でも、強い負荷で緊張状態のラインはオマツリの擦れに意外なまでの脆さをみせます。

一流しだけ行ってみるもやはりオマツリは解消されません。そこで船長が機転を利かせてスパンカーを下し、船向きと潮流を同化を試みると何とかオモリ500号でも流せるようになってきました。

一挙に8本!提灯行列達成

普通に仕掛けが下りるようになれば、オモリの情報を聞き取る動作もグッと楽になります。「ここは駆け上がるところ。根のジャングルを抜け、林となる感触をオモリから聞き取るんだ」と船長のアナウンスも入り、仕掛け操作をしながらも穂先には外道のいたずらやオモリの擦る感触など、様々な情報が伝わってきます。
そして待望のアコウのアタリも到来♪ アコウダイは通常、アタリの強弱に応じて道糸を送り込んで数を伸ばすのがセオリーです。しかし船長が「根のジャングル」と形容するほど流しているポイントは起伏の激しい海底形状。少しでも送り込めば一瞬で根掛かりするほどです。ゴクン、ゴクンと引き込まれるアタリを見ながら、その中でオモリが底を突くシグナルもとらえなければ折角付いた魚も逃がすことになってしまいます。

ウネリの動揺も重なり判断は難しい所ですが、船長もマイクを片手に身を乗り出してサポート。何とか根掛かりを避けて巻き上げに入ると、ロッドは大きな弧を描いています。揺れる穂先を見ながら大きなウネリで巻き上げが僅かに滑る程度にドラグを緩め、500メートルをワクワクしながら巻き上げは様々な想像が膨らむ楽しい時間。残り200メートル前後で一層激しく暴れ、残り70メートルぐらいからラインが斜め前に流れ始めればいよいよ浮上。 リールの巻き上げが止まるより速く、「ボコッ」「ボコッ」と続々とアコウが浮き始めます♪ 綺麗な紅い提灯行列となり、一挙に8尾ゲット。この光景を味わってしまうと深場釣りは止められません。

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深海巨魚アブラボウズの気配

次の流しも同じ根に仕掛けを入れます。下ろすとともに船内では次々つぎとアタリをとらえ、私もすぐにアタリ到来。しかし今回は操作ミスもあって根掛かり・・・。外そうと何度かライン操作をしているとズルッとオモリが岩礁を擦るような感触と共に外れた模様。魚も付いているようなので巻き上げに掛かります。 500・・・・400・・・・300と順調に巻き上げをしてくるも300メートルを切った辺りから暴れ方が随分激しくなってきました。念のためドラグを緩め、巻き上げ速度も落として様子をみていると100メートルを切った辺りで大きく暴れはじめ、残り70メートルで穂先から一気にテンションが抜けて無念のバラし・・・。しかもバレてみるとオモリの負荷は全く無し。どうやら重量すべてが魚だった模様・・・。痛恨の極み。 それでも多少は重量が残りアコウ2尾をゲット。そして仕掛けを回収してみると、ハリ2本が無惨な姿に・・・。伸びたハリを見て「アブラボウズだったね~」と船長や乗船者。もう少し速度を落としドラグを緩めるべきだったと悔やまれます。

銚子沖に効くタコベイト

その後も流しの度にポツポツとアタリ、順調に数を伸ばしてゆきます。その中で明らかに釣果に影響を与えるアイテムが・・・・。 下田漁具)クラゲ4号鮭皮ブラック。夜光カラーのイメージが強いアコウダイ釣りですが、実際にそればかりでは深海ザメやトウジンなど黒い外道を呼び寄せてしまいます。そんなときに有効なのがローアピールのタコベイト。 銚子沖では鮭皮ブラックとケイムラクラゲが実績カラー! 後から仕掛けに取り付けることは容易ですのでタックルボックスに忍ばせておきましょう。

シーズンは夏前まで

12時近くまで流して今回の釣行は終了。回数にして10回近く流したでしょうか? 実釣時間は約7時間。帰港までの2時間半は心地よい疲れと共にグッスリ快眠できました。 福田丸のアコウはシーズン終盤です。これから夏の潮となって流れが速くなりサメが増えてくると終了。7月ごろまでが目安です。
それでも魚影は抜群!いい潮の日に釣行できれば提灯行列も夢ではありません。繊細な仕掛け操作を行い、見た目と違って意外とテクニカルなメヌケ釣り。ぜひともチャレンジしてみてはいかがでしょう?

外川 福田丸
℡0479-22-5741

[使用タックル]
ディープマスターCX-9H240
コマンドX-9NP
PE12号1400m

遠征釣りで見た!電動ジギングの威力

2012/05/09

今年もイナンバにキハダやビンチョウマグロが回遊する季節となりました。ジギングで重いメタルジグを動かし続けるため若いアングラーが大半を占めています。「ルアー」というジャンルと、重たいジグを一日中操りマグロと勝負する体力的な問題から、敬遠されている餌釣り師も多いことでしょう。しかし現在の餌釣りタックルは初挑戦であっても十分な釣果を出せる性能を秘めています。

遠征船のエキスパートで挑む

4月に入ると漁海況速報で水温分布表とにらめっこする日々が続きます。例年4月から5月に掛けて黒潮が沿岸部に近づくことが多く、20℃の水温帯にキハダやビンチョウが乗っており、それがイナンバや御蔵島へ接岸すると一斉に遠征船たちが出船を開始します。遠征釣りでよく聞く「イナンバ」は伊豆諸島御蔵島の南西、伊豆半島先端から110キロメートルほど離れた海域に浮かぶ無人島です。見た目は島というより巨大な岩礁といった感じです。マグロ以外にもカンパチ、ヒラマサ、シマアジといった大型回遊魚やモロコ、ハタなどの大型根魚が狙えます。「限定近海航路許可」を取得した船舶のみが釣行でき、出港地により差がありますがルアーの平均乗船代金は30000円ほどです。
今回、いち早くイナンバへ出撃したのは遠征船の大御所、土肥とび島丸。舵を握る鈴木船長は釣り人を大物と戦う「勇者」とすべく、日々研究と大胆な挑戦が魅力の船長。船内の独特の雰囲気やマイク演出は自然と釣り人を高揚させ、大物遠征を存分に楽しませてくれます。
遠征釣りを行うだけあって船は遊漁船としては最大クラス。多少海況が悪くても揺れが少なく、第11とび島丸はベッドも完備され釣り場までの往復はゆっくり寝てゆくことが可能。出船時間が早くとも釣り場に着くまでに休むことができます。初めての挑戦でも乗船前から丁寧なレクチャーで安心して挑むことが可能。上乗りさんも乗船し心強いフルサポート体制。きっと記憶に残る釣行となるでしょう。

 

初心者でも大物釣りがしたいと思ったら「土肥とび島丸」です!

電動ジギングの威力

黒潮よせるイナンバへ向け、土肥港を1時半に出港し、釣り場についたのは6時過ぎ。前日が荒天だったためウネリは強く残り3メートル近い波高となっています。
私は普通のジギングタックル。同行のF氏は電動ジギングで参戦。電動ジギングとは「電動リールの巻き上げ+シャクリのコンビネーション」で狙う釣法。ペースを乱すことなくアピールできるため、動体視力に優れ警戒心の強いマグロ類に有効です。

そう、実に有効なのです。一流し目こそ全員空振りとなるものの、先頭に立って掛けまくる電動ジギングのF氏。普段より深めの200メートル以深に反応が出ても余裕で攻めきり、荒れた海も何のその。船内でバラしが多発する中、一切バラすことなく上げてきます。
ルアーアングラーの端くれとしては複雑ですがこの威力は本物・・・。いったい何がおきているのでしょうか?

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電動リールのパワー

船のエサ釣り師は最近の電動リールのハイパワー化はご存じの方も多いでしょう。ルアーアングラーは触れる機会も少ないので分かりにくいかもしれません。
たまに「手巻きと電動どちらが強いの?」と聞かれることがありますが、同じラインキャパの現行ハイエンドモデル同士ならば、電動リールは人間の力を越えています。
ギア比などの条件もありますが、少なくとも電動リールのブレーカーがあがる前に殆どの人間はヘバります。何百台と電動リールやオフショア用リールの糸巻きをしての結論です。それほどのパワーを現在の電動リールは秘めているのです。
また最近はテンションコントロール機能を持つモデルも多く、引きやウネリの強弱によって巻き上げ速度を変動させ、ラインを保護しバラシを防ぎます。そして構造がベイトリールなのでフォール中のバイトに対しての応答性も良好。最近はスピニングリールが多いジギングにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。

エサ用青物ロッドの利点

電動リールを用いてのジギングが電動ジギングとなるわけですが、その際に専用のジギングロッドを用いる必要はありません。メジ・カツオやカモシ釣りなどで使うような、ワンピースロッドであれば十分通用します。

・ラインが切られにくい
マグロは非常に目の良い魚です。特に動体視力に優れ、怪しいと感じたものを瞬時に避ける危機回避能力もなかなかのもの。当然、太ラインを見切る能力も優れ、太いリーダーによって一人だけ釣れないなどということも発生します。
故にイナンバでは20号(60ポンド程度)のフロロリーダーを用いるアングラーが多く、対象魚に対して細めなので一瞬の油断で切られる場面を目にします。
「太ければ食わない、細ければ切られる」よくある話ですが、いかにラインを切られないかが重要です。
この問題で大きなアドバンテージを持つのが餌釣り用の青物ロッド。グラス素材を多く使用したブランクは、カーボン素材ほぼ100パーセントのジギングロッドには出せないクッション性と驚異的な粘りを生み出します。
これによりロッドをしっかり立ててファイトできれば、ドラグで過負荷を逃がしつつ、ラインブレイクの原因となる瞬間的衝撃を避けることができます。

・バラしにくい
メタルジグは200グラム前後の重量。それが口元のフックから下方向へ自重が掛かっています。当然巻き上げる方向と逆なので、ファイトによって針穴が広がったところにウネリによってテンションが抜けてしまうとスッポ抜ける事態が起こります。これで悔しがる人を何人見たことか・・・。
柔軟に曲がるグラス素材を用いたロッドは魚が掛かれば常にテンションを与え続けます。加えて長さもそれなりにあるので、ウネリの上下動によって起こるテンション抜けが少なくバラしを防止します。

 
曲がり方は一目瞭然!ファイトにおいてはエサ用青物ロッドは断然有利です

これらのロッドはジギングロッドにおける分類ではローレスポンスロッドに属します。ローレスポンスロッドは弾性が低く、ブランク戻りがやや遅いのが特徴。ジグを跳ね飛ばすようなアクションは苦手ですが、メリハリあるストップ&ゴーのような動作は得意とします。その動作でも十分に釣れるのですが更に釣るために有効なメタルジグが存在します。

ローレスポンス対応のメタルジグ

イナンバでの流しはマグロの反応を見ながら、イナンバ島へ向けて潮に乗る方法。スパンカーを出した船は風に舳先を向け、船下を流れる潮流は1.5ノットから速いと4ノット近くになることもあります。ここへ200~300グラムのジグをマグロの反応に応じて70~200メートル落とし込みます。
ラインが斜めに入り速潮に流されたジグへ、ロッドの反発力でスライドさせるようなアクションを入力することは極めて困難。船上でしっかり動かしているつもりでも、糸フケによって力の伝達は緩慢になり、ジグは棒引き状態になることも多数。これを防ぐためにハイパワーな高弾性ロッドに300グラム以上のヘビージグを組む選択もありますが、大抵は数流しでバテてしまうことでしょう。
電動ジギングで前記のタックルではジグの棒引き状態は必至です。しかし逆転の発想で棒引きになる緩慢な力をウネるようなアクションに変えるジグが存在します。

・MCワークス)ガタージグ
独特の溝が掘られたボディが最大の特徴。従来のようなロッドで弾いてスライドさせるアクションは苦手ですが、独特の溝が潮流を逃がし、ウネるようなアクションを発生させます。これにより単純なストップ&ゴーの棒引きが、ウネる動作による誘いとフラッシングによるアピール。そして独特の波動を演出し、食わせの間となるストップでたまらず食いつくというわけです。
正直私もその威力は実際に目にするまでは半信半疑でした。しかし、目の前での爆釣劇とジグの適正ロッドの関係から間違いなく通用するものと確信しました。
このジグはジギングでは珍しいローレスポンスロッドの使用を前提としたモデル。反発力の強いハイレスポンスロッドで「弾く」のではなく、反発力の弱いロッドの「戻り」によってウネる動作を生み出しています。
これは餌釣りのロッドが非常に得意とするアクション。常にオモリを下げている餌用ロッドは曲がっている状態が基本であり、餌の不自然な動きを押さえウネリをかわすしなやかなブランクはガタージグとの相性が非常に良いのです。

ヒット連発!これぞパワースポット「イナンバ」

次つぎと掛かるマグロにファイトと取り込みで船内のテンションは最高潮!ジャーク後の間で食ってくるパターンが多いものの、フォールにもバイトは出ており、糸フケに注意し一瞬の変化を見逃さないことが重要。特にスピニングタックルではバイトが見難いのでフェザーリングでジグのフォールを妨げない程度にラインを張ると効果的です。周囲に海鳥は多く、流し変える度に複数ヒット!水深が200メートル以浅のイナンバの根に差し掛かるとヒラマサも登場。しかし根についたヒラマサは大型でパワーも凄まじくラインブレイクも・・・。それでも14キロと19キロが浮上!切っていったヒラマサはもっと大きそうです。 各自様々なアクションを試してますが基本はワンピッチジャーク。マグロ類はフォール中のバイトも多いので少しでも落下速度が緩んだらアワセを入れてみると取りこぼしは少なく済みます。 ファイトに入ったらパワフルな魚の引きを楽しみましょう。大きいようなら膝を曲げて腰を落としどっしり構えるぐらいで。最初から全力ではバテてしまいます。長距離走のようにスタミナ配分を考えた勝負が基本。リラックスして楽しむ心が重要です。 大きいようならポンピングをしますが大きいストロークはNG。体力の負担も大きいですし、負荷抜けによるバラシや魚に反転の隙を与えます。ショートストロークで小さく素早く巻きとって距離を詰めてゆきます。残り20メートルを切ったら周囲に声を掛けておきましょう。 取り込みはギャフマンと息を合わせて。マグロ類は回って上がるのでタイミングを予測して素早く掛けてもらいましょう。だらだらと旋回させ続けてはオマツリの原因になりますし、船下に突っ走られると体勢的にかなり苦しくなります。 無事にギャフが入れば捕獲成功!とび島丸では上乗りさんが保冷用魚倉に運んでくれますので大型クーラーの船内持ち込みは不要。撮影とタグ付けが済んだらお任せしましょう。

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掛かる魚は10キロオーバーばかり!これが遠征釣りの魅力!!

記憶に残る特別な釣行を

興奮度満点の遠征釣りの時間は瞬く間に過ぎ去り沖揚がりの時刻を迎えました。ファイトの達成感に酔いしれる者、無念にもブレイクされ再挑戦を誓う者など人それぞれですが、乗船したアングラーの記憶に強く残る釣行となったことでしょう。結果はキハダマグロ船中1本、ビンチョウ船中24本、ヒラマサ船中2本、ヒット数はその倍以上。その他メダイ・小カンパチ・カマスザワラまじりです。
遠征船は技術も運も資金もタイミングもいる釣りです。しかし乗船した釣り人にはそれ以上の大きな感動を残します。「近場で気軽に」と違う特別な釣行。遠征釣りという「お祭り」に気合いを入れて挑んでみてはいかがでしょう。

土肥 とび島丸
℡0558-99-0159

[使用タックル]
ノーマルジギング:

SGコースタル コンビジャーク64
ソルティガ4500
ウルトラダイニーマWX8 4号300メートル
シーガーFXR船20号5メートル
キラージグⅣ210グラム

電動ジギング:
ゴウインブルHHH240
電動丸BM3000ムテキ
シーガーFXR船20号5メートル
ガタージグⅣ210グラム

釣趣最高!シーズン序盤のマルイカを狙う

2012/03/02

ここ数年で春から夏、関東周辺の沖釣りテクニカルゲームの代表格となったマルイカ。釣り人の技術がダイレクトに釣果へ現れ、様ざまな引き出しを用いて数を競うスタイルは秋から冬のカワハギに並ぶ人気ターゲットです。昨年の不調で今年は心配されましたが、1月末より相模湾にて開幕、釣り人を熱くさせています!

マルイカとは?

関東でマルイカと呼ばれるイカの標準和名はケンサキイカ。地域や季節による変異の大きな種で、多くの地方名を持つイカとしても有名です。近海内湾で釣れる太身で短い関東のマルイカ、駿河湾のジンドウイカ、外海で細身で大型に育つ伊豆諸島のアカイカ。外房のアカイカは内外湾の中間的な存在かもしれません。そのほか、日本海側の本家ケンサキイカのほか、小型のブドウイカなどが知られています。

生物学的な特徴のほか、多くの地方名を持ち、また地方名と同一の正式名称を持つイカが存在することから誤解しやすいので注意しましょう。食べては甘みが強く、ほどよい歯ごたえが非常においしいイカで、大きく成長してもおいしい、というより、大型のほうが食味の評価が高く、食通にも大変人気があります。

地域による差が大きいイカです。

3種の仕掛けを使いこなそう

釣って楽しく、食べておいしいマルイカ。しかし昨今の細分化された仕掛け形式やスッテ、そして釣法から敬遠されている方もいるかもしれません。
ただ釣るだけなら適当でも釣れますが、遊びとして釣りをするのなら全力で楽しんでいただきたいところ!簡単に各釣り方に触れてみましょう。

【ブランコ】
難易度 低
釣趣:オートマチック
適合ロッド:仕掛けの汎用性が広いのでロッドの調子をそれほど選びません。鋭い操作を必要としないので7:3調子ぐらいのロッドを用いられることが多いです。
適:潮流が速い・深ダナで高活性・イカ釣りに慣れていない
不適:潮流が緩い・浅ダナで低活性
浮力を持ったウキスッテを用いた仕掛けで、潮流になびいてイカを誘うため「タナを広くゆっくり」と比較的簡単な誘いで釣ることができます。
スッテの安定性も高く、ウネリが潮流があるときに有効で、ハリスが長いためバレは少く、深場でイカが高活性なときなど、一回の投入で数を稼げます。初心者におすすめ!
ただし、繊細なアタリをとらえて掛けるゲーム性は少ないといえるでしょう。

【直ブラ】
難易度 普通
釣趣:セミオート
適合ロッド:ダイレクトなアクション入力ができる8:2調子以上の先調子のロッドが好まれます。カワハギやカレイロッドのような鋭敏な穂先を持つものがよいでしょう。
適:様ざまな状況に対応。迷ったらコレ!
不適:安定感を持つため突出したものはない
浮力のないスッテを1センチ程度の短いハリスで接続した仕掛けです。近年のマルイカ釣りの標準仕掛けといえるでしょう。
短ハリスによって釣り人の誘いがスッテにダイレクトに反映されるので「釣った」達成感が味わえます。ただしブランコに比べて仕掛け操作を要求されるので、誘いやバレ防止は釣り人の技量が問われます。

【直結】
難易度 高
釣趣:マニュアル
適合ロッド:ダイレクトな操作性と感度を優先させるため極先調子のロッドが好まれています。近年は1.5メートル前後のショートロッドが流行です。
適:微細な乗りが多い・浅ダナ・イカ釣りに慣れている
不適:潮流が速い・タナが深い・オマツリが多い
ハリスが全くなく、浮力のないスッテや重たい鉛角を使う仕掛けです。特徴としてハリスがないため高感度・高手返しを誇り、最も「釣った」という達成感が味わえる仕掛けです。
ただし要求される技量も高く玄人好み。使いこなせれば竿頭級の釣果を狙えますが、ラインの弛みは即バレに繋がりますので要注意です。ウネリが大きいときや潮流が速いときには苦戦を強いられます。

ライトorノーマル?タックルに対する考え

様ざまなイカ釣りでもマルイカは使用タックル差が大きい釣りものです。特にシーズン初期は「ノーマルタックルはオモリ80号。ライトタックルは60号OK」など船内で指定が違うことも多々あります。
これは60メートル以深の状況では電動リールを使う人が多く、その場合PEラインが平均3号前後とそれなりの太さで、オモリ80号が標準になります。それに対し、1号または0.8号の細さのPEラインを巻いた、いわゆるライトタックルであれば、ラインの潮切れがよいため軽めのオモリで釣りが可能になるわけです。
初心者は混乱しがちですが、船宿が意図する最も重要なことは「ラインが立ち、乗船者とオマツリしないこと」です。挑む際は自身のPEの太さ(細さ)タックルがノーマルなのかライトなのかを確認しておきましょう。
また先に触れた三種の釣法は難易度の高いものほど軽量タックルが有利となります。釣法でタックルを選んでも良いでしょう。

ここまで触れたタックルや仕掛けに関して、より詳しく知りたい場合は隔週刊誌「つり情報」やムックの「イカ釣り攻略マニュアル」をぜひご利用ください!

秋谷沖70~90メートルを攻める

他のエリアよりも一足早く釣れ始めた相模湾エリアを攻めるべく、お邪魔したのは茅ヶ崎の一俊丸。ノーマルタックルが多いシーズン序盤で、いち早くライトタックルで狙うスタイルで出船し、多くの釣果を上げている船宿です。


当日集まった釣り人は8名。昨年就航した大型新造船に乗り込み、後藤船長操船のもと秋谷沖のポイントまで航程30分ほど。皆、様々な策を練った仕掛けを用意し、マルイカ攻略を目指します。
ぐるり船内を見渡すと仕掛けの割合はシーズン初期らしくブランコと直ブラが多め。深場のマルイカを手堅く攻略するにはやはりそれでしょう。なので敢えて少ない直結仕掛けをセットし、それぞれの差を見るとします。
やがてポイントに到着すると投入合図が出されました。水深は70メートル前後からスタート。曇って雨もパラつく天候下でどのような乗りを見せるのか?まずはカメラを片手に様子見に徹します。
すると数流しは空振りがありましたがポツリポツリとブランコ仕掛けを使う人に乗り始めました。乗っているカラーは暖色系。仕掛け上部のスッテが多く、タナが浮き気味なのかもしれません。

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この傾向を踏まえて私もマルイカタックルを持ち釣りを開始します。周囲のタックルと潮流から判断し、PE1号を巻いたリールにタングステンシンカー40号をセレクト。重量に対し体積の小さいタングステンは鉛に比べて沈降速度が良好。加えて細PEラインは潮流の抵抗も少なく、底ダチを取ってからラインが吹かれないので微細なシグナルが鮮明に伝わります。
着底から50センチほど底を切り、ウネリを吸収しながらスッテを制止。すると直ぐにマルイカの反応が到来。モタレを捉えて合わせるとグンとロッドに重みが乗ります。
水深70メートルを一定速度で巻き上げると水面には当日のレギュラーとなる20cm弱が姿を見せました。
ちょうどプチ時合も到来し、船内至る所でマルイカが取り込まれてゆきます。慣れた人は手返しを進め、一流しで数杯ゲット! そして私にはマルイカを襲うアタリが2度も・・・。どうやら別のターゲットもいるようです。

直結仕掛けによる攻略

今回の私は直結仕掛けを使用。感度に優れたこの仕掛けを用いて、以下の通りマルイカを狙いました。

[動作]
着底したらすぐに底から0.5~1.5m離し、

仕掛けを5~10秒静止させ、触りなどの違和感を捉えるべく穂先を注視。

(2パターン)
・1シャクリ入れて5秒静止
・タタキを数秒入れ、その倍の時間を静止。
使い分けは活性と自身の疲労度にて。

上記を3~5セットして載せられなければ15m巻き上げて落とし直し、最初の動作へ。

[意識]
・動静を明確に
マルイカはスッテをきっちり止めたほうが乗るので、海中でのスッテの静止に注力します。また腕とロッドは水平に伸ばし、船の動揺を極力吸収します。

・ウネリ幅認識と感覚誤差修正
数十分に一度、オモリを底に付けた状態でラインを張り、ウネリの縦幅を計ります。それにより上記の動揺吸収の感覚と実測のウネリ幅の誤差を修正します。

・目線は穂先
スッテが完全に近い静止状態を保てれば、マルイカの動作がアタリとして出ます。
しかし、これを手だけでとらえようとすると、掛かるアタリは半分程度しか分かりません。そこで穂先を注視しアタリを目でとらえます。
主に取るアタリは
1.一瞬の弱振動(たぶんイカパンチ)
2.動揺停止(抱き込み)
3.引き込み(持ち去り動作)
で、これを捉えきれないと
4.強振動(蹴飛ばし逃げ)
となり、逃げられます。
手でとらえられるのは2~4で合わせるまでのタイムラグに1工程進みます。「あっ!」「逃げた!」「遅かった~!」などと騒いでいたのは3以降を捉えて合わせた為です。

これらを実行するとマルイカがスッテに興味を持ってさえくれれば大抵掛けることができます。ロッドの使い込みによる慣れも非常に大きな要素となりますが、ぜひ微細な違和感を捉えてみてください。

イカを襲う魚を狙う…

マルイカを数杯ゲットできれば土産は十分。となれば、これから相模湾を盛り上げるマルイカを襲う不届き魚はしとめておかねばなりません。
流しているポイントはオモリの感触から推察するに根に砂地が点在する形状のようです。そしてマルイカが襲われたのは底から3メートル弱。引ったくる形と咬みながら追跡する形。となれば前者は回遊魚かヒラメ、後者はマダイあたりでしょう。お誂え向きに頭上で鳥も旋回し、大型魚の存在を予感させます。
マルイカ釣りだけに選んだルアーはスロースクイッド。フォルムは完璧!後はターゲットに合わせた動きで狙ってゆきます。
・・・・・が、そう簡単には釣れませんorz 約半分の時間を費やしましたが釣果を得ることはできませんでした。しかし、マルイカ釣り場に十分な可能性を感じさせる有意義なアプローチとなり満足です♪

マルイカを〆てみよう

食味評価が高いマルイカを釣ったのなら、やはり美味しく食べたいところです。
持ち帰りまでの氷や真水などの保存方法に工夫を凝らす方は非常に多いですが、案外忘れられているのが〆です。
これをする事によってどのようなメリットが生まれるか?諸説ありますが、私が最も感じるのは当日の皮剥きが非常に楽になること。
よく釣りたてのイカの皮を剥こうとすると、千切れるばかりで上手くゆきにくいですが、〆てあるとペロンと剥がせて調理も楽に(なるように思います)。
他にも生きたまま袋詰めするより墨を吐かれにくい、袋内で噛み合うことがない。といったことのほか生臭くなりにくいとの意見も!
数が多いと大変ですが、余裕があるときはぜひお試しください!透明感の強いマルイカの刺身は一度食べれば病み付きです♪

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本格シーズンはこれから!

前半の乗り渋りでやや苦戦した今回の釣行。数日前より渋い日が続き、昨年の悪夢を予感しましたが翌日他船で好釣果も聞かれ、今後も大丈夫そうです。
テクニカルゲームが売りのマルイカはこれからが本番。日を追うごとに浅場へ移動し、小型も増えて釣り人の技量が問われるようになります。
逆に大型を釣って楽しみたいなら早めの釣行が吉!刺身では甘みの強く、火を通しても硬くなりにくい身は非常に美味です。
これから徐々に他のエリアも開幕してくることでしょう。2012年はマルイカの動向から目が離せませんね!

茅ヶ崎 一俊丸

LTマルイカ船 9000円

℡0467-86-7043

船宿ホームページ
http://kazutoshimaru.net/

Twitter @kazutoshimaru

[タックル]
極鋭ゲームセンサー165
メタニウムMg7 左
PE1号200メートル
マルイカ直結5センチ仕掛け
オモリ40号