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深場仕掛け作成の工夫

寒い時期に最盛期を迎える深場釣りの釣りものたち。当たりのシグナルを読みとって数を狙う釣趣は独特なもの。そして食べておいしい魚がほとんどなのでアフターフィッシングも楽しみです。非常に多いハリ数が多く投入後は行える動作も少ないため、仕掛けのライン号数・ハリス長・幹間など様々な工夫が釣果に反映されます。明確な目的やこだわりを持って作成した仕掛けは釣果も自ずと伸びるもの。ぜひ自作仕掛けで挑んでみましょう。

 

自分の仕掛けを識別する

ハリ数が多い釣りだけにオマツリはつきもの。互いに協力しながら取り込みますが、魚が混ざって誰の釣果か分からなくなることも多々あります。銀色ばかりのハリではオマツリでの仕分けは結構な手間となります。すぐに判断が付くように工夫を凝らしましょう。

・油性ペン
確実で簡単な方法がハリスへマーキングする方法。治具に巻かれたハリス部分にさっとペンを走らせるだけで各ハリスに点のマークがつき仕分けが容易になります。市販仕掛けや船宿仕掛けでもすぐにできるので、釣り場にはぜひ携行しましょう。

・カラーフックを使う
仕掛けを自作されるならカラーフックの使用も一手です。赤・緑・橙・金・夜光など様々な種類があります。これを使えば見分けは一発。状況に上手くあわせれば釣果向上も望めます。また交互に違う色を配色すればエサ付けの際にハリ順を入れ違えるトラブルも激減します。

 

間隔の揃った仕掛け作成

掛け枠にピシッと揃った仕掛けの作成は深場釣り師の誰もが目指すところ。均一な間隔で作成された仕掛けはハリスの折れも最小で済み、魚の食いにも違いが現れます。
しかし実際に作るとなると意外と難易度は高いものです。いくつか作成方法がありますが筆者のパターンを紹介してみたいと思います。

・ハリスとサルカンを接続して揃える
筆者が作成する際に多く使うのがこの方法。巻く予定の掛け枠に糸付ハリを沿わせてハリス長を決め、サルカンを接続するスタイル。サルカンを結んだ糸付ハリをカーテンレールなどに掛けてゆけば長さの違いも一目瞭然。ミスも少なく長さを均一に揃えてゆくことができます。そしてハリ数分の作成ができたら、掛け枠へ幹糸長で誤差を修正しながら巻きつけてゆくのです。
先に幹糸を作成してからハリスを付ける方法もありますが、少しでも幹糸がずれると後の分まで全部ずれて行くので意外とやっかい。特にカットラインで大型スプールに大量に巻いてストックしようとすると誤差に気づきにくいものです。
慣れるまでは掛け枠に巻いた仕掛けを作るなら、巻きながらの実測で結ぶのが無難。長さが定まったカットラインで均一な仕掛け作るのは経験が必要です。

  

作り方は人それぞれ。自身が作りやすい方法が一番です! 自分なりのアイデアを仕込んでも面白いでしょう

筆者が仕掛けを作成する際はハリスはフロロカーボン、幹糸はナイロンを用いることがほとんど。これは耐摩耗性やクッション性などの素材の利点を生かすためと、巻き上げ中の魚の負担が大きく掛かるハリスをフロロカーボンとすることで伸びを最小限に抑え、現場での掛け枠への再巻きつけを容易とするためです。

最終的には慣れの問題です。まずは数を結んで経験をつみましょう!

結びやすく解きやすく

15本以上のハリ数でたくさんの魚が一気に掛かれば仕掛けはグシャグシャに絡んでしまいます。ですが下に数枚程度しか掛かっていなければマグネットにきちんと並べて取り込むことで、治具に巻き直して数流し後に再使用も可能となります。しかし仕掛けの一部のみ大きく絡み、修復困難になることも意外と多いものです。
そんな事態に対応するには仕掛けを分解して問題部を取り除くのが効率的。しかし幹糸を切ってしまえば幹間に誤差が生じ、治具には綾掛けで巻かねばなりません。深海結びでは解くのは意外と面倒。そんなときにお勧めの結びがあります。

・コブ付8の字結び
非常に簡単ながら実釣強度は充分な結びがコレ。結束時間でみれば深海結びには及ばないものの、現場でも解きやすく再組立ても容易です。

 
端に硬結びでコブを作ったらサルカンに通し、8の字結びをするだけです。

ゆっくり締めたら完成。コブがしっかり締まってないと抜けることもあるので注意。

解くときは幹糸を強く押し込めば緩みます。切らずに再組み立てすれば寸法も狂いません。

黒いサルカン

深場仕掛けの多くは幹糸からハリスを出すのにサルカンを用います。掛かった魚は巻き上げの抵抗でくるくる回り、仕掛けが絡むだけでなく最悪貯まった糸ヨレでハリスが切れてしまうことも。長い距離を巻き上げるだけにラインに生じるヨレの対策は必須といえるでしょう。
さてサルカンも様々な種類がありますが、今回注目するのはカラー。市販品の多くは銀色のサルカンを用いますが、自作するのなら黒いサルカンを選びたいところ。
魚の食いに直結するわけではありませんが、釣果には意外と影響が出ます。と、いうのも海域によってはタチモドキやナガタチカマスといった縄切り魚が多くなる時期があり、これらの魚は光る物に噛みつく性質があります。ずっしりと重量感のある曲線を描いていたロッドが、前触れもなくフッと軽くなってしまったときはこのパターン。非常に悔しい思いをすることとなるので、僅かな値段差で買える黒いサルカンがお勧めです。

僅かな違いが釣り場で大きな差となることは多々あります

仕掛けの組み立て

各々のパーツを作成し終えたら組み立て作業です。実際に掛け枠に巻きつけながら組み上げれば寸法の誤差も修正でき、きっちり作り上げることができます。
巻きつける際のテンションは緩めに。掛け枠から出てゆくとき、幹糸はシャフトの上を斜めに滑るので余裕がないと引っ掛かりが生じます。巻きは8の字巻きが出やすく絡みも少ないのでお勧めです。

最上部は径に合ったサルカンでシャフト通せば固定は確実。輪ゴム固定のような保管中に切れてバラける心配もありません。

 

組み上げる際にハリ向きも決めます。上の写真は右舷側のトモから順に投入し、船を前に進めてゆく船宿用。通っている船のスタイルに合わせれば操作性は上々。
フラッシャーをエサ代わりと見てください。ハリ先を上に、エサは刺してから軸側に回して垂らせばエサがハリスに掛からず絡みもほとんどおきません。
ハリスも巻く際も、掛け枠シャフトの下を通して幹糸に乗らないようにすれば、エサ付けの際にハリス位置がずれても幹糸を押し出すことは減ります。

 

捨て糸は色付きのラインがおすすめ。仕掛けの端の判断が容易なので幹糸内の上下が絡むトラブルを解く際に楽になります。また他者とのオマツリの際にも仕掛けの終わりが分かりやすく、オモリの返却も迷うことはありません。
一通り組み上げて巻き終わったら捨て糸を数ループ残して枠と幹糸へ輪ゴムを掛けます。素材は生ゴムが向いており、現場で不意に解れるトラブルを防ぎます。捨て糸を数ループ残すのはオモリ装着後の仕掛けの扱いを用意とするためで、生ゴムは外さずとも幹糸放出中に弾かれて外れるので、投入前に外す必要はありません。
オモリを止めるスナップサルカンへはウレタンゴムを用いれば保管時の劣化が少なく、ゴムが切れて解れるトラブルは激減します。

エサ確保

深場釣り師の悩みの種の一つがエサの準備でしょう。ハリ数10本程度で再投入方式ならなんら問題ではないのですが、新島沖キンメの様に20本ハリ仕掛け7組分のエサとなるとその数140枚。まともに購入していては出費額も痛いところです。

・年間釣りものから用意する
普段から深場釣りの準備を怠らない方の正攻法。一年の釣りでサバ・ソウダガツオ・イカ類などキープしておく方法です。これなら手間も分散されるのでエサ切りなども比較的楽。保管で冷凍焼けの心配もありますが、家庭用冷蔵庫でもエサを一度凍らせてから、キンキンに冷やした氷水に通して表面に氷の膜を張ると意外に耐ちます。

 
塩を振るときは身側だけに振ると皮の縮まりを最小に抑えて輝きが活きます!

・ロールイカ
最近の筆者の定番パターンがこの方法。スーパーの冷凍コーナーの定番品「ロールイカ」。分厚い身が1切れ100円前後で販売されており、ここから15枚のエサが切り出せます。
カットは細長く短冊上に切り出した後、倒して3/4ほど切り込みを入れます。こうすることで分厚い身にも動きが生まれるので何もしないより魚の反応は良いように感じます。
そして、そのまま使用するには身が柔らかすぎるので、加工した身に旨味調味料と塩を混ぜてザルに移し、余計な水分を抜くと共に魚を寄せる臭いと味を入れます。水切りはおよそ半日で程良く水分が抜ける感じです。
仕上がった身は通常のイカ切り身に比べ、テロテロで非常に柔らかく仕上がりますが、身の薄皮を通して刺せば深海の往復を耐える程度の強度は得ることができます。
通常はそのままの白色で使用しますが状況に応じて食紅で赤く染めるのも一手。様々な方法を試してみて下さい。

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