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釣趣最高!シーズン序盤のマルイカを狙う

2012/03/02

ここ数年で春から夏、関東周辺の沖釣りテクニカルゲームの代表格となったマルイカ。釣り人の技術がダイレクトに釣果へ現れ、様ざまな引き出しを用いて数を競うスタイルは秋から冬のカワハギに並ぶ人気ターゲットです。昨年の不調で今年は心配されましたが、1月末より相模湾にて開幕、釣り人を熱くさせています!

マルイカとは?

関東でマルイカと呼ばれるイカの標準和名はケンサキイカ。地域や季節による変異の大きな種で、多くの地方名を持つイカとしても有名です。近海内湾で釣れる太身で短い関東のマルイカ、駿河湾のジンドウイカ、外海で細身で大型に育つ伊豆諸島のアカイカ。外房のアカイカは内外湾の中間的な存在かもしれません。そのほか、日本海側の本家ケンサキイカのほか、小型のブドウイカなどが知られています。

生物学的な特徴のほか、多くの地方名を持ち、また地方名と同一の正式名称を持つイカが存在することから誤解しやすいので注意しましょう。食べては甘みが強く、ほどよい歯ごたえが非常においしいイカで、大きく成長してもおいしい、というより、大型のほうが食味の評価が高く、食通にも大変人気があります。

地域による差が大きいイカです。

3種の仕掛けを使いこなそう

釣って楽しく、食べておいしいマルイカ。しかし昨今の細分化された仕掛け形式やスッテ、そして釣法から敬遠されている方もいるかもしれません。
ただ釣るだけなら適当でも釣れますが、遊びとして釣りをするのなら全力で楽しんでいただきたいところ!簡単に各釣り方に触れてみましょう。

【ブランコ】
難易度 低
釣趣:オートマチック
適合ロッド:仕掛けの汎用性が広いのでロッドの調子をそれほど選びません。鋭い操作を必要としないので7:3調子ぐらいのロッドを用いられることが多いです。
適:潮流が速い・深ダナで高活性・イカ釣りに慣れていない
不適:潮流が緩い・浅ダナで低活性
浮力を持ったウキスッテを用いた仕掛けで、潮流になびいてイカを誘うため「タナを広くゆっくり」と比較的簡単な誘いで釣ることができます。
スッテの安定性も高く、ウネリが潮流があるときに有効で、ハリスが長いためバレは少く、深場でイカが高活性なときなど、一回の投入で数を稼げます。初心者におすすめ!
ただし、繊細なアタリをとらえて掛けるゲーム性は少ないといえるでしょう。

【直ブラ】
難易度 普通
釣趣:セミオート
適合ロッド:ダイレクトなアクション入力ができる8:2調子以上の先調子のロッドが好まれます。カワハギやカレイロッドのような鋭敏な穂先を持つものがよいでしょう。
適:様ざまな状況に対応。迷ったらコレ!
不適:安定感を持つため突出したものはない
浮力のないスッテを1センチ程度の短いハリスで接続した仕掛けです。近年のマルイカ釣りの標準仕掛けといえるでしょう。
短ハリスによって釣り人の誘いがスッテにダイレクトに反映されるので「釣った」達成感が味わえます。ただしブランコに比べて仕掛け操作を要求されるので、誘いやバレ防止は釣り人の技量が問われます。

【直結】
難易度 高
釣趣:マニュアル
適合ロッド:ダイレクトな操作性と感度を優先させるため極先調子のロッドが好まれています。近年は1.5メートル前後のショートロッドが流行です。
適:微細な乗りが多い・浅ダナ・イカ釣りに慣れている
不適:潮流が速い・タナが深い・オマツリが多い
ハリスが全くなく、浮力のないスッテや重たい鉛角を使う仕掛けです。特徴としてハリスがないため高感度・高手返しを誇り、最も「釣った」という達成感が味わえる仕掛けです。
ただし要求される技量も高く玄人好み。使いこなせれば竿頭級の釣果を狙えますが、ラインの弛みは即バレに繋がりますので要注意です。ウネリが大きいときや潮流が速いときには苦戦を強いられます。

ライトorノーマル?タックルに対する考え

様ざまなイカ釣りでもマルイカは使用タックル差が大きい釣りものです。特にシーズン初期は「ノーマルタックルはオモリ80号。ライトタックルは60号OK」など船内で指定が違うことも多々あります。
これは60メートル以深の状況では電動リールを使う人が多く、その場合PEラインが平均3号前後とそれなりの太さで、オモリ80号が標準になります。それに対し、1号または0.8号の細さのPEラインを巻いた、いわゆるライトタックルであれば、ラインの潮切れがよいため軽めのオモリで釣りが可能になるわけです。
初心者は混乱しがちですが、船宿が意図する最も重要なことは「ラインが立ち、乗船者とオマツリしないこと」です。挑む際は自身のPEの太さ(細さ)タックルがノーマルなのかライトなのかを確認しておきましょう。
また先に触れた三種の釣法は難易度の高いものほど軽量タックルが有利となります。釣法でタックルを選んでも良いでしょう。

ここまで触れたタックルや仕掛けに関して、より詳しく知りたい場合は隔週刊誌「つり情報」やムックの「イカ釣り攻略マニュアル」をぜひご利用ください!

秋谷沖70~90メートルを攻める

他のエリアよりも一足早く釣れ始めた相模湾エリアを攻めるべく、お邪魔したのは茅ヶ崎の一俊丸。ノーマルタックルが多いシーズン序盤で、いち早くライトタックルで狙うスタイルで出船し、多くの釣果を上げている船宿です。


当日集まった釣り人は8名。昨年就航した大型新造船に乗り込み、後藤船長操船のもと秋谷沖のポイントまで航程30分ほど。皆、様々な策を練った仕掛けを用意し、マルイカ攻略を目指します。
ぐるり船内を見渡すと仕掛けの割合はシーズン初期らしくブランコと直ブラが多め。深場のマルイカを手堅く攻略するにはやはりそれでしょう。なので敢えて少ない直結仕掛けをセットし、それぞれの差を見るとします。
やがてポイントに到着すると投入合図が出されました。水深は70メートル前後からスタート。曇って雨もパラつく天候下でどのような乗りを見せるのか?まずはカメラを片手に様子見に徹します。
すると数流しは空振りがありましたがポツリポツリとブランコ仕掛けを使う人に乗り始めました。乗っているカラーは暖色系。仕掛け上部のスッテが多く、タナが浮き気味なのかもしれません。

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この傾向を踏まえて私もマルイカタックルを持ち釣りを開始します。周囲のタックルと潮流から判断し、PE1号を巻いたリールにタングステンシンカー40号をセレクト。重量に対し体積の小さいタングステンは鉛に比べて沈降速度が良好。加えて細PEラインは潮流の抵抗も少なく、底ダチを取ってからラインが吹かれないので微細なシグナルが鮮明に伝わります。
着底から50センチほど底を切り、ウネリを吸収しながらスッテを制止。すると直ぐにマルイカの反応が到来。モタレを捉えて合わせるとグンとロッドに重みが乗ります。
水深70メートルを一定速度で巻き上げると水面には当日のレギュラーとなる20cm弱が姿を見せました。
ちょうどプチ時合も到来し、船内至る所でマルイカが取り込まれてゆきます。慣れた人は手返しを進め、一流しで数杯ゲット! そして私にはマルイカを襲うアタリが2度も・・・。どうやら別のターゲットもいるようです。

直結仕掛けによる攻略

今回の私は直結仕掛けを使用。感度に優れたこの仕掛けを用いて、以下の通りマルイカを狙いました。

[動作]
着底したらすぐに底から0.5~1.5m離し、

仕掛けを5~10秒静止させ、触りなどの違和感を捉えるべく穂先を注視。

(2パターン)
・1シャクリ入れて5秒静止
・タタキを数秒入れ、その倍の時間を静止。
使い分けは活性と自身の疲労度にて。

上記を3~5セットして載せられなければ15m巻き上げて落とし直し、最初の動作へ。

[意識]
・動静を明確に
マルイカはスッテをきっちり止めたほうが乗るので、海中でのスッテの静止に注力します。また腕とロッドは水平に伸ばし、船の動揺を極力吸収します。

・ウネリ幅認識と感覚誤差修正
数十分に一度、オモリを底に付けた状態でラインを張り、ウネリの縦幅を計ります。それにより上記の動揺吸収の感覚と実測のウネリ幅の誤差を修正します。

・目線は穂先
スッテが完全に近い静止状態を保てれば、マルイカの動作がアタリとして出ます。
しかし、これを手だけでとらえようとすると、掛かるアタリは半分程度しか分かりません。そこで穂先を注視しアタリを目でとらえます。
主に取るアタリは
1.一瞬の弱振動(たぶんイカパンチ)
2.動揺停止(抱き込み)
3.引き込み(持ち去り動作)
で、これを捉えきれないと
4.強振動(蹴飛ばし逃げ)
となり、逃げられます。
手でとらえられるのは2~4で合わせるまでのタイムラグに1工程進みます。「あっ!」「逃げた!」「遅かった~!」などと騒いでいたのは3以降を捉えて合わせた為です。

これらを実行するとマルイカがスッテに興味を持ってさえくれれば大抵掛けることができます。ロッドの使い込みによる慣れも非常に大きな要素となりますが、ぜひ微細な違和感を捉えてみてください。

イカを襲う魚を狙う…

マルイカを数杯ゲットできれば土産は十分。となれば、これから相模湾を盛り上げるマルイカを襲う不届き魚はしとめておかねばなりません。
流しているポイントはオモリの感触から推察するに根に砂地が点在する形状のようです。そしてマルイカが襲われたのは底から3メートル弱。引ったくる形と咬みながら追跡する形。となれば前者は回遊魚かヒラメ、後者はマダイあたりでしょう。お誂え向きに頭上で鳥も旋回し、大型魚の存在を予感させます。
マルイカ釣りだけに選んだルアーはスロースクイッド。フォルムは完璧!後はターゲットに合わせた動きで狙ってゆきます。
・・・・・が、そう簡単には釣れませんorz 約半分の時間を費やしましたが釣果を得ることはできませんでした。しかし、マルイカ釣り場に十分な可能性を感じさせる有意義なアプローチとなり満足です♪

マルイカを〆てみよう

食味評価が高いマルイカを釣ったのなら、やはり美味しく食べたいところです。
持ち帰りまでの氷や真水などの保存方法に工夫を凝らす方は非常に多いですが、案外忘れられているのが〆です。
これをする事によってどのようなメリットが生まれるか?諸説ありますが、私が最も感じるのは当日の皮剥きが非常に楽になること。
よく釣りたてのイカの皮を剥こうとすると、千切れるばかりで上手くゆきにくいですが、〆てあるとペロンと剥がせて調理も楽に(なるように思います)。
他にも生きたまま袋詰めするより墨を吐かれにくい、袋内で噛み合うことがない。といったことのほか生臭くなりにくいとの意見も!
数が多いと大変ですが、余裕があるときはぜひお試しください!透明感の強いマルイカの刺身は一度食べれば病み付きです♪

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本格シーズンはこれから!

前半の乗り渋りでやや苦戦した今回の釣行。数日前より渋い日が続き、昨年の悪夢を予感しましたが翌日他船で好釣果も聞かれ、今後も大丈夫そうです。
テクニカルゲームが売りのマルイカはこれからが本番。日を追うごとに浅場へ移動し、小型も増えて釣り人の技量が問われるようになります。
逆に大型を釣って楽しみたいなら早めの釣行が吉!刺身では甘みの強く、火を通しても硬くなりにくい身は非常に美味です。
これから徐々に他のエリアも開幕してくることでしょう。2012年はマルイカの動向から目が離せませんね!

茅ヶ崎 一俊丸

LTマルイカ船 9000円

℡0467-86-7043

船宿ホームページ
http://kazutoshimaru.net/

Twitter @kazutoshimaru

[タックル]
極鋭ゲームセンサー165
メタニウムMg7 左
PE1号200メートル
マルイカ直結5センチ仕掛け
オモリ40号

ブラックPEを活かすフロロリーダーとザイロンチチワ

2012/02/17

深場釣りでメリットの多いブラックPEライン。内容は過去の【深海小ネタ】黒いPEと大型電動リール実釣比較の通りですが、マーキングが無いためにカウンター狂いや途中で電源が抜けてしまうと、残量が分からずヒヤリとする場面も多々あります。さらに快適に扱うにはどうすれば良いでしょう?

フロロカーボンのリーダー

先述のような状況で、カウンターの数値が当てにならない場合、最も怖いのは巻き込みによるロッドの破損でしょう。
いつ終わるのかわからない巻き上げでは気を抜くことはできず、ラインを注視する事となるため精神的にかなり疲れます。
そこで有効なのがリーダー(先糸)の取り付け。これを行うと結束部がガイドを通過する際に音と振動が伝わり、視覚的にも変化を捉えやすく、容易に仕掛け接近が察知できます。
先糸素材のおすすめはPEラインの約4倍のフロロカーボン。これだけの太さがあれば多少の事では切れにくく、同乗者の幹糸と絡んでも、太さでの判断が容易です。また太さにより投入待ちでの穂先絡みが激減。フロロカーボンであれば伸びも少なく感度も良好。吸水劣化もないので数回の釣行ぐらいは耐える強度も維持できます。
結束はPRノットなどの摩擦系ノットであれば強度低下も少なく、結び目も小さいのでスムーズなガイド通過が可能。これを4m以上つければ投入前はリーダーのみがリールから出ている状態になります。
利点が多いフロロリーダーですが、難点もあります。それは太番手のフロロカーボンは値段が張るということ。そしてオマツリの際に誤って切られやすいとことでしょう。また結束に慣れるまでは本来の強度を出すのも一苦労ですが、慣れれば非常に有効なのでぜひ試してみてください。

サルカン接続が容易なザイロンのチチワ

リーダーを結んだ際に面倒なのがサルカンなどへの接続。直結となると張りの強い太番手のフロロカーボンはかなり面倒。しっかり締めこめなければ抜けてしまうこともあります。
そこで有効なのがザイロンやケプラーなどを用いたチチワ作成。これを作ってしまえば通常のPEチチワと同じように容易にサルカンを接続可能。しかも覚えてしまえば泳がせ釣りの先糸作成にも応用できるので何かと便利です。
まず用意するものは以下の5点

・ザイロンもしくはケプラー ・編込用ニードル ・低粘度接着剤
・セキ糸 ・ヤスリ

今回はフロロリーダー50号にザイロンノット40号の組み合わせです。目安としてリーダーの号数に対し、ザイロンやケプラーは7~8割前後の号数を選ぶと良いでしょう。それでは組み立ててみましょう。

まずはチチワの全体の長さを想定してスプールより引き出しカットします。そしてカットしたザイロンより芯糸を引き抜きます。

次にチチワの股部のポイントを決めてニードルを貫通させ、先端の鉤にザイロンを掛けてループを作ります。


貫通部より3ミリほどずらして再び貫通させます。ここでチチワのサイズを確定させ、左右交互に6回ほど貫通させて編み込んでゆきます。

強度を出すためにも間隔が均一に、そして緩まないよう丁寧に作業しましょう。

編み込みが完成したらザイロンの端より編み込み直前までニードルを通し、残りを引き込みます。

リーダーの先端をヤスリで角を落とし、ザイロンの端より挿入します。引き込んで二重になっているところもしっかり通すようにしましょう。

ザイロンの端がバラけないようにセキ糸を巻き、接着剤を垂らし補強します。

以上で完成です。接着箇所が少なく不安を感じるかもしれませんが、負荷が掛かるとザンロンの繊維が締め込まれ強度を保ちます。逆に接着範囲が広すぎると締め込みを阻害し、強度が出ずにすっぽ抜ける恐れがあるので注意しましょう。

ちょっとした工夫で深場釣りはより快適になります。ぜひお試し下さい。

激ウマの新島沖トロキンメを狙う

2012/02/13

釣りをするのも億劫になるような寒い季節となりましたが、海の中では脂の乗ったおいしい魚たちが待っています。今回は深場釣りの代表格といえるキンメダイを狙いました。

本格的な深場釣りのキンメダイ

一口にキンメダイといっても仕掛けはご当地によって様ざま。今回挑む新島沖は本格的な深場釣り。使うオモリは鉄筋2キロ、ハリ数も20本以上でPEラインを1000メートル以上巻いたリールを用います。仕掛けも投入回数分+1必要となり、釣り場もそれなりに遠いので気軽にとはいえないかもしれません。しかし釣れる魚は大きく、脂が乗ったブランド物。一度食べれば病みつきで、数もそれなりに見込めるとあって挑む価値のある釣りでしょう。
最近ではクーラーのみで挑めるフルレンタルを設定しているところも多くあります。一泊二日ならば都心部から特急電車で向かい、フルレンタルで乗船して温泉に浸かって渋滞と無縁で帰るといったプランも。クーラーも発送してしまえば翌日には着きます。
参考までに今回乗船した船の料金は下記のとおりでした。他船もおおよそ同じぐらいです。
・乗船代 18000円 フルレンタル 30000円
・ロッド&リール レンタル 3000円
・エサ付き仕掛け20本ハリ 1組1200円
・鉄筋オモリ1ヶ 200円

高額な超重量級タックルもフルレンタルなら楽々!気軽にチャレンジできます

ご当地のキンメダイ釣りの規定

今回お世話になったのは遠征釣りと深場釣りを得意とする手石のT丸。大型遠征船は風浪に強く、冬の荒れ気味の海であっても快適な釣行が楽しめます。手石から釣り場の新島沖までは約1時間ほど。明け方前の暗い時間からの出船となります。
新島沖のキンメダイを狙うにあたって釣り場の規定を整理してみると以下の通り。
・1日7回投入
・ハリ数25本まで
・サンマエサを使用する場合はハリ数15本まで
・遊漁船は6時20分スタート
とくに特エサとなるサンマを使用する場合はハリ数に注意しましょう。
4名の釣り人を乗せて新島沖に着いてみると40隻近い船が回転灯を回しながら浮かんでいます。船長に聞いてみるとこれらの船は漁船だそうで遊漁船より早い6時から釣りをしている模様。こちらも場所を定めて投入準備をしたいところです。

好釣果を期待した1投目

海域をぐるぐる回りながら反応を見つけだし、ようやく投入合図が出されました。朝の一投目は非常に重要です。それはこの1投が釣果の半分以上を稼ぐマズメ時の投入だから。300メートルを切るお土産釣りようの場所だけに釣果に期待が膨らみます。
前方から順番ごとに投入するスタイルで順番がきたらオモリを海面にそっと落とし、治具からパラパラと20本のハリを送り出して海底を目指します。2キロの鉄筋オモリは沈降速度も中々で水深280メートルまでスムーズに仕掛けを届けてくれます。着底すればガツガツと穂先を揺らすアタリを待つばかり。期待に胸を膨らませその時を待つのですが何故かアタリが一向にきません。時折、仕掛けを10メートル浮かせて落とし直し、位置を変えるもキンメとは明らかに違うアタリの振動を捕らえるばかりです。
いつまでもアタリが来ない状況に船長もたまらず回収指示。上がってきたのは案の定カラスザメやオキメバルばかりでムツを捕る人もいましたが本命キンメダイの姿はありません。

2投目から深場へ

「今日は最悪の日だ・・・」移動寸前にぼそっとマイクで呟く船長。たしかに朝一の流しで船中キンメ0枚では凹みもします。この状況に船長が選んだ選択は深場で型勝負。せっかくブランド物となる大型トロキンメを狙いにきているのですから狙うは2キロオーバー!数よりも型狙いのほうがしっくりくるというものです。
2投目の水深は420メートル。通常ならば掛かっても1・2枚程度の拾い釣りになる事が多いところですが早めに攻めたのが良かったのかもしれません。着底と同時に全員にアタリが出始め、穂先は鋭さのあるシグナルを捉えています。「アタった人はどんどん伸ばして~。張ったらダメだよ~。」と船長からアナウンス。掛かったらオモリを着底させ引き延ばすのがご当地のスタイル。キンメは群れているのでラインを張っていては掛かった魚は群から離れてしまいます。そこでラインを伸ばすことで群の位置を外さず、さらなる追い食いを目指すのです。
アタリも次第に派手さをましてきました。出したラインは50m程。それなりに食っていることでしょう。やがて巻き上げ指示が訪れ、電動リールが動き始めるとロッドはしなり生命感にあふれたカーブを描いています。巻き上げ中に注意したいのはドラグの設定。キンメは口の膜が弱いので、この部分に掛かった状態で荒く巻いては簡単にバレてしまいます。そこでウネリを通過するときに回転が止まる程度にドラグを調整し、毎分60メートル以下のスピードで巻き上げてゆきます。
徐々に巻き上げて径の大きくなったスプールにたいしドラグを微調整しながら、ようやく海面に上がった仕掛けにはキンメの姿♪ 水面でバラしたら潜っていってしまうので隣同士または仲乗りさんに網を構えてもらい、スムーズ手繰って船に取り込みましょう。この流しでは私は4枚。多い方は10枚のキンメをしとめました。身が厚く、ずっしりとした重量感のある魚体に思わず涎がこぼれます。

一度の投入で大漁!これこそキンメダイ釣りの醍醐味♪ 僅かの差が釣果に顕著に表れます

中オモリをつけて高釣果を狙う

思いの外、良い釣果だったので3投目も同じ場所を流します。そこで先の流しで回収時に仕掛け下側の掛かりが良かったので中オモリ50号を追加。これで仕掛けを低めに這わせれば更なる釣果が望めるかもしれません。期待を胸一杯に投入すると着底寸前からアタリが到来。思った以上に高反応でオモリを下ろしスルスルと糸を伸ばして追い食いを促します。暴れる魚信の中でも一際鋭いものは追釣の証。仕掛けが低くなりすぎないイメージで80メートルほど送り込んだところで回収指示。徐々に電動リールへ負荷が掛かり、ロッドも大きくしなってゆきます。これは期待が持てそうです。ドラグの微調整もよりシビアに行い、今か今かとワクワクしながら巻き上げること約10分。水面まで到達した仕掛けを手にとり海中を覗きこめば、複数のキンメが鯉のぼりのように連なっています!慎重に等速で取り込み、1枚落とすものの7枚のキンメをゲット。そのキンメは仕掛けの半分より下ばかり。中オモリの作戦成功といえるでしょう♪

思惑どおりに追い食い成功!ちょっとしたことも気づいたら実行して釣果に繋げましょう

水中ライトの有無が釣果の差に

4投目以降はさらに深い480メートル以深を攻めます。この流しに入る前に「水中ライトのを持っている人は付けてね」との指示。・・・・・・やってしまった。水中ライトは持ってきてないです。
かといって水中ライトが無ければ全く掛からないという事はありません。先ほどと同じように下ろせば直ぐにアタリは拾えます。しかし、そこからの追食いには顕著な差が・・・。ポツリポツリと散発に魚信は捉えるものの、持っている人のロッドはギュンギュン引き込まれています。キンメにしては鋭い突っ込みですが、間違いなく赤い魚のアタリです。
そして回収されて上がってきた仕掛けには私はキンメが少数、水中ライト装着者はアコウダイが複数浮上!サイズこそ小型ですが一つのアイテムが大きく釣果を変える良い例です。さりげなく若船長は3.5キロのクロムツを上げていますし・・・。今度は忘れないようにしたいと思います。

2種類の大物に遭遇

水中ライトが無くとも取りあえずキンメは釣れるので、そのまま続行するとします。しかしアコウダイは捕りたいですね。掛かっていた針は下寄りの針であることから浮いてはいないようです。6投目は500メートル超。だいぶ深くなってきましたが、まだまだ釣れそうな気がします。底取りと共に魚信を捉えたので今度は大きく送り込みを開始。ドンドン出ていくラインによってカウンターの表示数は750メートルに。それでも僅かでも可能性を高めるべく送り続けると、凄まじいアタリが到来!キンメ・アコウの類ではないことが明確な強烈な重量感ながら鋭い引き込み。これはもしやとドラグを緩めると「ボウズだ、ボウズ!」と隣の常連さんが叫びます。
アブラボウズ。深海巨魚の一つで最大重量は100キロオーバー!さらに食べて美味しく、水面でも腹を見せないタフネスな魚です。この魚が掛かってきたというのなら全力で相手をしなければなりません。使っている仕掛けのハリスはわずか12号。ロッドの重量感から20キロ以上は確実にありそうなので相当慎重にゆかなければ確実に切られるでしょう。そこでウネリの下がりのみに巻けるようドラグをセット。時間は掛かりますが上がるのなら最善策でゆくとしましょう。
周りが次々と上がってくる中、こちらはまだ400メートル以上出ている状況。時間的な焦りが生じ始めたところで、隣の釣り人のラインが強烈に引き込まれ、水面には巨大な魚体がジャンプしました!

「メカジキだーっ!!銛を出せ!!!」

船長の一声に若船長と仲乗りさんが素早く動きます。見えた魚体は3m弱といったところ。まさかのカジキ登場に釣り人たちは固唾を飲んで動向を見守ります。しかし残念ながらラインブレイク・・・。「100キロ無いぐらいだったな~。噴に仕掛けが巻いてれば獲れたが・・・」それでも迫力あるゲストの登場に船内は沸き上がり、残る私のロッドの獲物にも注目が集まります。そして深海からジワリジワリと最後は手巻きも併用しながら渾身の巻き上げ。水面下に大きくユラリと白っぽい影を見せて上がってきたのは
「バラムツかぁ~。残念!」とバラムツでした。それでも165センチ40キロ近い大物!普段この魚を駿河湾で狙う私にとっては自己記録更新となりました♪ そしてバラムツの下には良型キンメが1枚に切られたハリスが数本。良く見ると上がったキンメにも齧られた跡があり、「さっき真っ二つのも上がったけど、これも危なかったね~」と、どうらバラムツの群れが回っていたようです。「でもボウズも出る場所だから油断はできないよ」とのこと。メカジキ・アブラボウズ・バラムツなど、離島の深場は大物の夢が豊富に詰まっているようです!この流しでは大物遭遇もありましたが水中ライトを付けていた人は良型キンメやアコウダイを追加していました。

たとえロッドが折られても、ラインが切れずに魚が上がれば釣り人の勝ちです!

トロキンメは今後も有望

先の取り込みでロッドが破損するアクシデントに見舞われながらも最終投入まで漕ぎ着けました。折れた穂先ではアタリを捉える事は不可能なので、着底後はPEラインを手に「手釣り」スタイルで狙ってゆきます。しかしウネリを吸収しながらのライン捌きは予想以上に大変で、船酔いの悪夢が…。それでも何とか小さいアタリを捉えて送り込み、最後はミニアコウをゲットできました♪
新島沖のキンメダイは昨年末より好調をキープ! 良い日はトップ40枚以上の釣果となる日もあります。大雑把な釣りに見られがちですが、仕掛けやライン操作などに工夫を凝らして釣果を伸ばすゲーム性は中々です。深海から連なって上がってくるキンメダイは非常に美味しく、アフターフィッシングも高評価!ぜひとも狙ってみてはいかがでしょう?

[タックル]
・ディープライナー250ー200
・コマンドX9HP
・PE12号1400メートル
[仕掛け]
・ムツ19号 20本
・ハリス12号 70センチ
・幹糸30号150センチ
・ゴムクッション3.5ミリ1メートル
・鉄筋オモリ2キロ 中オモリ50号

お手持ちのタックルで始められるスロージギング

2012/01/12

最近流行のスロージギングは、いわゆるスタンダードなジギングに比べて力を必要とせず、また、従来ジギングで釣れなかったような魚もよく釣れるのが特徴。しかも、ライトアジやライトマルイカなどのタックルの流用もできるため、普段エサ釣りを楽しんでいる人たちにもおすすめ。注目を集めているとともに、大きな可能性を持った、新たな釣り物です。

エサ釣り視点からみたスロージギング


80~150グラムまでのメタルジグを操る近海スロージギングのタックル。ロッドは弾性の強い専用品やインチク用で、リールシートからバッドエンドまでが長く、脇で挟みで固定できるモデル。現在、専用品が各社から発売されていますが2~5万円のモデルが多く、やや割高感があります。
リールはアルミ合金製などの高剛性でドラグ力に優れた小型モデルが中心でギア比の高いモデルが瞬間的に力を加えやすく操作性が良好です。
ルアー風の説明を聞くと何とも敷居が高そうですが、噛み砕いて考えてみればそれほど難解なものではなく、親しみやすいものです。

・ロッド

オモリ40号前後ビシをしっかり振れる、張りが強めのライトアジや、ライトウイリーに使える竿が目安になります。
胴の張りが強く、竿先の感度にも優れる直結・直ブラ用のマルイカロッドもOK。脇挟みしやすいロングバットがおすすめで、軽量ならなおよいでしょう。
一例をあげると、 アルバトロスフラフラM、ライトゲームCI4アレグロ82、ベイゲームマルイカなどがあります。ファイトの際のテンションコントロールがきちんとできるのならカワハギ専用竿でもいいぐらいです。

・リール

PE1.5~2号を巻いた小型両軸、たとえば、カルカッタやミリオネア、カウンター付きモデルもいいですが、できるだけドラグ性能に優れたモデルがおすすめです。
電動丸400Cやレオブリッツ150のような小型電動リールも「あり」です。

・道糸(メインライン)
近海スロージギングのメインはPE1.5~2号を150メートル以上。色分けと1メートルごとのマーキングがあるものが見やすく、フォール中のアタリも見逃しません。

・先糸(リーダー)
道糸の先端に、フロロカーボン20~30ポンド、号数でいえば5~8号を3~4.5メートル直結します。

いかがでしょう? 該当するタックルを持っている方が意外と多いのではないでしょうか? そして操作も簡単で疲れにくいハンドル巻きのみ。メタルジグさえそろえれば、すぐにスタートできます!

タナへの意識が釣果の分かれ目

スロージギングの実釣をする上で大切なのが「タナ」つまり食ってくる位置を探し、把握することです。
前回乗船した征海丸船長によると「エサ釣り師はタナ取りに慣れていて、数十センチの差で食わないシビアな違いを経験で理解している。それはルアーの追って食わせるのと違い、上下の移動速度の遅いスロージギングでは強みになるんです」とのことだった。
魚を掛けてからの注意点ですが、スロージギングではロッドを立ててのファイトはNG。スロージギングで使われるロッドは胴にそれほどクッション性がないため、無理に立てるとラインかロッドが破損する恐れがあります。ファイトはロッドを水平からやや下げ気味までの間で行い、リールの性能で魚と勝負しましょう。

スロー専用のメタルジグ

メタルジグはどれを選べばいいか非常に迷うと思います。そこで個人的見解ながら「これがあれば大丈夫!」とおすすめできる専用メタルジグをご紹介しましょう。

・ファルコンZスロー
関東では非常に人気があるジグの一つで、スロータイプの設計ながら沈みが速く、底取りが容易にできます。メリハリの利いたアクションで初心者でも安心。流通量も多く、ウエイト・カラーのバリエーションも豊富です。ロッドが高弾性なら断然お勧めです。

・バックドロップ
「初心者でもジグを簡単に横へ向ける」をコンセプトに開発された操作性抜群のジグ。値段も安価で流通量もまずまず。そして確かな実力をもつ実戦向けジグです。裏面の独特のキールが特徴で少ない移動距離でジグを横に向け、ターゲットのバイトチャンスを作り出します。少々ロッドが柔らかくても扱いやすいでしょう。

・スロースクイッド
見るからに「イカ」といったこのジグ。奇抜なフォルムが多いスロージグにおいても異端児です。スローなアクションにタコベイトの艶めかしい動きが加わり、インチクと合体したモデルといえるでしょう。沈みは遅いですがフワリフワリとした誘いは強烈です。

出船船宿も増加中

ライトアジやライトマルイカのタックルがあれば、メタルジグだけでチャレンジできる方も多いことでしょう。
そしてブーム到来とともに受け入れ船宿も徐々に整いつつあります。気軽に楽しめるスロージギングを身近なエリアで楽しんでみてはいかがでしょう?

[スロージギング:つり情報 提携船宿]
波崎 征海丸 0479-44-4757
平塚 庄次郎丸 0463‐21‐1312
網代 森竜丸 090‐1620‐1988
伊東 はるひら丸 0557-37-4250

ご当地釣法で外房ヒラマサを狙う!

2011/12/07

近年オフショアゲームで大きな盛り上がりを見せているヒラマサ。一昨年、外房大原にて世界記録が更新されたのも記憶に新しいことでしょう。エサ釣りではオキアミによるコマセ釣り、そして大型に効果的な泳がせ釣りや、近年流行の落とし込み(食わせサビキ)釣りなどがあります。しかし古くからヒラマサを狙う外房は独特のご当地釣法があります。

サンマのミンチがヒラマサを寄せる

外房ヒラマサのご当地釣法「カモシ釣り」。独特な道具立てでナイロンラインの道糸に遊動テンビン、カモシ袋といわれる靴下のような袋にサンマのミンチを詰めて狙います。付けエサもサンマのブツ切り・生きアジ・イカなどが使われます。使い分けとしては以下の通り
・サンマぶつ切り
万能エサでヒラマサはもちろんタイやハタなど様々な魚が食ってきます。中骨を抜いてU字に反転させ、切り身の腹側端同士を重ねてハリを刺します。
・生きアジ
外海から入ったばかりの新群に効果的。ミンチに反応が薄いときはこのエサ。ハリから1メートルほど上に20号程度のオモリをつけます。
・イカ類
サンマへ反応が悪い時や大型に効果的。小型なら1杯、中型以上は半割りの目付きゲソにして使うと回転せずに海中で安定します。
サンマとイカは一緒につけても効果的です。状況を見ながら工夫して使い分けましょう。
サンマミンチは水でカレーぐらいの硬さに溶いて、ポンプや柄杓でカモシ袋に詰めて使います。ロッドの硬さやラインによる放出量は主にミンチの硬さで調整します。
ハリスは最も迷うところでヒラマサなら8~16号を4.5~9メートル(3~6ヒロ)までの間で選択し、当日の魚の活性によって号数や長さは調整します。ヒラマサ狙いの標準は12号6メートルで、青物は短く・マダイは長くが基本となります。

まずはアジ釣りからスタート

お世話になったのは外房沖津の第二沖合丸。今年は初夏~梅雨時期の大型イシナギのラッシュで注目を集め、カモシのヒラマサでも十分な実績を誇る船宿です。
今回は7名の乗船者を乗せての出船。まずは港前での生きエサとなるアジ釣りからスタートです。興津港周辺はアジのも豊富で、港口で探見丸にはかなりの反応。コマセがなくとも続々とサビキ仕掛けに掛かってきます。特に明け方の光が入ると活性は一気に高まり、入れ食い状態となるほど。ここで手早くアジを確保したら、カモシ場へと移動となります。


反応の濃いところを直撃させて短時間で効率よくアジを確保!

朝イチのチャンスタイムを逃すな!

カモシ場(ポイント)への移動時間は20分ほど。その間にヒラマサタックルを準備し、サンマミンチを溶きます。柔らかくすることはいくらでもできますが、硬くはできないので調整には注意が必要。一度に全部溶かず、少しずつ溶いて使いましょう。
さて今回はグローブライドより秋発売の高性能電動リール「シーボーグ300MJ-L」をお借りし実釣テスト。左巻き・ジョグパワーレバー・NEWメガツインなど先進機能が満載のリールです。
ここでヒラマサを仕留められるように船長や仲乗りさんにキーワードを伺ってみました。すると
・ヒラマサは根に突進する
・手返しは10分以内が目安
・ミンチの放出量と硬さの調整
など、基本のおさらいができました。さぁ、ヒラマサに挑んできましょう。
海中公園沖に到着すると、すでに船団が形成されており、平日ながら各船ともなかなかの乗船者数。それもそのはず。港から程々の距離で平均7キロ、最大25キロまでのヒラマサが狙えるとあれば、人気がでないはずがありません。
沖合丸も船団の下につけると、投入合図が出されました。カモシのヒラマサは魚の着く根に向けて流してゆくスタイル。活性が低いときほど根から離れず、活性が高いほど根より手前で食う模様。探見丸へ映し出された水深は約45メートル。海底の映りを見ると海底は砂地でポツポツと根が存在する釣り場のようです。すでに他船から撒かれたミンチで20メートルから底付近まで帯状の反応が映り、その下には大型魚と思われるもポツポツと映し出され状況はまずまずのようです。乗船者の付けエサを見渡すと支給されたサンマぶつ切り・活アジ・イカなど様々。「朝イチは誰がどの餌でどんな釣り方で釣ったのか観察するんだ」と船長よりアドバイス。無線では他船もポツポツ捕っているようで期待が持てそうです。
すると右舷舳の釣り師に船内ファーストヒット!グラスムクのロッドを大きく絞り込み、グイグイと引き込むパワーは本命でしょう。やがて水面に顔を出したのは7キロ90センチ程のヒラマサ。食ったエサは目つきゲソ+サンマの短冊のようです。
この1本で乗船者は俄然気合いが入ります。私もヒイカにサンマの即席短冊をつけて投入。先ほどの方はタナを大きく探っていたことから、袋のリングを潰し気味にしてミンチの放出を絞り、探りながらもチョロチョロでる程度に。指示タナよりやや下から1メートル上げて50センチ下げる誘い上げにて狙ってみる作戦に。一投目こそ空振りするも、2投目で35メートル前後を誘っていると「クン」と小さなアタリが到来。それに合わせを入れると、大きくロッドが絞り込まれました!
時折ドラグを大きく滑らせる突進は紛れもなくヒラマサ。「7~10キロが一番根に突っ込むよ」という仲乗りさんの言葉を思い出し、一瞬ヒヤリとするも探見丸を見ると砂地の反応。しばらく底付近で抵抗するも、大きく絞ったロッドのテンションでじわじわと浮かせ、海面に姿を現したのは7キロ級のレギュラーサイズ。久々にヒラマサをゲットです♪

アタリが遠くても辛抱が重要

船 中2本目のヒラマサもイカにヒット。これによりイカに変更する方が増えてきました。しかし2本目以降なかなかヒットがありません。周囲の船団を見渡すとポツリポツリとヒットする程度です。
ヒットが遠いこの状況に船長の話を聞いてみると
「朝イチは根から離れても食うけど、だんだんと根近くのヒットが多くなる。根に向けて流すまでに、どのタイミングでコマセを効かせるのか、どうやって探るのかを組み立てるんだ」
とのこと。仲乗りさんも
「コマセが効いてくる中盤以降はゆっくりと沈下するものに反応が良くなる。だから誘い上げでエサを見せて、コマセの沈下と同じ速度でエサを見せるんだ。」と、誘いの重要性を説明してくれました。探見丸があれば水深の変化・魚の反応・海底の質などがわかり、特にヒットが多い「根下し」と呼ばれる根を通過した直後の落ち込みを確実にトレースできます。
「積極的の誘い続けるのか、お地蔵さんになるのか、そのあたりが釣果を分けるね」と船長。この言葉がまさにその通りの結果となるのでした。

後半に再び時合いが到来

アタリのない時間も誘い続け、エサをイカにして努力し続けた人をヒラマサは裏切りませんでした。再びアタリが出始めてぽつぽつとロッドが海面に突き刺さってゆく時合が到来!掛かるサイズは7キロ級が中心で、掛かるときは複数名ヒットです。この状況ながら波に乗り切れず、残念ながらアタリは無し。狙いすましたかのようにミンチの詰め替えのタイミングを狙われました・・・。これが「流しの組み立て」の違いなのでしょう・・・。



続々と1メートル弱のヒラマサが上がる光景は爽快そのもの!入門にもチャンスです!!

今年は年内一杯はチャンスか!?

今回は中型サイズを中心に好調。ヒラマサは0~4本、船中10本以上取り込まれました。10キロを越すハイクラスと呼ばれる大型はお目に掛かれませんでしたが、ルアー船では連日のように10キロオーバーがしとめられ、33キロを獲った船も!現在好調の外房ヒラマサ。ご当地釣法「カモシ釣り」で狙うなら今がチャンスです。

興津 第二沖合丸
℡/090-2328-9926
かもしヒラマサ船/12000円

[タックル]
マッドバイパースティング240M
シーボーグ300MJーL PE4号300m
かもし仕掛け・オモリ100号
ハリス12号6.5m・ヒラマサ針16号