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激ウマの新島沖トロキンメを狙う

釣りをするのも億劫になるような寒い季節となりましたが、海の中では脂の乗ったおいしい魚たちが待っています。今回は深場釣りの代表格といえるキンメダイを狙いました。

本格的な深場釣りのキンメダイ

一口にキンメダイといっても仕掛けはご当地によって様ざま。今回挑む新島沖は本格的な深場釣り。使うオモリは鉄筋2キロ、ハリ数も20本以上でPEラインを1000メートル以上巻いたリールを用います。仕掛けも投入回数分+1必要となり、釣り場もそれなりに遠いので気軽にとはいえないかもしれません。しかし釣れる魚は大きく、脂が乗ったブランド物。一度食べれば病みつきで、数もそれなりに見込めるとあって挑む価値のある釣りでしょう。
最近ではクーラーのみで挑めるフルレンタルを設定しているところも多くあります。一泊二日ならば都心部から特急電車で向かい、フルレンタルで乗船して温泉に浸かって渋滞と無縁で帰るといったプランも。クーラーも発送してしまえば翌日には着きます。
参考までに今回乗船した船の料金は下記のとおりでした。他船もおおよそ同じぐらいです。
・乗船代 18000円 フルレンタル 30000円
・ロッド&リール レンタル 3000円
・エサ付き仕掛け20本ハリ 1組1200円
・鉄筋オモリ1ヶ 200円

高額な超重量級タックルもフルレンタルなら楽々!気軽にチャレンジできます

ご当地のキンメダイ釣りの規定

今回お世話になったのは遠征釣りと深場釣りを得意とする手石のT丸。大型遠征船は風浪に強く、冬の荒れ気味の海であっても快適な釣行が楽しめます。手石から釣り場の新島沖までは約1時間ほど。明け方前の暗い時間からの出船となります。
新島沖のキンメダイを狙うにあたって釣り場の規定を整理してみると以下の通り。
・1日7回投入
・ハリ数25本まで
・サンマエサを使用する場合はハリ数15本まで
・遊漁船は6時20分スタート
とくに特エサとなるサンマを使用する場合はハリ数に注意しましょう。
4名の釣り人を乗せて新島沖に着いてみると40隻近い船が回転灯を回しながら浮かんでいます。船長に聞いてみるとこれらの船は漁船だそうで遊漁船より早い6時から釣りをしている模様。こちらも場所を定めて投入準備をしたいところです。

好釣果を期待した1投目

海域をぐるぐる回りながら反応を見つけだし、ようやく投入合図が出されました。朝の一投目は非常に重要です。それはこの1投が釣果の半分以上を稼ぐマズメ時の投入だから。300メートルを切るお土産釣りようの場所だけに釣果に期待が膨らみます。
前方から順番ごとに投入するスタイルで順番がきたらオモリを海面にそっと落とし、治具からパラパラと20本のハリを送り出して海底を目指します。2キロの鉄筋オモリは沈降速度も中々で水深280メートルまでスムーズに仕掛けを届けてくれます。着底すればガツガツと穂先を揺らすアタリを待つばかり。期待に胸を膨らませその時を待つのですが何故かアタリが一向にきません。時折、仕掛けを10メートル浮かせて落とし直し、位置を変えるもキンメとは明らかに違うアタリの振動を捕らえるばかりです。
いつまでもアタリが来ない状況に船長もたまらず回収指示。上がってきたのは案の定カラスザメやオキメバルばかりでムツを捕る人もいましたが本命キンメダイの姿はありません。

2投目から深場へ

「今日は最悪の日だ・・・」移動寸前にぼそっとマイクで呟く船長。たしかに朝一の流しで船中キンメ0枚では凹みもします。この状況に船長が選んだ選択は深場で型勝負。せっかくブランド物となる大型トロキンメを狙いにきているのですから狙うは2キロオーバー!数よりも型狙いのほうがしっくりくるというものです。
2投目の水深は420メートル。通常ならば掛かっても1・2枚程度の拾い釣りになる事が多いところですが早めに攻めたのが良かったのかもしれません。着底と同時に全員にアタリが出始め、穂先は鋭さのあるシグナルを捉えています。「アタった人はどんどん伸ばして~。張ったらダメだよ~。」と船長からアナウンス。掛かったらオモリを着底させ引き延ばすのがご当地のスタイル。キンメは群れているのでラインを張っていては掛かった魚は群から離れてしまいます。そこでラインを伸ばすことで群の位置を外さず、さらなる追い食いを目指すのです。
アタリも次第に派手さをましてきました。出したラインは50m程。それなりに食っていることでしょう。やがて巻き上げ指示が訪れ、電動リールが動き始めるとロッドはしなり生命感にあふれたカーブを描いています。巻き上げ中に注意したいのはドラグの設定。キンメは口の膜が弱いので、この部分に掛かった状態で荒く巻いては簡単にバレてしまいます。そこでウネリを通過するときに回転が止まる程度にドラグを調整し、毎分60メートル以下のスピードで巻き上げてゆきます。
徐々に巻き上げて径の大きくなったスプールにたいしドラグを微調整しながら、ようやく海面に上がった仕掛けにはキンメの姿♪ 水面でバラしたら潜っていってしまうので隣同士または仲乗りさんに網を構えてもらい、スムーズ手繰って船に取り込みましょう。この流しでは私は4枚。多い方は10枚のキンメをしとめました。身が厚く、ずっしりとした重量感のある魚体に思わず涎がこぼれます。

一度の投入で大漁!これこそキンメダイ釣りの醍醐味♪ 僅かの差が釣果に顕著に表れます

中オモリをつけて高釣果を狙う

思いの外、良い釣果だったので3投目も同じ場所を流します。そこで先の流しで回収時に仕掛け下側の掛かりが良かったので中オモリ50号を追加。これで仕掛けを低めに這わせれば更なる釣果が望めるかもしれません。期待を胸一杯に投入すると着底寸前からアタリが到来。思った以上に高反応でオモリを下ろしスルスルと糸を伸ばして追い食いを促します。暴れる魚信の中でも一際鋭いものは追釣の証。仕掛けが低くなりすぎないイメージで80メートルほど送り込んだところで回収指示。徐々に電動リールへ負荷が掛かり、ロッドも大きくしなってゆきます。これは期待が持てそうです。ドラグの微調整もよりシビアに行い、今か今かとワクワクしながら巻き上げること約10分。水面まで到達した仕掛けを手にとり海中を覗きこめば、複数のキンメが鯉のぼりのように連なっています!慎重に等速で取り込み、1枚落とすものの7枚のキンメをゲット。そのキンメは仕掛けの半分より下ばかり。中オモリの作戦成功といえるでしょう♪

思惑どおりに追い食い成功!ちょっとしたことも気づいたら実行して釣果に繋げましょう

水中ライトの有無が釣果の差に

4投目以降はさらに深い480メートル以深を攻めます。この流しに入る前に「水中ライトのを持っている人は付けてね」との指示。・・・・・・やってしまった。水中ライトは持ってきてないです。
かといって水中ライトが無ければ全く掛からないという事はありません。先ほどと同じように下ろせば直ぐにアタリは拾えます。しかし、そこからの追食いには顕著な差が・・・。ポツリポツリと散発に魚信は捉えるものの、持っている人のロッドはギュンギュン引き込まれています。キンメにしては鋭い突っ込みですが、間違いなく赤い魚のアタリです。
そして回収されて上がってきた仕掛けには私はキンメが少数、水中ライト装着者はアコウダイが複数浮上!サイズこそ小型ですが一つのアイテムが大きく釣果を変える良い例です。さりげなく若船長は3.5キロのクロムツを上げていますし・・・。今度は忘れないようにしたいと思います。

2種類の大物に遭遇

水中ライトが無くとも取りあえずキンメは釣れるので、そのまま続行するとします。しかしアコウダイは捕りたいですね。掛かっていた針は下寄りの針であることから浮いてはいないようです。6投目は500メートル超。だいぶ深くなってきましたが、まだまだ釣れそうな気がします。底取りと共に魚信を捉えたので今度は大きく送り込みを開始。ドンドン出ていくラインによってカウンターの表示数は750メートルに。それでも僅かでも可能性を高めるべく送り続けると、凄まじいアタリが到来!キンメ・アコウの類ではないことが明確な強烈な重量感ながら鋭い引き込み。これはもしやとドラグを緩めると「ボウズだ、ボウズ!」と隣の常連さんが叫びます。
アブラボウズ。深海巨魚の一つで最大重量は100キロオーバー!さらに食べて美味しく、水面でも腹を見せないタフネスな魚です。この魚が掛かってきたというのなら全力で相手をしなければなりません。使っている仕掛けのハリスはわずか12号。ロッドの重量感から20キロ以上は確実にありそうなので相当慎重にゆかなければ確実に切られるでしょう。そこでウネリの下がりのみに巻けるようドラグをセット。時間は掛かりますが上がるのなら最善策でゆくとしましょう。
周りが次々と上がってくる中、こちらはまだ400メートル以上出ている状況。時間的な焦りが生じ始めたところで、隣の釣り人のラインが強烈に引き込まれ、水面には巨大な魚体がジャンプしました!

「メカジキだーっ!!銛を出せ!!!」

船長の一声に若船長と仲乗りさんが素早く動きます。見えた魚体は3m弱といったところ。まさかのカジキ登場に釣り人たちは固唾を飲んで動向を見守ります。しかし残念ながらラインブレイク・・・。「100キロ無いぐらいだったな~。噴に仕掛けが巻いてれば獲れたが・・・」それでも迫力あるゲストの登場に船内は沸き上がり、残る私のロッドの獲物にも注目が集まります。そして深海からジワリジワリと最後は手巻きも併用しながら渾身の巻き上げ。水面下に大きくユラリと白っぽい影を見せて上がってきたのは
「バラムツかぁ~。残念!」とバラムツでした。それでも165センチ40キロ近い大物!普段この魚を駿河湾で狙う私にとっては自己記録更新となりました♪ そしてバラムツの下には良型キンメが1枚に切られたハリスが数本。良く見ると上がったキンメにも齧られた跡があり、「さっき真っ二つのも上がったけど、これも危なかったね~」と、どうらバラムツの群れが回っていたようです。「でもボウズも出る場所だから油断はできないよ」とのこと。メカジキ・アブラボウズ・バラムツなど、離島の深場は大物の夢が豊富に詰まっているようです!この流しでは大物遭遇もありましたが水中ライトを付けていた人は良型キンメやアコウダイを追加していました。

たとえロッドが折られても、ラインが切れずに魚が上がれば釣り人の勝ちです!

トロキンメは今後も有望

先の取り込みでロッドが破損するアクシデントに見舞われながらも最終投入まで漕ぎ着けました。折れた穂先ではアタリを捉える事は不可能なので、着底後はPEラインを手に「手釣り」スタイルで狙ってゆきます。しかしウネリを吸収しながらのライン捌きは予想以上に大変で、船酔いの悪夢が…。それでも何とか小さいアタリを捉えて送り込み、最後はミニアコウをゲットできました♪
新島沖のキンメダイは昨年末より好調をキープ! 良い日はトップ40枚以上の釣果となる日もあります。大雑把な釣りに見られがちですが、仕掛けやライン操作などに工夫を凝らして釣果を伸ばすゲーム性は中々です。深海から連なって上がってくるキンメダイは非常に美味しく、アフターフィッシングも高評価!ぜひとも狙ってみてはいかがでしょう?

[タックル]
・ディープライナー250ー200
・コマンドX9HP
・PE12号1400メートル
[仕掛け]
・ムツ19号 20本
・ハリス12号 70センチ
・幹糸30号150センチ
・ゴムクッション3.5ミリ1メートル
・鉄筋オモリ2キロ 中オモリ50号

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