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大物を夢見るハモノ船

最盛期に入り、大いに盛り上がっているヤリイカ。そしてそのヤリイカを狙って多くのハモノたちの活性も上がっています。

ヤリイカ+αの興奮を!

ソフトに誘い、繊細な乗りをとらえるヤリイカ釣り。数を取るには技術も必要で、食べても非常においしく魅力的な釣り物です。多くの船宿が専門船を出し、平日でも満員御礼となることもしばしば。寒い季節の代表格と言えるでしょう。このおいしいヤリイカは捕食魚にとっても大変魅力的なエサ。マダイ・ブリ・イシナギ・メダイ・アラといった大型魚がこの時期になると好んで捕食します。
これらをまとめて狙ってしまうのがハモノ船。一発大物とヤリイカを同時に狙えてしまう何ともぜいたくな釣りなのです。

ハモノ狙い専門船

今回お邪魔したのは毘沙門港のS丸。ハモノ狙いで有名なこの船は片舷4名・総員8名の余裕ある人数限定によって2本竿でヤリイカとハモノを同時に狙うことができます。
当日集まった釣り人は15名。前日のハモノは不発だったもののヤリイカの好調もあって2隻出しです。このハモノ船は出船時間が7時30分とやや遅く、京急三浦海岸駅に7時10分まで送迎バスがありますので電車釣行も可能となります。

・ヤリイカ仕掛け
11cmヅノを5~7本配したスタンダードなもの。オモリは120号を用います。エサとなるメスのヤリイカを釣ることが目的ですので11cm角を中心に赤帽のコマセ角を織り交ぜソフトに誘います。サバが多いようならツノ数を減らし、投入・回収時に掛かる確率を少しでも減らすよう心掛けましょう。

・ハモノ仕掛け
胴付き型のヒラメ仕掛けのようなスタイル。ハリスは10~16号を2m以内、幹糸はハリス長+30cm前後にオモリはヤリイカと同じ120号を用います。ハリはヒラマサ系の12~17号。これを親と掛けバリの2段に結びます。固定式ならヤリイカのサイズに合わせて針間20~30cmまでを数種類作成すると確実です。遊動式なら一種類のみで対応可能ですが合わせで大きな力が掛かると親バリが動いてしまいやすいので、しっかり締め込んで作成しなければなりません。
専用の市販仕掛けは少なく、イカダイ用や巨大ヒラメ用などが流用できます。ただし東伊豆方面のイカブリ用テンビン仕掛けはNGですのでご注意下さい。

まずはヤリイカ確保

定刻に出船し、目指すポイント州ノ崎沖。港が毘沙門ですので移動時間も30分程と短く楽らくです。釣り場に到着するとウネリがあるものの海鳥が多く飛んでおり、時折方向性を持って移動しています。おそらくベイトとなる魚や、それを追う捕食魚がいるのでしょう。
反応を探しながら旋回を繰り返し、ある程度定まれば投入合図が出されます。
「水深180m。徐々に深くなってゆくから。ハモノの人は5~10m上げといて」 いよいよスタートです。ハモノ釣りは根周りを中心とした大流し。大まかにヤリイカの反応を探り、ハモノの居そうな根に沿って流してゆきます。一度の流しは15~30分程度で、時折船下入るヤリイカを拾って釣り、ハモノ仕掛けも流してゆきます。

一流し目からハモノ狙い!

合図と共に続ぞくと投入されるイカ仕掛けを見ながら私は早くも船酔い気味・・・。席取りが熾烈を極めるので、こだわると寝不足は避けられません。この体調でヤリイカ仕掛けを投入したら確実にリタイアすることになるでしょう。
船酔いは予測済み(泣)なので対応策も講じてきました。それが活ヤリイカの持ち込み。この時期は前日が荒天でないかぎり隣の松輪漁港にて活きヤリイカが販売されています。時価ですが今回は4杯で1400円。席取りで早く来ていれば購入は容易でしょう。ハモノが高活性のときはイカは怯えて釣れないことも多く、朝一のだれも仕掛けを下ろしてない状況でヤリイカを下ろせるので実に効果的です。尚、アジなどの魚系の持ち込みや泳がせは禁じられてますのでご注意下さい。
さっそく持ち込みのヤリイカを装餌。親バリを先端に軟甲を避けて刺し、掛けバリは漏斗付近に通します。針付けして親孫間のハリスが張らず緩まずならOK。そっと海面に下ろし元気に泳いでいることを確認したら沈下させ下ろします。沈降速度が速すぎると弱ってしまうのでリールのメカニカルブレーキの調整やスプールへのサミングで速度を調整しましょう。着底後は徐々に深くなる水深に合わせ底から5mにセット。後は2分おきに底を取り直してタナボケを修正してゆきます;。
仕掛けを下ろして約3分。底を取り直して5m上げてくると「グッ、ググッ」と穂先を引き込むアタリが来しました! ハモノ相手に早合わせは禁物です。じっくりとアタリが強くなるのを待ち、大きく引き込またときが合わせのタイミングとなります。その引き込みが来るまではウネリなどの揺れは全身で吸収し、魚へ違和感が伝わるのを防ぎましょう。
アタリから約30秒。ようやく強い引き込みがきました!十分に食い込んだと判断して合わせるとまずまずの重量感。がっちり針掛かりしたようです。最初の抵抗は重く移動距離の短い抵抗。速さはあいのでブリ系ではなさそうです。底付近から引き剥がし、ドラグはやや緩めに巻き上げに入ると最初の抵抗も薄れて重さばかりが目立つようになってきました。実にイヤな予感がします・・・

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やっぱりサメでしたか・・・。ハモノ釣りでは定番外道。底付近に多く、底を取り直した際にイカに気付いて追ってきたのでしょう。一流し目からガッカリですが気を取り直してゆきましょう。

イカの乗りも渋く・・・

私がサメを釣った最初の流しは船に取り込まれたヤリイカは0杯。思った以上に渋い状況となっているようです。2流し目よりポツポツとヤリイカが乗り始めるも単発ばかり。上がってくるのはエサとしては大きいオスのヤリイカ。人間が食べるにはよいですが微妙な感じです。
この状況を尻目に持ち込みヤリイカで抜け駆けを図るも再びサメの洗礼・・・。

イカ仕掛けはサバに邪魔され2回に1回は下りない状況です。やがて体調も回復してきたのでヤリイカ釣りにも参加するもやはりポツポツとした乗り。ブランコ仕掛けの利点を利用し、1杯だけで上げずにしつこく誘っても乗って2杯が限度。それ以上を狙うと先に掛けたヤリイカまでバラしてしまいます。
悪戦苦闘を繰り返していると、やがてサバで仕掛けも降りなくなり、周囲にイルカも跳ね始めたこともあって沖ノ瀬へ移動となりました。

大船団が形成されるポイントへ

沖ノ瀬へ到着するとすでに大船団が形成されています。その数、50隻以上は確実。様ざまな港から来ているようで遙々湾奥から来ている船まで。ヤリイカ人気を改めて思い知る光景です。
移動して最初のポイントは水深150m。ここも徐々に深くなるポイントとのこと。海況も回復してナギとなり体調の不安は皆無。下ろしたイカ仕掛けも着底後して直ぐに「ズシッ!」とヤリイカ3杯掛け。素直に乗ってくれると非常にうれしいものです。サバもイルカもおらず実に釣りやすい環境ですが、そう上手くゆくはずもなく、ヤリイカの乗りはすぐに渋くなってしまいました・・・。

フグと思われたアタリの正体

正午をまわり諦めムードの漂う船内でしたが、ここで久びさにハモノロッドにアタリ到来。「コツ、コツ、コツ・・・」と噛じられる振動が穂先より伝わってきます。しかしそこから引き込むアタリが続きません。同時に同様のアタリが出た人もおりましたがだれにも掛かりませんでした。

上がってきたヤリイカは足から胴に掛けて何回も噛じられており、歯のある口の小さい魚の仕業であることは間違いなさそうです。フグでしょうか? それを見て船長より「小さなアタリだったら、ゆっくりと巻き上げるんだ。メダイとかなら、そうすれば食い込むよ」とのアドバイス。これを受け投入し直すと先ほどと同様のアタリが穂先に現れました。
さぁ勝負です! 「コツ、コツ・・・」と伝わる振動にそっとロッドをキーパーから外し、エサを離されないようゆっくりと巻き始めると「コツ、コツ、ゴツ、ゴン、ゴン・・・」と引きが強まり重みがロッド乗りました!ここで合わせるとガッチリハリ掛かり。まるでタイラバの合わせです。重量感はないものの途中で鋭い引きを繰り返しながら上がってきたのは良型のキダイ(レンコダイ)。エサのヤリイカよりやや大きい程度ですが、今までフグと思っていたアタリは実はこの魚だったのではと考えさせられる1枚でした。

ハモノ狙いは浪漫

キダイの後も同様のアタリがポツポツでるもハリ掛かりには至らず、大型魚らしきアタリもなし・・・。あわせてヤリイカも全く乗らなくなり終了時刻を迎えました。数日前はマダイ・ブリも好調だったので残念なかぎりです。
S丸のハモノ船は4月7日(木)で終了となりますが、ヤリイカはまだまだ釣れます。他船でも許可が下りれば同様にハモノを狙うことは可能です。一発大物のロマンを求めてぜひチャレンジしてみて下さい。

[ヤリイカタックル]
ロッド:極鋭ヤリイカ195
リール:電動丸3000XH
ライン:PE5号400m
仕掛け:シャインドット11cm×5本
オモリ:120号

[端物タックル]
ロッド:マッドバイパースティング240M
リール:電動丸4000HP
ライン:PE6号500m
仕掛け:ヒラマサ針16号×2、ハリス16号2m
オモリ:120号

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