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【釣り小ネタ】強化チューブを用いたチチワ

2011/06/23

電動リールや両軸リールなどの道糸の先端は、船釣りでは大小の輪を組み合わせた二重チチワが一般的。簡単にサルカンを接続でき、解くことができますが、同じ箇所に負荷が加わり続けるので消耗しがちです。かといって何度も切って作り直すたび、10メートルの色分けに合わせていては、PEラインが短くなってしまいます。そこで今回は磨耗を防ぐ強化チューブを用いたチチワ作成をご紹介しましょう。

用意するもの

1.繊維強化チューブ
主に大物釣りの針のチモト補強に使われる繊維の編み上げられたチューブです。釣具店では大物用品コーナーに並んでおり、およそ300円程で購入できると思います。様ざまな太さがありますが、道糸に近い内径のものを選ぶと細くズレにくく作れます。他にもノベ竿の先端に使用されるリリアンなどでも作成可能です。

2.道糸より細いPEライン20cm・ナイロンライン4号前後30cm
PEラインは道糸に通した強化チューブの固定、ナイロンラインは強化チューブにスムーズに道糸を通すために使用します。

3.ライター
焼玉を作ってPEラインのスッポ抜けを防止します。ターボライターが炎も安定し作業しやすいです。

組み立て

①まずは強化チューブを10cmほどにカットし道糸のPEラインを通します。内径がギリギリの場合はそのままでは通りづらいので、30cmほどにカットしたナイロンラインを二つ折りにして通し、道糸を二つ折りの輪に通して引き抜けば簡単にチューブを入れられます。

②強化チューブを折り返し、末端手前1cm程から末端に向けて編み込んできます。ずれないように強めに締めこんでいきましょう。

③編み込みの直下で道糸を八の字結びにします。編み込みに使用した糸の余分はカットし焼玉を作ります。もしズレて間隔が開いてしまったら強化チューブ上の編み込みを延長しましょう。

④編み込んだラインの片方で八の字結び以降で編みを少々入れて、最後に道糸の末端で編み込んで完成です。

慣れれば5分ほどで作成可能です。特に大型青物や深海釣りなどの負荷の大きな釣りものに効果的。ぜひチャレンジしてみてください。

駿河湾ルアーカツオ船スタート!

2011/06/13

黒潮の使者、カツオは遊泳速度が非常に速いのが特徴で、掛かってからのパワフルで鋭いな引きでルアー・エサ釣り問わず人気のターゲットです。今年も黒潮の分流が関東沿岸に流入し各地で水温が上昇するとともに、遊漁船で狙えるエリアに姿を現しました。

北上する初鰹を狙う!

毎年南から黒潮に乗って北上し、水温が低下してくると南下する季節回遊をおこなうカツオ。関東近郊では初夏までを「初鰹」または「のぼりガツオ」、秋頃を「戻り鰹」と呼ばれ、食卓でも馴染み深いと思います。北上中の群れは通過も速く、釣れる期間は短いことがほとんどです。この時期はコマセに付くことはまれで、ルアーでのナブラ討ちがメインとなります。
ロッド:7ft前後のキャスティングロッド、ウェイトMAX60g前後のもの
リール:ドラグ性能に優れた中型スピニング。できればハイギア仕様
ライン:PE2~4号150m以上、リーダー40~50LB前後1.5m程
ルアー:30~50gまでの小型メタルジグ。10cm以内のジグミノーも有効
ルアーで狙う際はメタルジグのキャスティングが中心。タックルはシイラ系のPEタックルがベスト。あまりパワーがあり過ぎると、軽いルアーが扱い難いばかりかカツオが口切れを起こしバラシてしまいます。表層で跳ねる群れを探し出し、合図が出たら正確なキャストと高速横引きで狙っていきましょう。

田子ノ浦より出船!いざカツオのいる海へ

カツオ回遊の情報は駿河湾・相模湾共にありましたが、今回は釣行予定日が台風直後ということもあり出船可能な駿河湾へ。東名富士ICよりほど近い田子ノ浦のH丸にお邪魔しました。ここの船長のルアーカツオ操船はアングラー間で「駿河湾一」とも言われるほど。ナブラ発見から回り込み、そして先読みまで高い技術でアングラーをサポートしてくれます。ここ最近は釣れていることもあってシケ後ながら12名のアングラーが乗船。明け方と共にカツオ探しのクルージングが始まります。
カツオは遊泳速度の速い魚。大型の構造物や生物に着くこともありますが、基本的にエサを求めて回遊しています。このカツオを魚探やソナーだけで探しきるのは難しく、今も昔も船長や乗船者の目が頼りとなります。ルアー・エサ問わずカツオ船に乗船したら是非「ワッチ」に協力しましょう。鳥の動きや海面の変化に目を凝らし、異常や兆候を感じ取ったら船長やベテランアングラーへ報告。全員で協力すれば協力するほどカツオへ近づける確率が上がる大切な作業です。

群れ遭遇!進行方向を見極めよう

港周辺は薄緑の潮色も大瀬崎付近まで下ってくると潮色も変わってきました。透明度の高い澄んだ青色の潮こそカツオの潮。ここからワッチも力が入ります。それまで吹いていた風も弱まり、海面も見やすくなってきました。鳥も時折何かに反応する素振りを見せ、そろそろ出そうな感じです…。船速を落としながらゆっくりと航行する船。するとそれまで疎らに飛んでいた海鳥が一箇所にめがけて飛び始めました。いよいよカツオが跳ね始めたのでしょうか!?
鳥の集まる所へ全速で向かうH丸。各アングラーもいつでもキャストできるよう、指にラインを掛けて臨戦態勢。鳥の動きから方向を見極め徐々に減速し、魚へのプレッシャーを抑えながら先回りしてゆきます。そしてカツオが集まり海面がザワつき跳ね始めると、合図と共に一斉にキャストが開始されます。
この船では舳先の人は正面、両舷の人は前方斜め45度に投げるのがルール。オーバースローもOKですが、届くのならアンダースローが無難です。そして表層を高速トゥイッチで狙い、「追われて逃げ惑うイワシ」を演出しましょう。移動の速い群れでは、あまり沈めていると群れが通り過ぎてしまうので要注意。コマセ釣りと同乗の場合はコマセで群れも沈みますが、浮いた魚は表層勝負が効率的です。
やっと捉えた群れを乗船者全員でガンガンキャストしますが、このナブラは舳先のアングラーが2本ゲットしたのみで沈黙。鳥の進行方向を読んで巧みにバイトさせたようです。
この後もぽつぽつとナブラに遭遇するもポツポツとヒットする程度の単発ばかり。群れの移動も速く水面にイワシのウロコもほとんど散ってないことからベイトが少ないのかもしれません。

時合到来!手返しで数を伸ばそう

出船より数時間。日もだいぶ高くなりクルージングが長くなりはじめたころ、遂に密度の濃い鳥山が出現しました!船長もアングラーもチャンス到来とばかりにテンションが上がります。鳥を読んで船は進行方向を先回り。後はカツオが跳ねだすタイミングを待つばかりです。鳥山よりやや離れて様子を見ていると徐々に収束を開始。そして海面がザワつきカツオの姿が現れました。
このナブラは活性も高く、次々にアングラーのロッドが絞り込まれます。そして私のロッドにもヒット! 一気にラインが走る引きは速度感満点。油断すれば右に左にと縦横無人に走り回ります。カツオのファイトは主導権を魚に渡さないことが重要。緩めると一気に走ってしまうので、良型でなければポンピングせず巻きましょう。下手にポンピングすると暴れるばかりか口切れを誘発させバラシのリスクが増します。そして海面に見えてきたらネットマンと息を合わせて旋回するカツオをすくいましょう。
次つぎと取り込まれるカツオ。型は2kg弱ながらも鋭い引きで楽しませてくれます。手返しのよいアングラーは立て続けに取り込んで数をのばし、ビギナーはその引きの速さと強さに戸惑いながらも必死に釣り上げてゆきます。

厄介なシラスパターン

しかし、どんなに高活性の群れも次第に活性も落ちてくるものです。依然表層でバシャバシャと姿は見えるも、先程までのルアーへの反応がなくなり一向に掛かってきません…。アングラーが手を変え品を変え攻める中、ポツリと「シラス食ってんな…」と船長。どうやら攻略の難しいシラスパターンに入ってしまったようです。
シラスとは主にカタクチイワシの稚魚で、サイズは1~3cm。細く小さく遊泳速度は遅めです。カツオが海面で補食動作を見せながらも移動が遅く、それでいてルアーへの反応が鈍いときはに多いパターンです。マッチ・ザ・ベイトが非常に難しく「シラスサイズの小さいルアーを、船のプレッシャーを与えない距離まで飛ばし、移動距離を抑えてゆっくり動かす」必要があります。言葉にすると簡単そうですが、自重・沈下速度・飛距離は相反する要素も多いためアングラーは苦労を強いられます。このとき有効な攻略法として、

・バケフックの装着
メタルジグに付けるアシストフックにサビキバリのような魚皮が装着されているため、フックそのものがシラスに見えるといった代物です。サイズも豊富で有効な魚種も多いので始めから取り付けておいてもよいでしょう。

・プラグで攻略
また、シイラやシーバスで用いられる小型ペンシルプラグも、シラスパターン攻略には有効です。特にフローティングタイプは水面で小刻みにドッグウォークさせることで移動距離を抑えながら長くアピールできます。
とはいえ最大の問題は飛距離。フローティングなら斜めや縦に浮くので、カツオからは小さく見えますが、シンキングはどうしてもシルエットが大きくなりがち。最近はそれを打破すべくほとんど透明で一部のみ彩色されたモデルも作られています。

なりふり構わなければ陸っぱりで用いられるカブラの付いたブリッジ仕掛けが非常に強力です。しかし、ルアー船である以上、ルアーで釣る趣を大切にしたいところです。

盛期はこれから!

各自の工夫でその後もポツポツとカツオを追加。基本のジグだけでなくバリエーション豊かにルアーを持ってきたアングラーほど、釣果は良かったように思われました。駿河湾・相模湾に入ってきたカツオは間もなくキメジも合流し、しばらくはルアー中心で楽しむことができます。これから暑い夏が近づいてきますがクルージングが基本となるカツオ船は、涼しい海風を受けながら群を探すので意外に快適。そして一度群に遭遇すれば熱い釣りが待っています。黒潮の使者、スピード感溢れるカツオ。回遊魚は情報が入ったら即釣行が鉄則。これから訪れるハイシーズンに是非狙ってみてはいかがでしょう。

[タックル]
ランバラル76
ステラSW6000HG
PE3号300m・リーダー50LB2m
スキルジグLC35g など

黒いダイヤを追う

2011/06/10

強烈な引き味、なかなか掛からない気難しさ、そして抜群の食味。釣りはもちろん、日本のあらゆる魚のなかで最高の評価を得ている「クロマグロ」。海水温の上昇にともなって、今年も伊豆南沖で釣果が上がり始めました。

黒いダイヤと称される魚

マグロの王様「クロマグロ」。最大300kg級に成長し、黒いダイヤの異名を持つ高級魚です。成長も非常に早く、晩夏に相模湾・駿河湾で釣れる500g前後の幼魚は湾から離れる冬には4kg強まで成長するほどです。一般的な釣り人が狙えるサイズは100kg未満まで。それ以上のサイズは釣り場もタックルも限定され釣獲率も非常に低くなります。

餌釣りのクロマグロタックル

サイズ幅がありすぎてタックルの地域差が非常に大きいのもクロマグロ釣りの特徴。今回狙う海域「伊豆南沖」では最大サイズ80kg級までを想定したタックルとなります。

・ロッド
キンメダイやアコウダイ、アブラボウズを想定した深場竿や、遠征大型青物や大型ハタ類狙い用の2m前後のワンピースロッド。最大許容ハリス60号、ガチガチで硬い棒のような竿でなく、強烈な引きにしなやかに追従するグラス系素材のものが適します。

・リール
最低糸巻き量PE10号500m、最大ドラグ力15kg以上のものなら電動でも手巻きでもOK。マグロ類は力も強くスピードも速く、リールに掛かる負荷は想像以上。大きな負荷に耐えられる耐久性も重要です。

・ライン
道糸は高強度PEライン10~16号500m以上。流した距離がわかる色分けされた物が便利です。ハリスは50~60号を10m。比重があり光の屈折率が水に近く、擦れにも強いフロロカーボンがおすすめですが、ナイロンラインでも大丈夫です。道糸とハリスはPRノットなどの強度に優れた結びで直結します。

・フック
船宿でもいまだベストなハリは断言できないそうですが、ハリ先のややネムった泳がせ系のハリが無難だそうです。サイズはGTー25なら7/0、スーパームツなら24号。あまり大きすぎるとエサのサバの泳ぎが悪く、小さすぎるとマグロに飲まれて切られてしまいます。いかに口に掛けるかがポイントとなります。

南伊豆の遠征大型船で狙う

パワー・スピードを兼ね備えた大型魚クロマグロ。今回この魚を狙いに訪れたのは手石のT兵衛丸。銭洲・イナンバといった遠征大物や深場釣りを得意とし、昨年は伊豆南沖のクロマグロでも数々の大物をしとめています。さらにクロマグロの船宿記録は黒瀬沖で上がった280kg級と実績もバッチリ! 釣行数日前にも50kg級2本・40kg級1本・25kg級1本をしとめており期待がもてます。
集合時間は午前3時。活きエサのマグロ釣りは近場でエサとなるサバ釣りを行い、その後マグロ釣り場に移動し開始となります。今回大型マグロを夢見て集まった釣り人は4名。大型遠征船に乗り込み、釣り場まではベットでぐっすり眠りながら向かうことができます。

餌のサバは手返し勝負

出港より約1時間。サバ釣り場へ到着です。ここで手返しよくサバを釣り上げなければマグロ釣りの時間にも影響を及ぼしてしまいます。
サバ釣りはフラッシャーサビキにて狙うスタイル。150号オモリをつけて船長の告げる指示ダナに下ろします。できるだけ1回の投入で数を稼がねばなりません。治具に巻かれたサビキをパラパラと落として行くと先に投入した常連氏より「50mで止まった!」とのアドバイス。見ると穂先がガタガタと震え、サバの反応を捉えたようです。私の仕掛けもタナに入るとすぐにアタリを捉えました。アタリが出たらゆっくり巻き上げを開始し、暴れる魚でサビキを踊らせ次つぎと追い食いをさせます。船では若船長が助手として手伝ってくれるので長仕掛けでも取り込みは非常に楽!船ベリもマグネットが装備されており糸絡みを軽減し手返しを向上させます。次つぎと掛かってくるサバを釣り続け、30分ほどでイケスの容量を満たせました。いよいよマグロ釣りです。

フカセ釣りでマグロを狙う

サバ釣り場からさらに1時間。海水温は20℃。やや強い北東風ながら海上には多くの鳥が方向性を持って飛んでおり期待できそうです。船が反応を捉えると投入の合図が出されました。
生きサバエサのマグロ釣りはフカセの横流しスタイル。トモより順に投入し、少しづつ投入点をずらしながら船側面に風を受けて糸を伸ばしてゆきます。基本は表層狙いとなりマグロが跳ねているようならチャンスです。スルスルと引き出される道糸。出す距離は100~150mである程度道糸が出たらドラグをやや緩めにセットし音響クラッチのあるモデルならそれを入れてアタリを待ちます。無くても穂先を見ていればOKです。

沈む反応を狙い打つ

大きくウネっていた海も2、3流しすると徐々に落ち着いてきました。ここまでマグロのアタリ無し・・・。しかし魚探へは水深40~50mポツポツと反応が映っているようです。
この状況に対応すべく若船長より教えて頂いたのがオモリの装着。通常フカセ釣りでは何もつけずにフリーで流すのが一般的ですが、反応が沈んでいる状況ではアタリを拾うことはできません。かといって胴付き仕掛けにするとエサの動きが悪くなるのかアタリが減ってしまいます。そこでフカセの利点を活かしつつオモリを装着する方法として船宿が推奨しているのは輪ゴムや紐で道糸にオモリを取り付ける方法。これならば長いハリスの好きな場所に錘を装着でき、マグロがヒットしてからはオモリをつけたゴムを簡単に切断できるのでファイトにも影響が少ないとか。号数は40~60号の胴付きオモリ。反応の沈み方によって号数を選択するそうです。さっそくオモリを付けて流し始めるとミヨシの釣り人のラインが音を立てリールより引き出されてゆきます! すかさずアワセを入れてファイト開始。竿の曲がりからやや軽めに見えますが・・・。

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上がってきたのは6kg級のまずまずのワラサ。この時期のブリは産卵期にあたり、食い気がたって補食は積極的。大きなサバエサも丸飲みしてくるほどです。

マグロの活性上昇

ワラサが取り込まれにわかに活気づく船上。魚を目にすればやる気が沸いてくるのは釣り人の性ともいえるでしょう。そしてワラサを魚槽へ入れにいった若船長のリールがけたたましいクリック音をたててラインが引き出されはじめました!そのスピードを見るに本命クロマグロでしょう。急いでタックルへと戻り合わせを入れる若船長。しかし無情にもスッポ抜け・・・。もう少し早くタックルに戻れていれば結果は変わったかもしれませんが仕方ありません。ちなみにこのアタリはオモリなしの表層流しとのこと。マグロの活性が上がってきたのでしょうか?
すると今度は大ドモで竿を出していた常連氏の竿が海面に突き刺さりました!この竿は胴付き型の泳がせ仕掛けを流していたものです。「ヒラマサ?、ブリ?、マグロ?」と若船長も問いかけながらファイトが始まりました。

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浮上したのは20kg級の本命クロマグロ!意外に走らなかったことと、胴付き泳がせ仕掛けに掛かったので浮上するまで正体不明もという珍事もありましたが中々のサイズです。

マグロは夢を追う釣り

しかしその後はぱったりとアタリも止まり、風向きもコロコロ変わってオマツリばかりに・・・。顔を見れたらよい魚なので船内に釣果があるだけよかったのでしょう。今回はボウズにて沖揚がりとなりましたが、後日他船で一人で3本のクロマグロを獲った情報も入ったことから依然チャンスには変わりないようです。さらに水温上昇にともない同海域にキハダマグロも入ってきた模様。昨年の大フィーバーが今年も訪れるかもしれません。

[タックル]
ディープスナイパー 250-210
CXー9HP
PE12号1400m
ナイロン50号10m
GT-25 7/0