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ブーム到来!スロージギングに挑む

2011/11/25

今年の関東オフショアルアーの流行はなんといってもスロージギング。疲れ知らずで従来では出せなかった釣果を得る威力。今、熱い視線を集めています。

流行のスロージギングとは?

スロージギングは言葉どおりにメタルジグをゆっくりと踊らせて釣るスタイル。西日本より徐々に東日本に浸透し、今年になって関東にもブームが到来しました。
当初は根魚専門的な捉え方をするアングラーが多かったものの、青物への効果が認知された頃より、爆発的な人気を博するようになりました。スロージギングは従来のジギングに比べるとタックルの扱いが少々特殊。掛けてからのファイトはリールのパワーで挑みます。

・基本アクション
従来のようにジャークしてアクションさせることはしません。瞬間的なリーリングでロッドを曲げて、反発力でジグを跳ね飛ばします。従来のジギングをスローにしただけでは、ある程度は釣れるもののスロージギングとは少々異なります。アクションの入力はロッドに荷重が乗っている状態でハンドルを鋭く1/4~1/2回転させましょう。上手くジグが跳ね飛ばされればロッドから一瞬負荷が抜け水中を漂います。

ワンジャーク・ワンフォールの意識が重要。「ギア比・ロッドの硬さ・ジグの重さ」のバランスで、自分のタックルがどのように動きを演出するのか確認しておきましょう。

トップアングラーと乗船

お邪魔したのは波崎の征海丸。初夏のカツオ・メジから秋のブリ・ヒラマサ、そして最近は一つテンヤなど様ざまなターゲットをルアーを中心に狙う船宿です。今回は急遽スロージギングでの出船で、結果次第では乗合船の看板を出すとのこと。責任は重大!必ず結果を出さねばなりません。
そんな中、頼もしいアングラーとして平塚のルアーショップ「RISE」の原田さんと、「TamaTV」のタマさんが乗船。原田さんは関東のオフショアルアーを牽引するといっても過言でないトップアングラーの一人。今年のスロージギングブームを仕掛けた1人といっても過言ではないでしょう。そしてその原田さんの活躍を撮影し、世に送り出すTamaTVのタマさん。アングラーの視点に立ち、常に流行を先取りしたDVDを作成。今秋も「スロージギング完全攻略ガイド」を発表し、撮影の合間にも釣果を積み重ねてゆく凄腕アングラーです。
私も彼らが乗船する情報を聞きつけ、旬の釣りを勉強すべく参加。トップアングラーを間近で手本としつつ、自らの技術向上を目指します。

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いざ鹿島沖へ!

5名のアングラーを乗せ、利根川の河口より出船した征海丸。目指すポイントは港より約1時間、大根のやや北西に位置する沈船周りです。乗船者を見渡すと120グラム前後のジグがずらり。そこで様子見として種類が被らないように、ジャーク後の滞空時間が魅力のスロースクイッド180グラムとジギングサビキをセレクト。フワリフワリトと底を漂わせるとガツンとヒット!右に左にと走りながら小気味良い引きを見せたのはワカシ。この時期の鹿島沖には非常に多く入っており、好奇心旺盛で動くものなら何でも襲い掛かります。周りを見渡すと同様にワカシが連続ヒット。特に輝きが強いファルコンZスローTTクロームは回遊魚へのアピール力が強く一時入れ掛かりにもなるほど。そんな中、タマさんへ一際強いアタリ!グイグイと大きく絞り込まれるロッド。時折ドラグを引き出し、抵抗を見せたのは二回りほど大きいサンパク。大根ではワラサ級も回遊しているので、こちらにもいた模様。寒流を泳いできた魚体は脂がのっておいしそうです♪
ワカシの活性が高く、輝きの強いモデルは連続ヒットで底に着かないほどの追い。そこでイカ型のスロースクイッドからジグ型のスロースキップへチェンジ。表面は夜光、裏面はマグマホロで、強い反射を抑えながらも海底付近で妖しく光ります。船もちょうど沈船に脇に差し掛かり、探見丸には盛り上がる起伏が映し出されます。その頂上付近を通過する際に「ゴツ、ゴツ」とアタリ到来!ガシっとアワセれば専用細軸フックが容易に顎を捉えます。グイグイと抵抗しながら水面へ上がってきたのはホウボウ。カラフルな胸ビレに足のような腹ビレ、そして船上で「グウグウ」と鳴く特徴ある魚。食べてもおいしく、近年では冬から春のターゲットとしてすっかり定着しました。
この沈船回りではソイ・アイナメ・メバルなどの根魚が登場。数種類の魚がまとまって上がったことから「集中して流してみよう」と船長より提案。スロージギングの威力で、どんな魚が追加されるか興味津々のようです。


いままで釣れなかった魚も釣れる圧倒的な威力!そして魚種多彩!これが人気の理由です♪

船長のアドバイスで窮地を脱出

沈船周りを攻める読みは見事に的中。原田さん・タマさんの両名にはマダイ・ヒラメといった高級魚が次々に掛かり始めました。規則正しいスムーズなアクションで魚を魅了。「うまく動かしてくとジグの振れ幅が多きくなっていくんだ。ちょうどフライの投げるのような感じかな」と船長談。潮も程良く流れており、ワカシも混じえながら常に誰かしらのロッドが曲がっています。しかし、この状況で何故か波に乗り遅れてしまった私。回収中にワカシのヒットはあるものの、肝心の底物からの反応はありません。
ハンドルは1/3回転、フワリフワリと丁寧に攻めてみるも結果が出ずに苦悩していると、船長より「ジグを重めにしてハンドルの巻きを1/2にしてみな。たぶん下でジグが動いてないよ」とのアドバイス。そして差し出されたバックドロップ130グラムのゴールドグリーン。「メゴチが産卵に入る今時期はこれが効くんだよ」とのこと。攻めあぐねているときの攻略アドバイスは非常に助かります。
早速、バックドロップを取り付け海底へ。「穂先の戻りを意識するんだ」との言葉を受けながら、先ほどより鋭くハンドルを回し、アクションさせながら中層まで上がってくると「ズン!」っと重量感あるアタリが到来!きっちり合わせを入れるとズルズルとドラグを出し、引きは今日一番の大物を予感させます。
水平よりやや下にロッドを構え、ロッドの反発力よりもリールのパワーで勝負するのがスロージギングのファイトスタイル。リールの負担は通常のファイトよりも大きいですが、オシアジガーのパワーがあれば制するのは容易。やがてユラリと海面に浮いてきたのは良型ヒラメ。

船長の読みとアドバイスで、わずか1投で船中最大魚をしとめてしまいました。「やっぱりな。そうだと思ったんだ♪」と船長も満足そう。ズシリとした重量感はいつも以上の喜びを与えてくれました。

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さらなるテクニックを伝授

アドバイスを受けてからアタリも増加。ワカシ中心ながら、やっと釣果の輪に入れた感じです。すると船長はぽつりと「後はロングフォールだな・・・」とのこと。これは新たなテクニックの予感です。
・ロングフォール
「着底したらロッドを真下に向けて、大きく頭上まで振り上げる。そうしたらジワーと10秒以上かけてゆっくりジグを下ろすんだ。すると上を見上げている魚が食える範囲に入ってくるのをジレながら待っている。普通のジャークの合間に3回ぐらい入れるんだ」とのこと。ちなみに振り上げきった状態でアタリを捉えた場合はゴリ巻きで合わせたり、人によってはジャンプする人もいるとか。通常のジグでは動かないほどのテンションフォールでも、幅広のボディが潮を受けてゆらゆらと動いているのでしょう。
この方法を取り入れながら探ると「ズン!」と先程と同様のアタリが到来!しかしこれはフッキングまで至らず・・・。それを見ていた船長も「悔しいぐらいがアングラーを成長させるんだ」とにこやか。私も魚は掛からずともコツをつかんだ感じです。


この日、最もアタリを出したのはファルコンZスローTTクロームのハニービー!
沈船周りは根掛かりのリスクはあるも魚種多彩♪ 果敢に攻めよう!

スロージギング乗合 出船開始へ

水深や誘いの強弱を変化させながら探っていると、あっという間に納竿時刻に・・・。コツを掴んでからはアタリは多くも掛かりが浅く、今後の課題となりそうです。同乗の原田さんとタマさんのバケツは多魚種でギッシリ!さすがの腕前です。
通常のジギングでは疲れきっているものですが、リールを回すだけのイージー操作で体の負担はほとんど無し。「簡単・疲れ知らず・魚種多彩」の結果をうけて、船長も乗合での出船を決めた模様。今後もブーム拡大が予想されるスロージギング。ノウハウを習得すれば餌釣り師もすぐに大漁間違いなし!話題の釣法にチャレンジしてみてはいかがでしょう?

波崎 征海丸
TEL 090-3100-6991
スロージギング船
11000円

[タックル]
RMシンクロビート
オシアジガー1500HG
PE2号300m+フロロ8号3m
バックドロップ・スロースクイッドなど

解禁初日に挑む!鹿島沖ヒラメ

2011/11/11

今年もこの日がやってきた!11月1日より解禁となった鹿島沖のヒラメ。今年の傾向を見定めるべく、解禁初日にいってきました。

面で流す横流し

外房エリアから遅れること1カ月。鹿島沖のヒラメが解禁を迎えました。今回おじゃましたのは波崎港のH丸。軽量アルミ製の大型19t船で船幅も広いのでウネリに強く、船に弱い人にも安心感があります。
鹿島・波崎・大洗のヒラメは横流しが一般的。船が横方向に流れる横流しでは片舷が均一にヒラメへアプローチでき、流し換えの度に潮の上下が入れ替わるので座による釣果差がつきにくいのが特徴で、ポイントを効率的に探れます。ただし風浪を横から受けるのでウネリの上下動は大きめなので船酔い対策を万全に施す必要があります。

「鰯」と書かれる魚

当日は解禁を待ちわびた13名を乗せて鹿島沖へ。波崎からは約30分の航程です。ヒラメ釣りは活きイワシを使っての泳がせ釣り。仕掛けは胴つきながら、最初はエサ付けに苦戦することでしょう。エサとなるマイワシは弱く、素早く丁寧に付けなければ弱ってヒラメの食いへ大きく影響を及ぼします。キーポイントは
・手を水に濡らして冷やす
・強く握らない
・何度も刺し直さない
・丁寧に海面に下ろす
と、いったところでしょう。初めての場合は出船前に船長に教えてもらい、確実にこなせるようにしましょう。親・孫バリの位置や種類についても様ざまな方法がありますが、H丸では「親バリは口掛け・孫バリは背掛け・孫バリはトリプルフック」が推奨されています。

11年鹿島ヒラメ開幕

潮周りをしながら各自配られたイワシにハリを付け、船長の合図と共に一斉に投入されました。2011年の鹿島ヒラメ開幕です。 仕掛けを下ろす際はエサが生きたイワシであることを考慮し、フリーで落とさずサミングでブレーキをしながらゆっくり落とせば、海底付近でもイワシは元気に泳ぐでしょう。
着底すると徐々にラインが沖へ流れ始めました。同時にイワシも暴れまくり。期待できそうな展開です!最初の流しは潮下側からスタート。ラインの角度を見ながら送り出し、大きなウネリで時折海底をたたく程度に調整。海底より1メートルほど上をイワシが泳ぐイメージでタナを取り、イワシの暴れを伝える穂先を注視しながら、ウネリから仕掛けを安定させます。するとイワシの振動が急に止まり「ガッ、ガッ」と小さなアタリをとらえました。一概には言えませんがアタリの大きさである程度の判断をすることが可能です。
・タナ:低ければは小さく、高ければ大きい
・サイズ:小さければ大きく、大きければ小さい
・食い込み:小さければ遅く、大きければ速い(大型は一飲みも)
今回はタナはやや低め。そして小さいアタリは大物を予感させます。そして連続したシグナルは10秒もたたずに止まりました。そして穂先にはオモリプラスのモタレ感。どうやら食い込んだようです。
ゆっくりとロッドを起こしはじめ、重みが感じられたら加速させて合わせるとズシリとした重量感。ばっちり掛かったようです。合わせは飲まれたイワシのハリをヒラメの口内に立てるイメージ。重みを感じてから合わせを入れた方が掛かりも良く、急な合わせよりもスッポ抜けを防げます。
掛かってからのヒラメは底から10メートルまでが最も抵抗し、強引に巻き上げてはハリス切れのリスクを生じます。ロッドを立てて弾力を活かし、ゆっくりと巻き上げましょう。時折ドラグを滑らしながら上がってきたのは70センチちょうどの良型。解禁一投目は最高のスタートを切れたようです。

様ざまな魚がロッドを絞る

自身のヒラメが上がってくるまでに船へは10枚近いヒラメが取り込まれていました。海底は多くのヒラメがいたようで、ほとんどの人は下ろすと同時に当たりが出たようです。周りを見渡すとサイズは1キロ前後が多く、2キロ前後がちらほら。そしてワカシやサンパクが取り込まれています。この爆発力こそ解禁日の魅力。下ろせば当たる状況で、船内の至る所でヒラメが取り込まれてゆきます。
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2流しほどで船内のほとんどの人がヒラメを手にし、釣れていない人もワカシやサンパクなど何かしらの魚をゲットしています。
私も2枚目をゲットし外していると、船長より「イワシが泳ぐならそのまますぐに下ろすんだ」とのアドバイス。襲われたイワシは衝撃で身にも傷が入り、動きも緩慢。聞けば「活きの良いイワシはアピールするけど、鈍い大型から逃げきる。襲われて他魚が取りこぼしたように見える傷イワシが大型をしとめるんだ」とのこと。この方法で毎年8キロ以上の大判をしとめる常連さんもいるとか!これは試さない手はありません。早速、ヒラメからイワシを外し、水面で生きていることを確認して下ろすと直ぐに当たり!型こそ普通でしたが十分効果は見込めるようです。
約1時間の爆釣タイムも日が昇るにつれ徐々にヒラメが少なくなってきました。当たりのほとんどがワカシのもので、小気味良い引きながら複数人に同時に掛かるためオマツリが多発・・・。イワシの消費量はどんどん増えてゆきます。
こんな時便利なのが探見丸。ワカシの回遊が見てわかるので反応が多いときはイワシをベタ底まで下ろしかわすこともできます。私もワカシの反応が映り始めたのでスルリと底へイワシを下ろすと「コッ、ゴツ!ゴツ!」と小さいシグナルから派手に穂先を揺らす当たりが到来!小刻みにグングンと首を振って抵抗したのはアイナメ。ビール瓶ほど良型が上がってきました。この直後より船内では根掛かりが多発。根の縁にいた一匹だったのでしょう。


中層にはワカシ反応が多数。根回りではアイナメやハタのゲストも

当たり多く今後に期待

ポツポツ程度に落ちたヒラメと対照的に、活性を上げてきたのはワカシ。ヒット数もますます増え、とうとうイケスが底をついてしまいました。
残念ながら10時過ぎに早揚がりとはなりましたが、解禁日だけあって全員ヒラメの確保に成功。頭11枚、私も5枚(リリース含み)釣ることができました。当日のヒラメの型は1kg急が中心で3割がソゲ、2割が良型といった感じ。翌日以降も順調に数を重ねております。
泳がせ釣りの入門魚ヒラメ。波崎・鹿島・大洗出船は解禁直後で爆釣のチャンス!この機会にぜひ狙ってみてはいかがでしょう?

[タックル]
リーオーマスターヒラメ270M
電動丸400C PE3号150m
ヒラメ仕掛け(親孫ともにシングル)
錘80号 赤ホログラム
活きイワシ(中羽)

好調持続!鹿島沖ショウサイフグ

2011/10/24

多くの場合、釣りでは厄介者扱いされるフグ。好奇心旺盛で瞬く間にエサをかすめ盗り、ハリごと仕掛けを切られることもしばしば。しかもフグ毒もあるため素人調理厳禁です。

しかしショウサイフグやヒガンフグなど、一部のフグは船釣りの格好のターゲット。フグ処理の資格を持つ船宿が安全に下処理しますし、何より食べて美味!そのうえ釣りもゲーム性が高いため、高い人気を誇っています。

好調の鹿島沖へ

今回お世話になったのは鹿島新港の豊丸。経験豊富な出頭船長とおかみさんがヒラメやアイナメをはじめ、様々な釣りを楽しませてくれる船宿です。特にフグは高い人気を誇り、今年はピークと言われる夏を過ぎ、秋を迎えてもなお活性が高く好調をキープしております。
どんな釣りにはある程度のセオリーはありますが船長のレクチャーをよく聞くことが上達への近道!当日も出船前に様々な解説を頂き、その要点をまとめると以下のとおり。

・鋭い動きは控える

・ときおり空合わせを入れる

・活性で誘いを変化させる

・エサはワタの有無が重要

これらを抑えて釣りをすれば問題なく楽しめるとのこと。すでにカワハギや湾フグなどを経験したことのある人ならば、初挑戦でも全体釣果の中盤までは食い込めるそうです。また仕掛けに関してですが、船長の見解としては掛け針の個数や錘の色での釣果の差はほとんど現れないそうで、それよりも当日に合った誘いの見極めや手返しの速さのほうが差としては大きく現れるそうです。

また掛けバリですが豊丸では基本的に根の少ない場所を攻めるため、針先が直立し硬いものが掛かりも良くお勧め。

もし活性が低くて根回りを攻めるようならば、根掛かりを回避しやすい素材が柔らかく針先が内に倒れたキツネ型のものがお勧めだそうです。尚、根回りを攻める際は事前にアナウンスをするそうですので、仕掛けを変更するならそのタイミングでしましょう。

朝イチから高活性!

明け方の港を出て北上すること約30分。水深30mほどの砂地がポイントです。ポイントを選定すると、スタートのホーンと共に一斉に仕掛けが入りました。スルスルと出てゆくラインが止まり、糸フケを巻き取ると「コツ、コツ」と早速の当たり。スッとロッドを立てるように合わせるとグッと手応えが加わりました。カットウ針は返しがないので巻き上げ中の緩みは厳禁。一定の速度で巻いてくると途中でさらに重みが増しますが、これはフグが水を吸い込んで膨らんだ合図。速度を緩めずに巻き、水面まできたら抜き上げましょう。
当日はスタートから活性が高く、約2時間は入れ食いタイム。下ろして20秒以内に当たりが到来し、1分間何も無ければエサがきれいに無くなります。ロッドに現れるシグナルも明確なものが多いですが、もし察知できないようでも空合わせの間隔を短くすることで対応することが可能です。
常に船中の誰かしらのロッドが曲がり、樽のフグは溢れんばかりの状況。ダブルヒットもしばしば見られ、型も25cm級が中心とまずまずです。しかし船長に聞くと「これが普通」とのこと。改めて魚影の濃さに驚かされます。最初の流しで32匹のフグをゲット。何をしても掛かる状況で、数の差は手返しによって生じています。その中で光のがおかみさんの技術。手返しは勿論ですが、下ろしてから掛けるまでが非常に速い!本人は「適当にやっている」とのことでしたが驚異的でした。

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他にも外道でワカシやウマヅラハギなどがヒット。他にもカレイやホウボウが掛かることもあるそうです。

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そんな感じで入れ食いを楽しんでいましたが、徐々に活性が低下してきました。しかし、これからがゲーム性が高まり、更なる楽しみを生み出します。

活性低下で上がるゲーム性

それまでのある意味で単調な釣り方では当たりは遠のき、何もしなければいつの間にかエサがなくなる状況。それでも活性を探りながら誘いや聞きを入れると、合っていれば明確な応答が帰ってきます。

スローな中にも誘いの幅・間・強弱など様々な要素で当たりを拾う感覚はマルイカの直結仕掛けの感覚にも似ているかもしれません。少し高いタナでふわりふわり餌を見せて着底、2秒間を置いてスッと聞けばコツンと当たり!ここでスッと合わせれば針掛かりに至ります。
このような状況となるとがぜん強いのが常連さん。周りがペースを落とす状況でも変わらず掛け続けていきます。パッと見はほとんど誘っていないように見えますが穂先を注視してみるとテンション変化が見て取れ、ウネリを利用しながら微妙な仕掛けの動きを演出しているようです。そして魚からのシグナルを感じれば間髪入れずに合わせ!説明にするとこのような感じですが実際は遥かに複雑な動きになっています。
私も似たように誘いの静動を緩くして穂先の変化を注視してゆくと次第に当たりも回復し、バケツの中身が徐々に増えていきました。

下処理サービスで楽々♪

低活性でも当たりの出し方がわかってくれば楽しさは倍増!試行錯誤をしながらどんどんフグを釣り上げてゆきます。当日のフグのサイズは25cm級が多く、ピンポン玉と呼ばれる小型は交じりません。そうなると俄然やる気が出てしまいペースがどんどん上がっていきます。通常の釣りならば大漁に喜ぶも、帰ってからの処理を考えると頭が痛くなるところですが、フグ釣りにおいてはその心配は無用。船宿さんが全てのフグの下処理を行ってくれます。もちろん、その白身は絶品です。

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釣期は1月頃まで

好釣果が続く鹿島沖のショウサイフグ。当日も好調で20~40cmのフグが27~110尾。例年では年明け頃までの出船だそうです。ショウサイフグは専用ロッドも多く存在しますが、カワハギタックルでもOK。初めての方はレンタルタックルの用意もあります。仕掛けも豊丸オリジナルが用意され、私も使用し73尾の釣果を上げることができました。船にはおかみさんが中乗りのとして乗船し、船長と一緒に釣り人をサポートしてくれます。鹿島までは東京都心部から高速道で2時間ほどです。ぜひ茨城の海でフグ釣りを楽しんでみてはいかがでしょう?

鹿島新港 豊丸
℡0299-69-3319
ショウサイフグ船 11000円
(餌2パック・氷つき)

[タックル]
極鋭ゲームセンサー165
メタニウムMg7 左
PE1.5号100m
豊丸カットウ仕掛け25号

超大型も回遊!近海キハダ・クロマグロ

2011/10/14

今年はマグロの当たり年!?近場の釣り場でも100kg級が飛び跳ね、一度ナブラが発生すれば海面が真っ白になるほどの群れの規模。こんな年があったでしょうか? 相模湾・伊豆南沖にてそれぞれ大型のキハダマグロ・クロマグロが楽しめます。

大型狙いに実績抜群!ルアーキハダ

過去に例の無いほど大型キハダマグロの釣果に沸いた相模湾。水温の低下と共に釣果は下降線を辿りはじめましたが、まだまだ50kgを越す大型の確率は残されています。
キハダの群は初期より偏食傾向が出てきており、大型ナブラでバシャバシャやっていてもパターンが合わなければ全く食わない事も多々あります。
現時点では14cm前後の沈下系に分があり、ナブラに投げ込んでフリーまたはテンションフォール。またはアクションを抑えたストレートリトリーブが攻略パターンです。ある意味、初期のダイビングペンシルよりもアクションは簡単で、運任せの要素が大きくなっているので初心者でも大型キハダを食わせるチャンスは十二分にあります。
ただし、タックルバランスは万全でないと大型は勝負にならず、沈下系ルアーはサメのヒット率も高いので、その辺りは多少覚悟して挑むべきでしょう。

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これから本格化!コマセキハダ

今までルアーでの釣果が多く、歯がゆい思いをしていた餌釣り師の皆様には朗報。30kg前後までのキハダはコマセにも口を使いはじめました。9月中旬頃よりカツオ船にて「ラインを全て引き出された」「リールが煙を噴いた」などの事態が確認されはじめ、平塚庄三郎丸では先月遂に19kgのキハダが浮上!その後もポツポツとラインブレイクの情報が聞かれ、10月3日には、ちがさき丸で32kg、4日には庄三郎丸で33kgと24kgがしとめられました。
餌ではカツオ・キメジ船にて狙い、大型キハダを積極的に群を追うことは希です。しかし大抵の場合はルアーマグロ船が見える範囲で釣るので、船下に入ってくる確率は十分! カツオの食いがポツポツ程度に低下した時に掛かってくることが多いようです。カツオとキハダは同じ箇所で掛かることが多いですが専門に狙うなら「タナは40~50m」「縦にコマセの帯を作る」「オキアミは目一杯つける」など押さえるべきポイントがあります。掛かってからはパワーもスピードも桁違いなので遊動天秤も有効です。最近ではカツオ船で狙わせてくれる場合も多くあります。周りの協力無しにしとめられる獲物でもないので、専門で狙う際には必ず船長や両隣に伝えておきましょう。

釣り・食ともに最高峰!クロマグロ

釣果の下がりだしたキハダに対して釣果が上昇しているのはクロマグロ。水温が25℃まで低下してきたこともあって、今までポツポツ程度の釣果だったクロマグロたちが一隻で複数本ゲットも当たり前の状況になりました。
目下サイズは50kg級が中心で、中には60号ハリスを一瞬で引きちぎる大型も回遊中です。現在マグロが追っているエサは小型のソーダガツオ。故に群の移動が早く、ルアーで追い回すよりエサ釣りで来そうな位置を流すほうが確率は高いようです。回遊しているタナは40~60m前後。エンジン音を嫌っているようで船下通過時は若干下がる傾向にあります。

・餌釣り
活サバを付けての完全フカセが一般的。最近では回遊層に合わせてPRノット部などに錘を付けるパターンも確立されてきました。当たりがあったら30~50m走らせてからドラグを入れて合わせます。ファーストランは強烈でもクロマグロは意外に簡単に寄ってきます。しかしスタミナを温存している場合が多いので水面付近に上がっても油断は禁物です。

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解体サービスつきの船宿も!

やっとの思いで釣り上げた大型マグロ。大きな感動を得るもすぐに直面する解体の手間。慣れないと大作業となりがちなマグロの解体ですが、一部船宿ではサービスの一環としてきれいに捌いてくれます!大きなマグロをそのまま持ち帰るのもインパクト抜群ですが、捌かれて柵取りされたマグロのほうが家族受けも良いでしょう。帰ってから配りに回るのも楽々♪ 最高のファイトと最高の食味を味わえるのもマグロ釣りならではですね!

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高水温を好むキハダは例年10月一杯、クロマグロはサンマが南下するこれからがベストシーズン! 回遊魚は情報の鮮度が重要です。チャンスが訪れたら迷わず釣行しましょう。

秋の大物!東京湾ワラサ好調

2011/09/22

今期もコマセについて大いに盛り上がっている剣崎沖のワラサ。特に今年は太っており食味も抜群!強い引きで船釣り屈指の人気を誇る回遊魚を狙ってきました。

剣崎沖に回遊中!

現在の釣り場は剣崎沖と久里浜沖。今回お世話になったのは松輪の成銀丸。大型船2隻を含めた4隻で乗合・仕立に対応し、船着き場からも近い船宿です。マダイ・ワラサ・イサキなどのコマセ系からイカ・カワハギ・ライト深場など四季を通して様々な釣り物を楽しませてくれます。
当日もワラサ船は4隻出し! レンタルタックルも完備され、初心者でも気軽に楽しむことが可能です。

港での注意点

関東屈指の出船数を誇る松輪江奈港。大型駐車場はあるものの、ワラサの時期だけは時間ギリギリでの到着は厳禁です。当日は平日にも関わらず4時(出港2時間前)の時点でほぼ満車になるほど。土・日・祝日ですと3時がボーダーラインです。
松輪の出船スタイルは独特で、船や船宿にエサや氷は置いていません。ぜひ、船宿や船での支払いの際に、コマセの購入方法を聞くようにしてください。

ただし、オキアミの使用できる量は1人3kgまでと規定がありますので、それ以上持ち込むことはできません。受け取ったオキアミブロックはしっかり凍っているので、自分のものであるよう目印を工夫して(なくなるトラブルも多いようです)漁協前のプールや船のバケツで溶かし、すぐに使えるようにしましょう。松輪のオキアミは網袋付きなので溶かすのは簡単です。

船の位置は替わりますので、自分の乗船する船が「何処で何丸で何号船」なのかは確実に把握しておくことが重要。そうしないと混雑した広い港で苦労することとなります。

この時期は出入港時に「ワラサ渋滞」と呼ばれるほど!凄まじい盛況です。

釣り場到着までの準備

5時半には岸壁を離れ港前に浮かぶ各船。そして6時と共に一斉にスタートし釣り場を目指します。50隻以上の船がレース状態となるこの光景は松輪ならでは。なかなか迫力のあるシーンです。速い船ほど良い根や反応に入れやすくなるので各船とも飛ばします。
それだけに注意が必要なのが釣り座周り。不安定な物や軽い物を置いておくと落下したり吹き飛ばされたりします。コマセバケツなども釣り場に到着するまでは内側に入れておきましょう。また、このとき実に多いのが仕掛けのトラブル。長いワラサのハリスをそのまま床に垂らしておくと絡むばかりか、流れてくる水バケツなどの重量物で潰され傷つき、朝一のチャンスから切られるトラブルにみまわれます。ですので、ハリスは出船直前に伸ばして癖をとったらスプールシートに巻いてトラブルから保護しましょう。

朝一はチャンスタイム

港から約10分。朝一は剣崎沖からスタートです。減速したらビシにコマセを詰め、ハリスを伸ばしてエサを付けてすぐに投入できる状態で待機します。ワラサ船での指示タナは上からのビシ位置指示。これはハリス6mを基準としているので、もし長さが違うのならタナを修正しましょう。ワラサの魚探反応は底から5mにかけて出ることが多く、活性が高いときほど上がり、低いときほど底に貼り付いています。
やがて反応を捉えて減速し、投入合図が出されました。いよいよスタートとなります。釣り方のセオリーは指示ダナに対してハリス分下ろし、ハリス長の半分の位置と指示タナまで戻したところで、それぞれコマセを振りアタリを待ちます。すると朝一のチャンスタイムは次々とロッドが海面に突き刺さってゆくでしょう。
次第に大船団が形成されて各船からコマセが撒かれるので、早いうちが勝負です。ここでどんどん数を稼ぎましょう!

効率化で手返しアップ

朝一は船内複数本ヒットが当たり前のワラサ釣りでは船内お祭り騒ぎとなります。強い引きを味わいながらヤリトリを楽しむことが、この釣りの醍醐味といえるでしょう。ただし、混んでいる船上はオマツリも多発し、ゆっくり釣っていては船内全員に迷惑をかけることになりかねません。手返しが数の差になります。掛けて素早く上げるコツ、また隣同士で必須となるタモ入れを解説してみましょう。

・ポンピング不要
マダイ用の流用など弱いタックルなら仕方ありませんが、しっかりとワラサ用タックルを使っているのならポンピングは不要です。引きに対抗できるよう腹にバットエンド(竿尻)をあてて、ロッド角度を50°前後に保ちゴリゴリ巻き上げます。ハリス8号以上でロッドのしなりがあれば、これで切られることはほとんどありません。ポンピングをするとリールを巻きとる際の緩みでワラサが反転して走られる事が多く、オマツリを発生させ手返しを遅らせる原因となります。

・タモ入れの注意点
ワラサはそれなりのサイズなので最後はタモ入れが普通です。この時の注意点として「網は海中に入れない」「魚を追い回さない」が鉄則。素早くすくったら釣った人へタモを渡しましょう。また自分がタモ入れしてもらうときはハリスを緩めず魚を誘導し、網に頭が入ったら緩めて奥まで誘導しましょう。またオマツリ状態で上がってきた場合はワラサを先にすくって、オマツリ解きに入ります。声をかけ合ってだれとオマツリしているかを見極め、海面に近い方から順次解いてゆきましょう。

常連さんのテクニック

どんなときでも他の乗船者に差をつける。常連者には通い込みによって育まれた技があります。今回の乗船でもそのような技を垣間見ることができましたのでご紹介しましょう。

・ゴムクッション不要
ワラサで標準装備ともいえるゴムクッション。ハリスを保護し急な突っ込みをかわすアイテムです。ですが慣れれば不要とのこと。その理由は「合わせが甘くなる」「専用ロッドは角度を保てばクッション性は十分」「手返しが遅くなる」とのこと。クッションの伸縮性はハリスを守りますが反転の隙も与える要因となるようです。

・短ハリス&大型ハリ
コマセ釣りでは付けエサとコマセに同調したときが最も食う確率が高まります。しかし長ハリスでは同調するまでにタイムラグが生じます。そこでハリスを短くし同調までのタイムラグを減らし、すぐに食わせてゆきます。
また通常よりも一回り大きいハリを使用することで掛かりを深くし、不意に掛かるブリ級にも完全対応。ゴムクッションがないので太軸でも深く確実に刺さります。

・タモ入れ不要
ワラサのサイズは最後はタモ入れが普通です。ですが常連の方はガンガン抜き上げます。これはタモですくうとハリやハリスが網に絡み、手返しを遅らせる要因になるためです。水面でのバラしが怖いところですが、見ているとほとんどバラさず抜き上げてゆきます。これはハリがしっかり刺さっているためで、先述の2項目が大きく影響しています。

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このような事の積み重ねが最終的に大きな数の差となってあらわれます。実行して直ぐに成果を残すことは難しいと思いますが、効率化を図って釣果を伸ばしてゆきましょう。

竿頭のコマセワーク

常連さん達がどんどん数を重ねる中で、その中でもズバ抜けた釣果を上げたの石田さん。成銀丸でもトップクラスの腕前で、過去に『達人さんのナイショの 引き出し』のコマセマダイにも出演されています。
石田さんのコマセワークはコマセの塊を縦に配置し、ワラサを下から突き上げさせるように食わせます。ワラサはコマセの密度の高いところに突っ込む魚なので、下から見ると縦に連続したコマセの塊は一つの非常に濃い塊に見えるのかもしれません。これと先のテクニックで当日も早揚がりながら13本の釣果を上げられました。

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剣崎・久里浜をまわって早揚がり

剣崎で2時間、久里浜で2時間とまわって船中全員釣果で1~13本。私も7本の釣果を上げることができました。暑くなって食いも落ちてきたので船内意見一致で早揚がりです。
今年のワラサは太って型揃い!脂も乗って、群も大きいので釣っても食べても楽しめます。出船港も多いので思い思いの場所から狙うことができるでしょう。秋の代表的回遊魚ワラサは今がチャンスです!

松輪 成銀丸
℡046-886-1719
コマセワラサ船 8500円(コマセ・氷別)

[タックル]
ロッド:マッドバイパースティング240M
リール:電動丸4000HP
仕掛け:ステン缶L80号・カモシ天秤・カモシライン
ハリス(フロロ)8号6m・ヒラマサ針14号