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カワハギ仕掛けでイカも狙おう

秋の深まりと共にキモが肥えゆくカワハギ。冬に備えて白くでっぷりとしたキモは「海のフォアグラ」といえる逸品です。これを裏ごしして醤油に溶かし、刺身につけて食べる肝和えはシンプルながらも食通を唸らせます。
さらにその肝醤油に柔らかいイカの刺身を合わせれば絶品!美味しいカワハギとイカが両方を手に出来れば言うこと無しです。今回はこれらが同時に狙える釣法について考えてみます。

カワハギ釣り場ではイカも釣れる

今年はカワハギの数も多いようで、各地のカワハギ船で好釣果が上がっております。ゲーム性の高い人気魚種だけあって週末となれば多くの釣り人で船は賑わう程です。
さてカワハギですがエサがあれば砂泥、岩礁問わず極浅瀬から50メートル以深まで幅広く生息してますが、釣りの対象となるのは水深10~40メートルが多いでしょう。
この水深はイカ類も多く生息し、特にツブ根交じりの砂地や藻類の多い岩礁帯を狙うことが多い相模湾エリアでは、アオリイカを狙って餌木をシャクる人が同船することもあります。
岩礁、藻場ではアオリイカやマルイカ、砂地が多い場所ではコウイカ類が多く見られ、餌木で専門に狙っても十分に釣果を上げることができます。カワハギも餌木を怖がるどころか寄って来るようで隣でシャクられても釣果が落ちることはありません。
しかし、中オモリを用いた餌木シャクリは長いハリスを使うので釣座が限定され、どこでもすぐに狙えるわけではありません。

 

こんな釣果が理想的!おいしく楽しい釣り物がまとめて釣れれば大満足でしょう

両方をまとめて狙うには?

同じ釣り場にカワハギとイカ。おいしい釣り物が二ついますが普通に狙ってはどちらか一つしか狙うことができません。両方をまとめて狙える良い手は無いものか・・・?
まずは誰でも一度は考える手段はスナップでスッテや餌木をつける方法。接続も楽ですぐに試すことができるでしょう。たしかにこれでも釣れました。しかし釣れる確率は決して高くなくイカ類は運良く混ざる程度。それに餌木やスッテの抵抗が常に仕掛けに掛かって操作性が悪くなるばかりか、肝心のカワハギでアタリの感度が低下してしまい釣果を落とすこととなりました。これではいけません。
そこで試行錯誤。まずはイカ狙いの中オモリ式餌木シャクリの仕掛けを考えます。中オモリはエギをタナまで速く正確に届けるためとしてロングハリスの利点とは? その答えは餌木に長くゆっくりと安定したフォールをあたえるためです。
イカ類を誘う場合、ゆっくりとしたフォールがキーポイント。特に堤防からも狙えるアオリイカでは餌木がフォールしているときに距離を詰めて襲い掛かる瞬間を観察できます。マルイカやスミイカも止めてポーズを入れているときに乗ってくるものです。
そしてもう一つ、カワハギ狙いでの感度の確保。これは仕掛けから手元まで感度を減哀させる障害物を取り除くのが一番です。ただこれで餌木を取り除いては本末転倒。要は抵抗なくアタリを伝達できれば良いのです。
思い当たったのが遊動テンビンの構造。最近はコマセキハダで瞬殺されない天秤として注目されたことで記憶に新しいですが、このテンビンは非常に感度に優れていることも忘れてはなりません。それは遊動ラインによってハリスから道糸へダイレクトにアタリが伝わるためで、初めて使う人はビシの重さで逃しているシグナルの多さに驚くほどです。
この遊動テンビン同様の遊動構想を取り入れて仕掛けの改良に着手します。

仕掛けの作成

仕掛けとしては道糸となるPEライン先端にフロロカーボンのリーダーをFGノットやPRノットで接続し、カワハギ仕掛け上部につなぐスタイル。中オモリや集器は使いません。リーダーは1ヒロ弱としこの区間に餌木を遊動させます。
餌木の接続方法としてはFGノットやPRノットで止まるような極小ビーズを通し、そのビーズで止まるサイズの軽量ルアー用スナップを続けて通します。そして再び極小ビーズを通し、ビーズ→スナップ→ビーズの順となるようにします。最後に餌木をスナップにつければ仕掛けの完成です。
餌木の適正サイズは2~2.5号。これ以上大きいと潮の抵抗を受け、他の乗船者とオマツリを誘発させます。道糸も1.5号以下の号数がおすすめです。
注意点としてはビーズは硬いハードタイプを用いることと、スナップのアームが横向きなのでエギのアイが縦方向についているタイプを選ぶことです。スナップはサルカン付にすればアイの方向を選びませんが、若干重くなるのでフォールで乗りに影響がでる気がします。
エギが遊動する仕掛けに改良するとアオリイカやスミイカの乗りが格段に向上。カワハギの感度低下も最小に抑えることができ、どちらも効率的に狙うことが出来るようになりました。

 

陸っぱりヒイカの影響で小型餌木も種類が豊富です。ラトル音の出るものも!

まとめて狙う際のアクション

作成した仕掛けで両者を効率よく狙うにはどのようなアクションが有効か? 数年の実釣テストから時折誘い上げを入れるだけで良いように感じます。
リーダー区間を遊動している餌木を時折誘い上げてから落とすことで、先に沈降した仕掛けにリーダーを伝ってゆっくりとフォールしてゆきます。このときにイカが乗ることが最も多く、上部から落ちてくる餌木はカワハギにエサの存在をアピールします。
またタタキ動作では餌木が仕掛けと共にシェイクします。このアクションはスミイカやマルイカに対して有効なアクション。この後に入れるポーズで思わず抱きついてきます。また暴れるエギはエサをつつく他魚に見えるのか、カワハギの寄りも良好です。
そしてカワハギへの集魚以外の利点としては感度を保った状態でタルマセができること。これはオモリが着底状態から道糸のテンションを抜くと仕掛けを張った状態で餌木がフォールするためで、タルマセながら仕掛けを張っているのでアタリは鋭敏に捉えることが可能となります。

楽しい釣りを

カワハギとイカの両狙いの仕掛けですが、これで竿頭を狙うことは難しいものです。筆者も試し続けていますが、常に両魚種の上位には食い込めるものの専門で狙う人には及びません。
しかし釣りとは楽しんでするもの。ストイックに数を追うのも一つのスタイルですが、色々釣れて楽しいのも良いと思います。アフターフィッシングも同一魚種ばかりより多魚種の方が喜ばれるものです。
カワハギ釣りの一つのスタイルとしてぜひ楽しんで頂ければと思います。

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