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相模湾マグロに挑むには?

今年もやってきた相模湾のキハダマグロ。昨年以上の高活性、そして一回り成長した大型個体は実にパワフル!そんな近海ルアーターゲットの最高峰に挑むにはどのような準備が必要なのでしょうか?

今年の群れは良型ぞろい!

今年も7月末より相模湾に回遊中のキハダマグロ。平均重量30kgと良型揃い! 今年の最大は91kg(腸抜き)までしとめられており、全長で125~160cmと、サイズにややバラつきがあります。一般的に勝負して獲れるのは40kg前後がほとんどで、何本かマグロ経験のあるエキスパートアングラーなら最大サイズまで戦うこともできるでしょう。
マグロは回遊速度の速い魚なので釣り場が毎日変わります。南端の沖ノ瀬で出ることもあれば西の初島沖に現れることも。かと思えば港前でボイルが起きることもあります。早く見つけられれば、それだけチャンスは増えます。前日までの情報を見ながら釣り場に近そうな船宿を選ぶのも一手です。

マグロが釣れる確率

「船中3本、ヒット複数回」普通の釣りものならば少ない釣果に見えるでしょう。しかしマグロ船ならばかなり良い数値といえます。昨年は船中1本上がれば上出来、海域で1本も上がらない日も多くありました。それが今年は多いところで二桁近いヒット数、海域で船中複数本の船が数隻出る日もあるぐらいです。現在は挑戦してヒットできる確率は平均20%、獲れる確率は10%ほどで推移。マグロ狙いとしては通常の倍ほどの確率で、アングラーは夢を追って日々乗船を繰り返すのです。

マグロに挑むタックル

ルアーでマグロ狙いとなるとジギングかキャスティングですが、現在はキャスティングにて狙われています。数年前の回遊当初はシイラタックルの延長で狙われていましたが年々タックルは強化され、現在は飛距離も出てアクションも付けやすい専用タックルが主流となりました。

[ロッド]
7~8.5ft程のマグロ・ヒラマサキャスティングロッド。キャストウェイトMAX100g、PEライン6号負荷までの物が多く用いられます。見た目もゴツく、はじめて見ると気後れするかもしれません。
全長は長ければ飛距離も出しやすいのですが、ファイト時の負荷は高め。PEラインも含めて体力相応のモデルを選んだ方が無難でしょう。
また選ぶ際に良く見て頂きたいのがティップ部の柔らかさ。フローティングプラグのアクションを付ける際に大きく影響し、柔らかいモデルほどプラグの水咬みが良く、水面で飛び出しにくくなります。ただし、あまりに柔らかいとプラグの抵抗に負け、アクションが決まらない場合もあります。ロッドのウェイト表記を見て、適合するプラグを効果的に動かしましょう。

[リール]
ロッドと同様に大型で剛性に優れたモデルが使用されます。ラインキャパ・ドラグ性能・ギア比など、ロッドやルアーとのバランスが重要です。通常はPE4~6号を用い、ドラグ力はMAX10kg以上のものがほとんどです。専用モデルではギア比がハイギア・ローギアに分かれています。諸説ありますが、フローティングプラグならアクションの間にポーズを入れるので、ローギアでも十分に間に合います。シンキングの沈下系では沈めたラインを一気に回収する際にハイギアは有利です。ただ、マグロが掛かってからは高負荷を巻き上げるのでローギアに分があります。

[ライン]
メインラインはPE4~6号。号数を選ぶ際に考慮したいのは強度と飛距離のバランス。太くなれば強度は強く、細くなれば飛距離が伸びます。巻き量は300m以上。大型マグロのファーストランは100m以上となることもざらで、200mではライントラブルが起きたら足りなくなる恐れがあります。スプールのキャパにもよりますが400m近く巻くことができれば安心です。
ライン構造としては原糸の編み数によって4本ヨリと8本ヨリがあります。4本ヨリは適度な張りでエアループが起こり難く、原糸が太いのでラインクロスなどの擦れに強く、値段は安価です。8本ヨリは構成原糸が細くしなやかで、表面の凹凸抵抗が少なく飛距離が出ます。また編み密度が高いので伸びも少なくなります。ラインマーキングはシンキングの沈下系を使用する際に沈下深度やアタリを把握しやすく、ファイト時に残mが分かるので取り込みでも有利です。
リーダーは80~130LBを3m前後。素材はナイロン・フロロカーボンとありますが、柔らかくスプール馴染みも良く、結束強度の安定しやすいナイロンがおすすめ。太さはメインラインの太さ次第ですが、PE4号+80LB、PE5号+100LB、PE6号+130LBが一般的な組み合わせで、結束には強度に優れたPRノットをおすすめします。
ロッド・リールの相性、自身の体力など総合的に考えて太さを選ぶとよいでしょう。

マグロ用のルアーたち

マグロが口を使う決め手はルアーセレクトとアクションの善しあし。ルアーのタイプは大きく分けてフローティングとシンキングの2種類です。サイズが大きいだけに高額ですがマグロを獲るには必要不可欠。どのようなものを選べば良いでしょう?

・フローティング
水に浮くフローティングプラグ。主流はダイビングアクションの14~20cmサイズです。ダイビングモデルは垂直状態で浮く物が多く、ロッドで引くと水中へ潜り、泡を引きながらS字に泳いで水面に顔を出します。アクション後のポーズが決め手で、アクションに魅せられたマグロは海中から急浮上し、ルアーを突き上げるように襲いかかります。一般的に誘い出しでの「間」は3~5秒、ナブラ打ちの場合は30秒近く止めておくこともあります。マグロは適度な斜め浮きの姿勢を好むとされ、垂直姿勢のものはアクション後にラインを張り気味にして斜め浮き姿勢を作ると食いやすいようです。

フローティングモデルはソナー反応の出ているエリアでの誘い出しも効果的。泡を引きながら一定のリズムで引いてくると突如海中からルアーを突き上げてくることも多々あります。
基本的に大型モデルが多いのでベイトがトビウオ、サバ、マイワシなどのときに効果的。操るには慣れもいりますがサメも掛かりにくく、海面を割って食ってきたときの興奮度はピカイチです!ただし鳥が非常に多いときは扱いが難しく、ラインが飛んでいる鳥に掛かったり、水面でアクションするルアーを追跡されてマグロが食えない状態になることも・・・。その際はシンキングに替えるか、鳥が追わないピンクバックのようなカラーで対応しましょう。

・シンキング
水に沈むシンキングプラグ。マグロ狙いで使う際は沈下系がほとんどとで、主にイワシ団子や高密度ボイルで用い、着水後ボディを左右に揺すりながら沈下しマグロを誘います。

沈み方はフリーフォールでその場で沈むタイプや前方に沈むタイプに分かれ、沈降速度や潜行角度など様々な種類があります。沈下系はマッチ・ザ・ベイトに有効で、ベイトの種類を特定して同じタイプを使えればヒット率は大きく向上します。

スイム系はユラリユラリと揺れる程度に泳ぎ、アクションは抑え気味。マグロは水中での大きなアクションを嫌うので、僅かな動きのアピールが効果的です。
ルアー自らアクションするものも多く、オートマチックで初心者でも扱いは簡単。ナブラ撃ちでは投げてラインを送るだけでマグロが食ってきます。サイズは小さい物から大きいものまで様々で、カタクチイワシや小型トビウオを偏食するような場面では小型シンキングでなければ勝負にならないことも多々あります。ただしシンキングモデルにはサメも食ってくるので、サメ付きナブラで投げる際には覚悟が必要です。

8月下旬現在の相模湾ではキハダマグロは偏食傾向を見せておらず、フローティング・シンキングのいずれも釣果上がっています。状況を見極めてなげればヒット率も大きく向上。ぜひ2タックル持ち込んで投げ分けたいですね。
またキャスト時が最も事故率が高まる瞬間となります。高まる鼓動を深呼吸で落ち着け、周りを良く確認し、声をかけてキャストしましょう。

マグロヒット後

タイミングよくキャストが決まり、マグロがルアーに襲いかかればファイト開始です! 魚類最速級の遊泳力に加え、キハダなら高水温に強く体力があります。タックルによっては長期戦となることもあるでしょう。このファイトに勝つにはどうすればよいでしょう?

・合わせを決める
マグロ船で初心者に非常に多いのが合わせない人。ガツンとアタればロッドを大きくしならせ、ファーストランでスプールは高速逆転!見る見るライン残量を減らしていきます。
しかし、大型に成長したマグロの顎力も相当なもの。がっちり咬んでいるうちはドラグを逆転させるぐらいの負荷なら平気で受け止め、顎の力を抜けばルアーはポロリと落ちてフックアウトとなるわけです。
「ファーストラン中に抜けた」「止まったらバレた」は大抵合わせが決まっていません。針も太軸なので強烈なアワセを3回ぐらいは叩き込みましょう。

・焦らずリラックスして挑む
念願のマグロがヒット!興奮度もMAXに高まる瞬間です。が、ここで冷静さを欠けば獲れる確率は低下します。マグロとのファイトは陸上に例えれば長距離走のようなものです。船ベリでギャフが掛かるまで体力を配分し、魚との持久戦を制しましょう。

最初から渾身で挑んでは10分と耐たずにへばってしまいます。焦りは緊張を生み、緊張は疲れを増加させます。強烈なマグロの引きを最小限の力で受け止め、筋力だけでなくロッドのしなりや体重も活用しましょう。
ファイトにはマンタベルト・ファイティングベルトと呼ばれるベルトが大変効果的。バットエンドをカップに固定すればポンピングも行いやすく、長期戦の疲れを軽減させます。値段もピンキリですが是非用意したい一品です。

マグロは泳いでいなければ呼吸することはできません。直線的な走りが止まり、旋回をするようになれば酸欠で弱った証です。テンションを一定に保って隙を与えずに巻き上げましょう。また、バラシの多い魚なのでヒットの幸運は得られても半分は何らかの理由で逃します。

釣ったマグロの持ち帰り

マグロは相手が大型だけに収納も悩ましい問題の一つです。しかし現在出船中している相模湾のマグロ船は魚蔵に氷を用意し、釣ったマグロをきっちり冷やして保存してくれます。そればかりか港で解体サービスを行う船宿もあり、50L未満の中型クーラーボックスでも挑むことが可能です。感動を伝えるべく、そのままの状態で持ち帰りたいのであれば大型クーラーが必要となりますが、なかなかの出費です。その場合はホームセンターで販売されている大型衣装ケースにアルミロールマットを敷き詰めて簡易クーラーとしても何とか使用可能です。

大型マグロを狙う本格的大物釣りが楽しめる今年の相模湾。近海最大級にして最強クラスの魚にぜひ挑んでみてはいかがでしょう?

乗合ルアーマグロ船 つり情報提携船宿(8/26現在)

葉山 愛正丸 ℡0468-75-8462
茅ヶ崎 一俊丸 ℡0467-86-7043
平塚 庄三郎丸 ℡0463-21-1012
平塚 庄次郎丸 ℡0463-21-1312
早川 平安丸 ℡0465-22-0676
網代 森竜丸 ℡090-1620-198

その他、ルアーマグロ船出船船宿

宮川 二宮丸 ・ 長井 貴正丸
佐島 相洋丸 ・ 大磯 邦丸
大磯 六熊丸 ・ 早川 弘美丸
早川 隠徳丸 ・ 真鶴 第五嘉丸
など

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