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‘釣行レポート’ カテゴリーのアーカイブ

激ウマの新島沖トロキンメを狙う

2012/02/13

釣りをするのも億劫になるような寒い季節となりましたが、海の中では脂の乗ったおいしい魚たちが待っています。今回は深場釣りの代表格といえるキンメダイを狙いました。

本格的な深場釣りのキンメダイ

一口にキンメダイといっても仕掛けはご当地によって様ざま。今回挑む新島沖は本格的な深場釣り。使うオモリは鉄筋2キロ、ハリ数も20本以上でPEラインを1000メートル以上巻いたリールを用います。仕掛けも投入回数分+1必要となり、釣り場もそれなりに遠いので気軽にとはいえないかもしれません。しかし釣れる魚は大きく、脂が乗ったブランド物。一度食べれば病みつきで、数もそれなりに見込めるとあって挑む価値のある釣りでしょう。
最近ではクーラーのみで挑めるフルレンタルを設定しているところも多くあります。一泊二日ならば都心部から特急電車で向かい、フルレンタルで乗船して温泉に浸かって渋滞と無縁で帰るといったプランも。クーラーも発送してしまえば翌日には着きます。
参考までに今回乗船した船の料金は下記のとおりでした。他船もおおよそ同じぐらいです。
・乗船代 18000円 フルレンタル 30000円
・ロッド&リール レンタル 3000円
・エサ付き仕掛け20本ハリ 1組1200円
・鉄筋オモリ1ヶ 200円

高額な超重量級タックルもフルレンタルなら楽々!気軽にチャレンジできます

ご当地のキンメダイ釣りの規定

今回お世話になったのは遠征釣りと深場釣りを得意とする手石のT丸。大型遠征船は風浪に強く、冬の荒れ気味の海であっても快適な釣行が楽しめます。手石から釣り場の新島沖までは約1時間ほど。明け方前の暗い時間からの出船となります。
新島沖のキンメダイを狙うにあたって釣り場の規定を整理してみると以下の通り。
・1日7回投入
・ハリ数25本まで
・サンマエサを使用する場合はハリ数15本まで
・遊漁船は6時20分スタート
とくに特エサとなるサンマを使用する場合はハリ数に注意しましょう。
4名の釣り人を乗せて新島沖に着いてみると40隻近い船が回転灯を回しながら浮かんでいます。船長に聞いてみるとこれらの船は漁船だそうで遊漁船より早い6時から釣りをしている模様。こちらも場所を定めて投入準備をしたいところです。

好釣果を期待した1投目

海域をぐるぐる回りながら反応を見つけだし、ようやく投入合図が出されました。朝の一投目は非常に重要です。それはこの1投が釣果の半分以上を稼ぐマズメ時の投入だから。300メートルを切るお土産釣りようの場所だけに釣果に期待が膨らみます。
前方から順番ごとに投入するスタイルで順番がきたらオモリを海面にそっと落とし、治具からパラパラと20本のハリを送り出して海底を目指します。2キロの鉄筋オモリは沈降速度も中々で水深280メートルまでスムーズに仕掛けを届けてくれます。着底すればガツガツと穂先を揺らすアタリを待つばかり。期待に胸を膨らませその時を待つのですが何故かアタリが一向にきません。時折、仕掛けを10メートル浮かせて落とし直し、位置を変えるもキンメとは明らかに違うアタリの振動を捕らえるばかりです。
いつまでもアタリが来ない状況に船長もたまらず回収指示。上がってきたのは案の定カラスザメやオキメバルばかりでムツを捕る人もいましたが本命キンメダイの姿はありません。

2投目から深場へ

「今日は最悪の日だ・・・」移動寸前にぼそっとマイクで呟く船長。たしかに朝一の流しで船中キンメ0枚では凹みもします。この状況に船長が選んだ選択は深場で型勝負。せっかくブランド物となる大型トロキンメを狙いにきているのですから狙うは2キロオーバー!数よりも型狙いのほうがしっくりくるというものです。
2投目の水深は420メートル。通常ならば掛かっても1・2枚程度の拾い釣りになる事が多いところですが早めに攻めたのが良かったのかもしれません。着底と同時に全員にアタリが出始め、穂先は鋭さのあるシグナルを捉えています。「アタった人はどんどん伸ばして~。張ったらダメだよ~。」と船長からアナウンス。掛かったらオモリを着底させ引き延ばすのがご当地のスタイル。キンメは群れているのでラインを張っていては掛かった魚は群から離れてしまいます。そこでラインを伸ばすことで群の位置を外さず、さらなる追い食いを目指すのです。
アタリも次第に派手さをましてきました。出したラインは50m程。それなりに食っていることでしょう。やがて巻き上げ指示が訪れ、電動リールが動き始めるとロッドはしなり生命感にあふれたカーブを描いています。巻き上げ中に注意したいのはドラグの設定。キンメは口の膜が弱いので、この部分に掛かった状態で荒く巻いては簡単にバレてしまいます。そこでウネリを通過するときに回転が止まる程度にドラグを調整し、毎分60メートル以下のスピードで巻き上げてゆきます。
徐々に巻き上げて径の大きくなったスプールにたいしドラグを微調整しながら、ようやく海面に上がった仕掛けにはキンメの姿♪ 水面でバラしたら潜っていってしまうので隣同士または仲乗りさんに網を構えてもらい、スムーズ手繰って船に取り込みましょう。この流しでは私は4枚。多い方は10枚のキンメをしとめました。身が厚く、ずっしりとした重量感のある魚体に思わず涎がこぼれます。

一度の投入で大漁!これこそキンメダイ釣りの醍醐味♪ 僅かの差が釣果に顕著に表れます

中オモリをつけて高釣果を狙う

思いの外、良い釣果だったので3投目も同じ場所を流します。そこで先の流しで回収時に仕掛け下側の掛かりが良かったので中オモリ50号を追加。これで仕掛けを低めに這わせれば更なる釣果が望めるかもしれません。期待を胸一杯に投入すると着底寸前からアタリが到来。思った以上に高反応でオモリを下ろしスルスルと糸を伸ばして追い食いを促します。暴れる魚信の中でも一際鋭いものは追釣の証。仕掛けが低くなりすぎないイメージで80メートルほど送り込んだところで回収指示。徐々に電動リールへ負荷が掛かり、ロッドも大きくしなってゆきます。これは期待が持てそうです。ドラグの微調整もよりシビアに行い、今か今かとワクワクしながら巻き上げること約10分。水面まで到達した仕掛けを手にとり海中を覗きこめば、複数のキンメが鯉のぼりのように連なっています!慎重に等速で取り込み、1枚落とすものの7枚のキンメをゲット。そのキンメは仕掛けの半分より下ばかり。中オモリの作戦成功といえるでしょう♪

思惑どおりに追い食い成功!ちょっとしたことも気づいたら実行して釣果に繋げましょう

水中ライトの有無が釣果の差に

4投目以降はさらに深い480メートル以深を攻めます。この流しに入る前に「水中ライトのを持っている人は付けてね」との指示。・・・・・・やってしまった。水中ライトは持ってきてないです。
かといって水中ライトが無ければ全く掛からないという事はありません。先ほどと同じように下ろせば直ぐにアタリは拾えます。しかし、そこからの追食いには顕著な差が・・・。ポツリポツリと散発に魚信は捉えるものの、持っている人のロッドはギュンギュン引き込まれています。キンメにしては鋭い突っ込みですが、間違いなく赤い魚のアタリです。
そして回収されて上がってきた仕掛けには私はキンメが少数、水中ライト装着者はアコウダイが複数浮上!サイズこそ小型ですが一つのアイテムが大きく釣果を変える良い例です。さりげなく若船長は3.5キロのクロムツを上げていますし・・・。今度は忘れないようにしたいと思います。

2種類の大物に遭遇

水中ライトが無くとも取りあえずキンメは釣れるので、そのまま続行するとします。しかしアコウダイは捕りたいですね。掛かっていた針は下寄りの針であることから浮いてはいないようです。6投目は500メートル超。だいぶ深くなってきましたが、まだまだ釣れそうな気がします。底取りと共に魚信を捉えたので今度は大きく送り込みを開始。ドンドン出ていくラインによってカウンターの表示数は750メートルに。それでも僅かでも可能性を高めるべく送り続けると、凄まじいアタリが到来!キンメ・アコウの類ではないことが明確な強烈な重量感ながら鋭い引き込み。これはもしやとドラグを緩めると「ボウズだ、ボウズ!」と隣の常連さんが叫びます。
アブラボウズ。深海巨魚の一つで最大重量は100キロオーバー!さらに食べて美味しく、水面でも腹を見せないタフネスな魚です。この魚が掛かってきたというのなら全力で相手をしなければなりません。使っている仕掛けのハリスはわずか12号。ロッドの重量感から20キロ以上は確実にありそうなので相当慎重にゆかなければ確実に切られるでしょう。そこでウネリの下がりのみに巻けるようドラグをセット。時間は掛かりますが上がるのなら最善策でゆくとしましょう。
周りが次々と上がってくる中、こちらはまだ400メートル以上出ている状況。時間的な焦りが生じ始めたところで、隣の釣り人のラインが強烈に引き込まれ、水面には巨大な魚体がジャンプしました!

「メカジキだーっ!!銛を出せ!!!」

船長の一声に若船長と仲乗りさんが素早く動きます。見えた魚体は3m弱といったところ。まさかのカジキ登場に釣り人たちは固唾を飲んで動向を見守ります。しかし残念ながらラインブレイク・・・。「100キロ無いぐらいだったな~。噴に仕掛けが巻いてれば獲れたが・・・」それでも迫力あるゲストの登場に船内は沸き上がり、残る私のロッドの獲物にも注目が集まります。そして深海からジワリジワリと最後は手巻きも併用しながら渾身の巻き上げ。水面下に大きくユラリと白っぽい影を見せて上がってきたのは
「バラムツかぁ~。残念!」とバラムツでした。それでも165センチ40キロ近い大物!普段この魚を駿河湾で狙う私にとっては自己記録更新となりました♪ そしてバラムツの下には良型キンメが1枚に切られたハリスが数本。良く見ると上がったキンメにも齧られた跡があり、「さっき真っ二つのも上がったけど、これも危なかったね~」と、どうらバラムツの群れが回っていたようです。「でもボウズも出る場所だから油断はできないよ」とのこと。メカジキ・アブラボウズ・バラムツなど、離島の深場は大物の夢が豊富に詰まっているようです!この流しでは大物遭遇もありましたが水中ライトを付けていた人は良型キンメやアコウダイを追加していました。

たとえロッドが折られても、ラインが切れずに魚が上がれば釣り人の勝ちです!

トロキンメは今後も有望

先の取り込みでロッドが破損するアクシデントに見舞われながらも最終投入まで漕ぎ着けました。折れた穂先ではアタリを捉える事は不可能なので、着底後はPEラインを手に「手釣り」スタイルで狙ってゆきます。しかしウネリを吸収しながらのライン捌きは予想以上に大変で、船酔いの悪夢が…。それでも何とか小さいアタリを捉えて送り込み、最後はミニアコウをゲットできました♪
新島沖のキンメダイは昨年末より好調をキープ! 良い日はトップ40枚以上の釣果となる日もあります。大雑把な釣りに見られがちですが、仕掛けやライン操作などに工夫を凝らして釣果を伸ばすゲーム性は中々です。深海から連なって上がってくるキンメダイは非常に美味しく、アフターフィッシングも高評価!ぜひとも狙ってみてはいかがでしょう?

[タックル]
・ディープライナー250ー200
・コマンドX9HP
・PE12号1400メートル
[仕掛け]
・ムツ19号 20本
・ハリス12号 70センチ
・幹糸30号150センチ
・ゴムクッション3.5ミリ1メートル
・鉄筋オモリ2キロ 中オモリ50号

ご当地釣法で外房ヒラマサを狙う!

2011/12/07

近年オフショアゲームで大きな盛り上がりを見せているヒラマサ。一昨年、外房大原にて世界記録が更新されたのも記憶に新しいことでしょう。エサ釣りではオキアミによるコマセ釣り、そして大型に効果的な泳がせ釣りや、近年流行の落とし込み(食わせサビキ)釣りなどがあります。しかし古くからヒラマサを狙う外房は独特のご当地釣法があります。

サンマのミンチがヒラマサを寄せる

外房ヒラマサのご当地釣法「カモシ釣り」。独特な道具立てでナイロンラインの道糸に遊動テンビン、カモシ袋といわれる靴下のような袋にサンマのミンチを詰めて狙います。付けエサもサンマのブツ切り・生きアジ・イカなどが使われます。使い分けとしては以下の通り
・サンマぶつ切り
万能エサでヒラマサはもちろんタイやハタなど様々な魚が食ってきます。中骨を抜いてU字に反転させ、切り身の腹側端同士を重ねてハリを刺します。
・生きアジ
外海から入ったばかりの新群に効果的。ミンチに反応が薄いときはこのエサ。ハリから1メートルほど上に20号程度のオモリをつけます。
・イカ類
サンマへ反応が悪い時や大型に効果的。小型なら1杯、中型以上は半割りの目付きゲソにして使うと回転せずに海中で安定します。
サンマとイカは一緒につけても効果的です。状況を見ながら工夫して使い分けましょう。
サンマミンチは水でカレーぐらいの硬さに溶いて、ポンプや柄杓でカモシ袋に詰めて使います。ロッドの硬さやラインによる放出量は主にミンチの硬さで調整します。
ハリスは最も迷うところでヒラマサなら8~16号を4.5~9メートル(3~6ヒロ)までの間で選択し、当日の魚の活性によって号数や長さは調整します。ヒラマサ狙いの標準は12号6メートルで、青物は短く・マダイは長くが基本となります。

まずはアジ釣りからスタート

お世話になったのは外房沖津の第二沖合丸。今年は初夏~梅雨時期の大型イシナギのラッシュで注目を集め、カモシのヒラマサでも十分な実績を誇る船宿です。
今回は7名の乗船者を乗せての出船。まずは港前での生きエサとなるアジ釣りからスタートです。興津港周辺はアジのも豊富で、港口で探見丸にはかなりの反応。コマセがなくとも続々とサビキ仕掛けに掛かってきます。特に明け方の光が入ると活性は一気に高まり、入れ食い状態となるほど。ここで手早くアジを確保したら、カモシ場へと移動となります。


反応の濃いところを直撃させて短時間で効率よくアジを確保!

朝イチのチャンスタイムを逃すな!

カモシ場(ポイント)への移動時間は20分ほど。その間にヒラマサタックルを準備し、サンマミンチを溶きます。柔らかくすることはいくらでもできますが、硬くはできないので調整には注意が必要。一度に全部溶かず、少しずつ溶いて使いましょう。
さて今回はグローブライドより秋発売の高性能電動リール「シーボーグ300MJ-L」をお借りし実釣テスト。左巻き・ジョグパワーレバー・NEWメガツインなど先進機能が満載のリールです。
ここでヒラマサを仕留められるように船長や仲乗りさんにキーワードを伺ってみました。すると
・ヒラマサは根に突進する
・手返しは10分以内が目安
・ミンチの放出量と硬さの調整
など、基本のおさらいができました。さぁ、ヒラマサに挑んできましょう。
海中公園沖に到着すると、すでに船団が形成されており、平日ながら各船ともなかなかの乗船者数。それもそのはず。港から程々の距離で平均7キロ、最大25キロまでのヒラマサが狙えるとあれば、人気がでないはずがありません。
沖合丸も船団の下につけると、投入合図が出されました。カモシのヒラマサは魚の着く根に向けて流してゆくスタイル。活性が低いときほど根から離れず、活性が高いほど根より手前で食う模様。探見丸へ映し出された水深は約45メートル。海底の映りを見ると海底は砂地でポツポツと根が存在する釣り場のようです。すでに他船から撒かれたミンチで20メートルから底付近まで帯状の反応が映り、その下には大型魚と思われるもポツポツと映し出され状況はまずまずのようです。乗船者の付けエサを見渡すと支給されたサンマぶつ切り・活アジ・イカなど様々。「朝イチは誰がどの餌でどんな釣り方で釣ったのか観察するんだ」と船長よりアドバイス。無線では他船もポツポツ捕っているようで期待が持てそうです。
すると右舷舳の釣り師に船内ファーストヒット!グラスムクのロッドを大きく絞り込み、グイグイと引き込むパワーは本命でしょう。やがて水面に顔を出したのは7キロ90センチ程のヒラマサ。食ったエサは目つきゲソ+サンマの短冊のようです。
この1本で乗船者は俄然気合いが入ります。私もヒイカにサンマの即席短冊をつけて投入。先ほどの方はタナを大きく探っていたことから、袋のリングを潰し気味にしてミンチの放出を絞り、探りながらもチョロチョロでる程度に。指示タナよりやや下から1メートル上げて50センチ下げる誘い上げにて狙ってみる作戦に。一投目こそ空振りするも、2投目で35メートル前後を誘っていると「クン」と小さなアタリが到来。それに合わせを入れると、大きくロッドが絞り込まれました!
時折ドラグを大きく滑らせる突進は紛れもなくヒラマサ。「7~10キロが一番根に突っ込むよ」という仲乗りさんの言葉を思い出し、一瞬ヒヤリとするも探見丸を見ると砂地の反応。しばらく底付近で抵抗するも、大きく絞ったロッドのテンションでじわじわと浮かせ、海面に姿を現したのは7キロ級のレギュラーサイズ。久々にヒラマサをゲットです♪

アタリが遠くても辛抱が重要

船 中2本目のヒラマサもイカにヒット。これによりイカに変更する方が増えてきました。しかし2本目以降なかなかヒットがありません。周囲の船団を見渡すとポツリポツリとヒットする程度です。
ヒットが遠いこの状況に船長の話を聞いてみると
「朝イチは根から離れても食うけど、だんだんと根近くのヒットが多くなる。根に向けて流すまでに、どのタイミングでコマセを効かせるのか、どうやって探るのかを組み立てるんだ」
とのこと。仲乗りさんも
「コマセが効いてくる中盤以降はゆっくりと沈下するものに反応が良くなる。だから誘い上げでエサを見せて、コマセの沈下と同じ速度でエサを見せるんだ。」と、誘いの重要性を説明してくれました。探見丸があれば水深の変化・魚の反応・海底の質などがわかり、特にヒットが多い「根下し」と呼ばれる根を通過した直後の落ち込みを確実にトレースできます。
「積極的の誘い続けるのか、お地蔵さんになるのか、そのあたりが釣果を分けるね」と船長。この言葉がまさにその通りの結果となるのでした。

後半に再び時合いが到来

アタリのない時間も誘い続け、エサをイカにして努力し続けた人をヒラマサは裏切りませんでした。再びアタリが出始めてぽつぽつとロッドが海面に突き刺さってゆく時合が到来!掛かるサイズは7キロ級が中心で、掛かるときは複数名ヒットです。この状況ながら波に乗り切れず、残念ながらアタリは無し。狙いすましたかのようにミンチの詰め替えのタイミングを狙われました・・・。これが「流しの組み立て」の違いなのでしょう・・・。



続々と1メートル弱のヒラマサが上がる光景は爽快そのもの!入門にもチャンスです!!

今年は年内一杯はチャンスか!?

今回は中型サイズを中心に好調。ヒラマサは0~4本、船中10本以上取り込まれました。10キロを越すハイクラスと呼ばれる大型はお目に掛かれませんでしたが、ルアー船では連日のように10キロオーバーがしとめられ、33キロを獲った船も!現在好調の外房ヒラマサ。ご当地釣法「カモシ釣り」で狙うなら今がチャンスです。

興津 第二沖合丸
℡/090-2328-9926
かもしヒラマサ船/12000円

[タックル]
マッドバイパースティング240M
シーボーグ300MJーL PE4号300m
かもし仕掛け・オモリ100号
ハリス12号6.5m・ヒラマサ針16号

ブーム到来!スロージギングに挑む

2011/11/25

今年の関東オフショアルアーの流行はなんといってもスロージギング。疲れ知らずで従来では出せなかった釣果を得る威力。今、熱い視線を集めています。

流行のスロージギングとは?

スロージギングは言葉どおりにメタルジグをゆっくりと踊らせて釣るスタイル。西日本より徐々に東日本に浸透し、今年になって関東にもブームが到来しました。
当初は根魚専門的な捉え方をするアングラーが多かったものの、青物への効果が認知された頃より、爆発的な人気を博するようになりました。スロージギングは従来のジギングに比べるとタックルの扱いが少々特殊。掛けてからのファイトはリールのパワーで挑みます。

・基本アクション
従来のようにジャークしてアクションさせることはしません。瞬間的なリーリングでロッドを曲げて、反発力でジグを跳ね飛ばします。従来のジギングをスローにしただけでは、ある程度は釣れるもののスロージギングとは少々異なります。アクションの入力はロッドに荷重が乗っている状態でハンドルを鋭く1/4~1/2回転させましょう。上手くジグが跳ね飛ばされればロッドから一瞬負荷が抜け水中を漂います。

ワンジャーク・ワンフォールの意識が重要。「ギア比・ロッドの硬さ・ジグの重さ」のバランスで、自分のタックルがどのように動きを演出するのか確認しておきましょう。

トップアングラーと乗船

お邪魔したのは波崎の征海丸。初夏のカツオ・メジから秋のブリ・ヒラマサ、そして最近は一つテンヤなど様ざまなターゲットをルアーを中心に狙う船宿です。今回は急遽スロージギングでの出船で、結果次第では乗合船の看板を出すとのこと。責任は重大!必ず結果を出さねばなりません。
そんな中、頼もしいアングラーとして平塚のルアーショップ「RISE」の原田さんと、「TamaTV」のタマさんが乗船。原田さんは関東のオフショアルアーを牽引するといっても過言でないトップアングラーの一人。今年のスロージギングブームを仕掛けた1人といっても過言ではないでしょう。そしてその原田さんの活躍を撮影し、世に送り出すTamaTVのタマさん。アングラーの視点に立ち、常に流行を先取りしたDVDを作成。今秋も「スロージギング完全攻略ガイド」を発表し、撮影の合間にも釣果を積み重ねてゆく凄腕アングラーです。
私も彼らが乗船する情報を聞きつけ、旬の釣りを勉強すべく参加。トップアングラーを間近で手本としつつ、自らの技術向上を目指します。

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いざ鹿島沖へ!

5名のアングラーを乗せ、利根川の河口より出船した征海丸。目指すポイントは港より約1時間、大根のやや北西に位置する沈船周りです。乗船者を見渡すと120グラム前後のジグがずらり。そこで様子見として種類が被らないように、ジャーク後の滞空時間が魅力のスロースクイッド180グラムとジギングサビキをセレクト。フワリフワリトと底を漂わせるとガツンとヒット!右に左にと走りながら小気味良い引きを見せたのはワカシ。この時期の鹿島沖には非常に多く入っており、好奇心旺盛で動くものなら何でも襲い掛かります。周りを見渡すと同様にワカシが連続ヒット。特に輝きが強いファルコンZスローTTクロームは回遊魚へのアピール力が強く一時入れ掛かりにもなるほど。そんな中、タマさんへ一際強いアタリ!グイグイと大きく絞り込まれるロッド。時折ドラグを引き出し、抵抗を見せたのは二回りほど大きいサンパク。大根ではワラサ級も回遊しているので、こちらにもいた模様。寒流を泳いできた魚体は脂がのっておいしそうです♪
ワカシの活性が高く、輝きの強いモデルは連続ヒットで底に着かないほどの追い。そこでイカ型のスロースクイッドからジグ型のスロースキップへチェンジ。表面は夜光、裏面はマグマホロで、強い反射を抑えながらも海底付近で妖しく光ります。船もちょうど沈船に脇に差し掛かり、探見丸には盛り上がる起伏が映し出されます。その頂上付近を通過する際に「ゴツ、ゴツ」とアタリ到来!ガシっとアワセれば専用細軸フックが容易に顎を捉えます。グイグイと抵抗しながら水面へ上がってきたのはホウボウ。カラフルな胸ビレに足のような腹ビレ、そして船上で「グウグウ」と鳴く特徴ある魚。食べてもおいしく、近年では冬から春のターゲットとしてすっかり定着しました。
この沈船回りではソイ・アイナメ・メバルなどの根魚が登場。数種類の魚がまとまって上がったことから「集中して流してみよう」と船長より提案。スロージギングの威力で、どんな魚が追加されるか興味津々のようです。


いままで釣れなかった魚も釣れる圧倒的な威力!そして魚種多彩!これが人気の理由です♪

船長のアドバイスで窮地を脱出

沈船周りを攻める読みは見事に的中。原田さん・タマさんの両名にはマダイ・ヒラメといった高級魚が次々に掛かり始めました。規則正しいスムーズなアクションで魚を魅了。「うまく動かしてくとジグの振れ幅が多きくなっていくんだ。ちょうどフライの投げるのような感じかな」と船長談。潮も程良く流れており、ワカシも混じえながら常に誰かしらのロッドが曲がっています。しかし、この状況で何故か波に乗り遅れてしまった私。回収中にワカシのヒットはあるものの、肝心の底物からの反応はありません。
ハンドルは1/3回転、フワリフワリと丁寧に攻めてみるも結果が出ずに苦悩していると、船長より「ジグを重めにしてハンドルの巻きを1/2にしてみな。たぶん下でジグが動いてないよ」とのアドバイス。そして差し出されたバックドロップ130グラムのゴールドグリーン。「メゴチが産卵に入る今時期はこれが効くんだよ」とのこと。攻めあぐねているときの攻略アドバイスは非常に助かります。
早速、バックドロップを取り付け海底へ。「穂先の戻りを意識するんだ」との言葉を受けながら、先ほどより鋭くハンドルを回し、アクションさせながら中層まで上がってくると「ズン!」っと重量感あるアタリが到来!きっちり合わせを入れるとズルズルとドラグを出し、引きは今日一番の大物を予感させます。
水平よりやや下にロッドを構え、ロッドの反発力よりもリールのパワーで勝負するのがスロージギングのファイトスタイル。リールの負担は通常のファイトよりも大きいですが、オシアジガーのパワーがあれば制するのは容易。やがてユラリと海面に浮いてきたのは良型ヒラメ。

船長の読みとアドバイスで、わずか1投で船中最大魚をしとめてしまいました。「やっぱりな。そうだと思ったんだ♪」と船長も満足そう。ズシリとした重量感はいつも以上の喜びを与えてくれました。

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さらなるテクニックを伝授

アドバイスを受けてからアタリも増加。ワカシ中心ながら、やっと釣果の輪に入れた感じです。すると船長はぽつりと「後はロングフォールだな・・・」とのこと。これは新たなテクニックの予感です。
・ロングフォール
「着底したらロッドを真下に向けて、大きく頭上まで振り上げる。そうしたらジワーと10秒以上かけてゆっくりジグを下ろすんだ。すると上を見上げている魚が食える範囲に入ってくるのをジレながら待っている。普通のジャークの合間に3回ぐらい入れるんだ」とのこと。ちなみに振り上げきった状態でアタリを捉えた場合はゴリ巻きで合わせたり、人によってはジャンプする人もいるとか。通常のジグでは動かないほどのテンションフォールでも、幅広のボディが潮を受けてゆらゆらと動いているのでしょう。
この方法を取り入れながら探ると「ズン!」と先程と同様のアタリが到来!しかしこれはフッキングまで至らず・・・。それを見ていた船長も「悔しいぐらいがアングラーを成長させるんだ」とにこやか。私も魚は掛からずともコツをつかんだ感じです。


この日、最もアタリを出したのはファルコンZスローTTクロームのハニービー!
沈船周りは根掛かりのリスクはあるも魚種多彩♪ 果敢に攻めよう!

スロージギング乗合 出船開始へ

水深や誘いの強弱を変化させながら探っていると、あっという間に納竿時刻に・・・。コツを掴んでからはアタリは多くも掛かりが浅く、今後の課題となりそうです。同乗の原田さんとタマさんのバケツは多魚種でギッシリ!さすがの腕前です。
通常のジギングでは疲れきっているものですが、リールを回すだけのイージー操作で体の負担はほとんど無し。「簡単・疲れ知らず・魚種多彩」の結果をうけて、船長も乗合での出船を決めた模様。今後もブーム拡大が予想されるスロージギング。ノウハウを習得すれば餌釣り師もすぐに大漁間違いなし!話題の釣法にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

波崎 征海丸
TEL 090-3100-6991
スロージギング船
11000円

[タックル]
RMシンクロビート
オシアジガー1500HG
PE2号300m+フロロ8号3m
バックドロップ・スロースクイッドなど

解禁初日に挑む!鹿島沖ヒラメ

2011/11/11

今年もこの日がやってきた!11月1日より解禁となった鹿島沖のヒラメ。今年の傾向を見定めるべく、解禁初日にいってきました。

面で流す横流し

外房エリアから遅れること1カ月。鹿島沖のヒラメが解禁を迎えました。今回おじゃましたのは波崎港のH丸。軽量アルミ製の大型19t船で船幅も広いのでウネリに強く、船に弱い人にも安心感があります。
鹿島・波崎・大洗のヒラメは横流しが一般的。船が横方向に流れる横流しでは片舷が均一にヒラメへアプローチでき、流し換えの度に潮の上下が入れ替わるので座による釣果差がつきにくいのが特徴で、ポイントを効率的に探れます。ただし風浪を横から受けるのでウネリの上下動は大きめなので船酔い対策を万全に施す必要があります。

「鰯」と書かれる魚

当日は解禁を待ちわびた13名を乗せて鹿島沖へ。波崎からは約30分の航程です。ヒラメ釣りは活きイワシを使っての泳がせ釣り。仕掛けは胴つきながら、最初はエサ付けに苦戦することでしょう。エサとなるマイワシは弱く、素早く丁寧に付けなければ弱ってヒラメの食いへ大きく影響を及ぼします。キーポイントは
・手を水に濡らして冷やす
・強く握らない
・何度も刺し直さない
・丁寧に海面に下ろす
と、いったところでしょう。初めての場合は出船前に船長に教えてもらい、確実にこなせるようにしましょう。親・孫バリの位置や種類についても様ざまな方法がありますが、H丸では「親バリは口掛け・孫バリは背掛け・孫バリはトリプルフック」が推奨されています。

11年鹿島ヒラメ開幕

潮周りをしながら各自配られたイワシにハリを付け、船長の合図と共に一斉に投入されました。2011年の鹿島ヒラメ開幕です。 仕掛けを下ろす際はエサが生きたイワシであることを考慮し、フリーで落とさずサミングでブレーキをしながらゆっくり落とせば、海底付近でもイワシは元気に泳ぐでしょう。
着底すると徐々にラインが沖へ流れ始めました。同時にイワシも暴れまくり。期待できそうな展開です!最初の流しは潮下側からスタート。ラインの角度を見ながら送り出し、大きなウネリで時折海底をたたく程度に調整。海底より1メートルほど上をイワシが泳ぐイメージでタナを取り、イワシの暴れを伝える穂先を注視しながら、ウネリから仕掛けを安定させます。するとイワシの振動が急に止まり「ガッ、ガッ」と小さなアタリをとらえました。一概には言えませんがアタリの大きさである程度の判断をすることが可能です。
・タナ:低ければは小さく、高ければ大きい
・サイズ:小さければ大きく、大きければ小さい
・食い込み:小さければ遅く、大きければ速い(大型は一飲みも)
今回はタナはやや低め。そして小さいアタリは大物を予感させます。そして連続したシグナルは10秒もたたずに止まりました。そして穂先にはオモリプラスのモタレ感。どうやら食い込んだようです。
ゆっくりとロッドを起こしはじめ、重みが感じられたら加速させて合わせるとズシリとした重量感。ばっちり掛かったようです。合わせは飲まれたイワシのハリをヒラメの口内に立てるイメージ。重みを感じてから合わせを入れた方が掛かりも良く、急な合わせよりもスッポ抜けを防げます。
掛かってからのヒラメは底から10メートルまでが最も抵抗し、強引に巻き上げてはハリス切れのリスクを生じます。ロッドを立てて弾力を活かし、ゆっくりと巻き上げましょう。時折ドラグを滑らしながら上がってきたのは70センチちょうどの良型。解禁一投目は最高のスタートを切れたようです。

様ざまな魚がロッドを絞る

自身のヒラメが上がってくるまでに船へは10枚近いヒラメが取り込まれていました。海底は多くのヒラメがいたようで、ほとんどの人は下ろすと同時に当たりが出たようです。周りを見渡すとサイズは1キロ前後が多く、2キロ前後がちらほら。そしてワカシやサンパクが取り込まれています。この爆発力こそ解禁日の魅力。下ろせば当たる状況で、船内の至る所でヒラメが取り込まれてゆきます。
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2流しほどで船内のほとんどの人がヒラメを手にし、釣れていない人もワカシやサンパクなど何かしらの魚をゲットしています。
私も2枚目をゲットし外していると、船長より「イワシが泳ぐならそのまますぐに下ろすんだ」とのアドバイス。襲われたイワシは衝撃で身にも傷が入り、動きも緩慢。聞けば「活きの良いイワシはアピールするけど、鈍い大型から逃げきる。襲われて他魚が取りこぼしたように見える傷イワシが大型をしとめるんだ」とのこと。この方法で毎年8キロ以上の大判をしとめる常連さんもいるとか!これは試さない手はありません。早速、ヒラメからイワシを外し、水面で生きていることを確認して下ろすと直ぐに当たり!型こそ普通でしたが十分効果は見込めるようです。
約1時間の爆釣タイムも日が昇るにつれ徐々にヒラメが少なくなってきました。当たりのほとんどがワカシのもので、小気味良い引きながら複数人に同時に掛かるためオマツリが多発・・・。イワシの消費量はどんどん増えてゆきます。
こんな時便利なのが探見丸。ワカシの回遊が見てわかるので反応が多いときはイワシをベタ底まで下ろしかわすこともできます。私もワカシの反応が映り始めたのでスルリと底へイワシを下ろすと「コッ、ゴツ!ゴツ!」と小さいシグナルから派手に穂先を揺らす当たりが到来!小刻みにグングンと首を振って抵抗したのはアイナメ。ビール瓶ほど良型が上がってきました。この直後より船内では根掛かりが多発。根の縁にいた一匹だったのでしょう。


中層にはワカシ反応が多数。根回りではアイナメやハタのゲストも

当たり多く今後に期待

ポツポツ程度に落ちたヒラメと対照的に、活性を上げてきたのはワカシ。ヒット数もますます増え、とうとうイケスが底をついてしまいました。
残念ながら10時過ぎに早揚がりとはなりましたが、解禁日だけあって全員ヒラメの確保に成功。頭11枚、私も5枚(リリース含み)釣ることができました。当日のヒラメの型は1kg急が中心で3割がソゲ、2割が良型といった感じ。翌日以降も順調に数を重ねております。
泳がせ釣りの入門魚ヒラメ。波崎・鹿島・大洗出船は解禁直後で爆釣のチャンス!この機会にぜひ狙ってみてはいかがでしょう?

[タックル]
リーオーマスターヒラメ270M
電動丸400C PE3号150m
ヒラメ仕掛け(親孫ともにシングル)
錘80号 赤ホログラム
活きイワシ(中羽)

好調持続!鹿島沖ショウサイフグ

2011/10/24

多くの場合、釣りでは厄介者扱いされるフグ。好奇心旺盛で瞬く間にエサをかすめ盗り、ハリごと仕掛けを切られることもしばしば。しかもフグ毒もあるため素人調理厳禁です。

しかしショウサイフグやヒガンフグなど、一部のフグは船釣りの格好のターゲット。フグ処理の資格を持つ船宿が安全に下処理しますし、何より食べて美味!そのうえ釣りもゲーム性が高いため、高い人気を誇っています。

好調の鹿島沖へ

今回お世話になったのは鹿島新港の豊丸。経験豊富な出頭船長とおかみさんがヒラメやアイナメをはじめ、様々な釣りを楽しませてくれる船宿です。特にフグは高い人気を誇り、今年はピークと言われる夏を過ぎ、秋を迎えてもなお活性が高く好調をキープしております。
どんな釣りにはある程度のセオリーはありますが船長のレクチャーをよく聞くことが上達への近道!当日も出船前に様々な解説を頂き、その要点をまとめると以下のとおり。

・鋭い動きは控える

・ときおり空合わせを入れる

・活性で誘いを変化させる

・エサはワタの有無が重要

これらを抑えて釣りをすれば問題なく楽しめるとのこと。すでにカワハギや湾フグなどを経験したことのある人ならば、初挑戦でも全体釣果の中盤までは食い込めるそうです。また仕掛けに関してですが、船長の見解としては掛け針の個数や錘の色での釣果の差はほとんど現れないそうで、それよりも当日に合った誘いの見極めや手返しの速さのほうが差としては大きく現れるそうです。

また掛けバリですが豊丸では基本的に根の少ない場所を攻めるため、針先が直立し硬いものが掛かりも良くお勧め。

もし活性が低くて根回りを攻めるようならば、根掛かりを回避しやすい素材が柔らかく針先が内に倒れたキツネ型のものがお勧めだそうです。尚、根回りを攻める際は事前にアナウンスをするそうですので、仕掛けを変更するならそのタイミングでしましょう。

朝イチから高活性!

明け方の港を出て北上すること約30分。水深30mほどの砂地がポイントです。ポイントを選定すると、スタートのホーンと共に一斉に仕掛けが入りました。スルスルと出てゆくラインが止まり、糸フケを巻き取ると「コツ、コツ」と早速の当たり。スッとロッドを立てるように合わせるとグッと手応えが加わりました。カットウ針は返しがないので巻き上げ中の緩みは厳禁。一定の速度で巻いてくると途中でさらに重みが増しますが、これはフグが水を吸い込んで膨らんだ合図。速度を緩めずに巻き、水面まできたら抜き上げましょう。
当日はスタートから活性が高く、約2時間は入れ食いタイム。下ろして20秒以内に当たりが到来し、1分間何も無ければエサがきれいに無くなります。ロッドに現れるシグナルも明確なものが多いですが、もし察知できないようでも空合わせの間隔を短くすることで対応することが可能です。
常に船中の誰かしらのロッドが曲がり、樽のフグは溢れんばかりの状況。ダブルヒットもしばしば見られ、型も25cm級が中心とまずまずです。しかし船長に聞くと「これが普通」とのこと。改めて魚影の濃さに驚かされます。最初の流しで32匹のフグをゲット。何をしても掛かる状況で、数の差は手返しによって生じています。その中で光のがおかみさんの技術。手返しは勿論ですが、下ろしてから掛けるまでが非常に速い!本人は「適当にやっている」とのことでしたが驚異的でした。

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他にも外道でワカシやウマヅラハギなどがヒット。他にもカレイやホウボウが掛かることもあるそうです。

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そんな感じで入れ食いを楽しんでいましたが、徐々に活性が低下してきました。しかし、これからがゲーム性が高まり、更なる楽しみを生み出します。

活性低下で上がるゲーム性

それまでのある意味で単調な釣り方では当たりは遠のき、何もしなければいつの間にかエサがなくなる状況。それでも活性を探りながら誘いや聞きを入れると、合っていれば明確な応答が帰ってきます。

スローな中にも誘いの幅・間・強弱など様々な要素で当たりを拾う感覚はマルイカの直結仕掛けの感覚にも似ているかもしれません。少し高いタナでふわりふわり餌を見せて着底、2秒間を置いてスッと聞けばコツンと当たり!ここでスッと合わせれば針掛かりに至ります。
このような状況となるとがぜん強いのが常連さん。周りがペースを落とす状況でも変わらず掛け続けていきます。パッと見はほとんど誘っていないように見えますが穂先を注視してみるとテンション変化が見て取れ、ウネリを利用しながら微妙な仕掛けの動きを演出しているようです。そして魚からのシグナルを感じれば間髪入れずに合わせ!説明にするとこのような感じですが実際は遥かに複雑な動きになっています。
私も似たように誘いの静動を緩くして穂先の変化を注視してゆくと次第に当たりも回復し、バケツの中身が徐々に増えていきました。

下処理サービスで楽々♪

低活性でも当たりの出し方がわかってくれば楽しさは倍増!試行錯誤をしながらどんどんフグを釣り上げてゆきます。当日のフグのサイズは25cm級が多く、ピンポン玉と呼ばれる小型は交じりません。そうなると俄然やる気が出てしまいペースがどんどん上がっていきます。通常の釣りならば大漁に喜ぶも、帰ってからの処理を考えると頭が痛くなるところですが、フグ釣りにおいてはその心配は無用。船宿さんが全てのフグの下処理を行ってくれます。もちろん、その白身は絶品です。

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釣期は1月頃まで

好釣果が続く鹿島沖のショウサイフグ。当日も好調で20~40cmのフグが27~110尾。例年では年明け頃までの出船だそうです。ショウサイフグは専用ロッドも多く存在しますが、カワハギタックルでもOK。初めての方はレンタルタックルの用意もあります。仕掛けも豊丸オリジナルが用意され、私も使用し73尾の釣果を上げることができました。船にはおかみさんが中乗りのとして乗船し、船長と一緒に釣り人をサポートしてくれます。鹿島までは東京都心部から高速道で2時間ほどです。ぜひ茨城の海でフグ釣りを楽しんでみてはいかがでしょう?

鹿島新港 豊丸
℡0299-69-3319
ショウサイフグ船 11000円
(餌2パック・氷つき)

[タックル]
極鋭ゲームセンサー165
メタニウムMg7 左
PE1.5号100m
豊丸カットウ仕掛け25号