記事検索
カレンダー
2011年7月
« 6月   8月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031



‘2011/07’ カテゴリーのアーカイブ

近海最大級の巨魚を狙う

2011/07/22

船釣りで「大物」と呼ばれるのはどれぐらいの魚でしょうか? もちろん種による最大サイズが大物といって間違いありませんが、身近な大物といわれるマゴチやスズキで60や90cm。船釣りの最人気魚のマダイで70cm。秋の代表的回遊魚であるブリで100cmといったところでしょう。
近年回遊の見られるキハダや大型ヒラマサを除けば、近海の釣りでは50~100cmもあれば十分大物といえます。しかし、その定義を軽々と突破する大型魚が外房勝浦沖で浮上し続けています。

近海最大級のターゲット

「首都圏から車で2時間弱の距離で、50kg以上の魚が狙える!」こんな謳い文句で、いま大物釣り師から熱い注目を浴びている魚がイシナギ。普段は深海に生息する巨大魚で、例年梅雨頃になると100m前後の浅場で産卵を行います。その魚体は最大170cm、100kgに及びます。
こんな巨大魚ですから狙っても船中せいぜい1、2本顔を見られればよい程度の魚です。しかし、今期の勝浦沖では「船中10本以上、全員釣果も当たり前!」という凄まじい状態になっています。

大型魚と対峙するタックル

巨大なイシナギのアベレージサイズは20~70kg。ただし極端に引きが強いわけでもなく、根に潜られるわけでもないので、一般的にはハリス30号前後で十分勝負になります。しかし、勝浦沖では話が別です。下手をするとダブルやトリプルヒットに至るほどの魚影となっています。こうなると魚を走らせることは非常に危険ですので、重量を受け止めつつパワーリフトできるだけの強度が必要となります。またエサは活きたスルメイカを使用するので、泳ぎや前アタリのとらえやすい竿先も重要です。

ロッド:2m前後の大型青物用グラス系ワンピースロッド
リール:ドラグ力、剛性に優れた大型両軸もしくは電動リール
ライン:PE10号200m以上。先糸にハリス以上の号数3m
ハリス:狙うイシナギのkg=号、1.5~2m。船宿推奨50号。
フック:高強度大型フック。スーパームツやGT-22など。
オモリ:胴付錘150号。イカ釣りと共用。

このほかエサ釣り用のスルメイカタックルが必要となります。

まずはスルメ釣りから

大型イシナギを夢見て訪れたのは勝浦興津の第二沖合丸。イシナギ狙いでは強烈な釣果を誇っており、釣行日前日には何と101kgという、ここ数年での最大のサイズが浮上しており期待が高まります。当日の乗船者は8名。私は左舷ミヨシに席を取り、定刻の4時に出船となりました。はじめはエサ用のスルメイカの確保。イシナギの釣果の善しあしが決まるといって過言ではないので気合いを入れて臨みましょう。
港より30分ほどでスルメイカポイントに到着。探見丸の表示水深は130mほど。反応もぱらぱらと映っており、十分に行けそうな気配です。しかし船が右往左往し、なかなかポイントを定めることができません。どうしたことかと首を傾げていると「速いね~。潮が3.6ノットも流れているよ~。」とのアナウンス。通常2ノットでも速いとされるので、これはカッ飛んでいるレベルです・・・。続けてのアナウンスで全員同時投入、1流し1回収と説明を受けてイカ釣りがスタートしました。
合図とともに正面へ投入したオモリは見る見る流され、ラインはトモ側へ一直線。サミングで修正するもガンガン流れて行きます。それでも何とか100m程出たところで今度は糸の出がストップ・・・。「これはサバに止めれれたかな?」と思い、ラインを張って見るとズシリとした重量感。さらに不快な振動がありません。どうやら落下途中で仕掛けを止めるほどのスルメイカの活性のようです♪ 追い乗りを期待し低速で巻いて行くと「ズン」「ズン」と重量が追加♪ 5杯くらい乗った感じで、餌確保は順調なスタートと思われました。
しかし、表層の速潮にあおられて1杯、また1杯と重量感は低下・・・。最後はオマツリするも何とか2杯は上がってきました。その後2流しも同様で1杯追加し合計3杯でイシナギポイントへ移動することとなりました。

誘いの重要性

イカ釣り場からイシナギ場までは10分ほど。タックルを入れ替えながら、仲乗りさんよりイシナギ釣りのコツを教えていただきました。

[誘いの重要性
タナ取りして置竿で放置してもある程度は釣れますが、より食わせるには誘いが重要とのこと。イシナギは最も高いときで海底から15mまでエサを追うそうで、底から5mを基準として、上下の誘いを入れて行きます。

・上方向の誘い
誘いは30秒~1分間隔に1mづつタナを上げてゆき、「イシナギにエサを見つけさせる」ために行うそうです。通常は5mほど上まで、スッと誘い上げてゆきます。

・下方向への誘い
食わせるための誘いになります。上方向と同じように30秒~1分間隔で下げてゆき、エサに気付いているイシナギの補食レンジ内に仕掛けを入れて行きます。上方向と違い、ジワリと下げると有効だそうです。特にスルメが暴れるタナが見つかればチャンス大です。

・マメなタナ取り
上下の誘いをしっかり行ってもタナが合ってなければ意味がありません。沖合丸では探見丸がついていますが、持っていない&使わない場合は最低5分に一度タナ取りしましょう。

非常に興味深い内容です。さっそく実践して狙ってみるとしましょう!

活スルメの付け方

徐々に船が減速し、70~100mの岩礁帯へやってきました。エサのスルメは3杯。イシナギへアプローチするには少な目ですが全力で挑むとしましょう。まずはエサのスルメイカをハリに付けます。生きたスルメは激しく抵抗しますので、まずは足(腕)を船に吸い付かせて動きを止め、掛けバリをエンペラ裏に、先バリをロウト側に打ちます。

バケツや海に入れて元気に泳いでいれば成功です。エンペラ裏を刺すとき軟甲を貫いてしまうと一気に弱ってしまうので注意しましょう。デッドベイトの場合は外れにくくするため、掛けバリをエンペラ裏から表へ貫き、先バリを目の間に刺します。どちらの場合も掛けバリと先バリの間は若干たるむ程度が理想。短くてイカが曲がってしまったり、長すぎてハリスの余りが大きすぎると食いが落ちてします。


※活スルメでの写真を撮り損ねたのでヤリイカで代用致します

いきなり本命浮上

船が減速し投入合図が出されました。オモリはイカと共用の150号。スルメイカをそっと海へ投入し、サミングでブレーキを掛けながら弱らないよう海底へ送り込みます。
仕掛けをタナ取りし、さっそく教わった誘いを入れて探り始めると、にわかにトモが騒がしくなっています。何かと思い覗きに入ってみると、すでに右舷大ドモで大物ファイトが始まっていました!

YouTube Preview Image

仲乗りさんのサポートもあって、取り込まれたのは迫力満点の45.6kgのナイスサイズ! 大きな口、鋭いトゲなど存在感ある魚です。


この1尾に盛り上がる船内。「次は自分の番」と皆、目の色が変わりました。しかし、この日の勝浦沖は実に低活性・・・。前日までと打って変わってアタリは少なく、船長や中乗りさんも首を傾げるほど。ちょうど冷水塊が南下してくるタイミングでしたので、これが速潮と低活性の原因となったのでしょう。

うれしい外道たち

本命イシナギのアタリはさっぱりも、船内では小さな魚信とともにエサが噛じられるアタリが増えてきました。大半はミズフグの仕業ですが、明らかに違うアタリが隣の釣り師に到来!ラインを送って食い込みを促し、アタリが強まったところでフッキング!さぁ何が掛かったのでしょうか?

YouTube Preview Image

浮上したのは4.2kgの良型ヒラメ!デットベイトで流してましたが、しっかり誘いを入れてライブベイトのように見せたからこその1枚といえます。このヒラメを皮切りにポツポツとヒラメが取り込まれて行きます。スルメイカを襲うだけあって最低3.5kg以上ばかり。誘いを極められればヒラメ船で冷蔵スルメを流してもいいかもしれません。他にも良型カンコも上がりました。

午前船の最後に…

お土産の根魚狙いに変更する人もおりますが、私は最後までイシナギ狙い。海底より5mのタナで勝負し続けます。
1流し20分間隔で流し変えていますが、とうとう最終流し。最後まで諦められません。タナをセットし時計を確認して穂先に視線を戻すと、何と!海面に突き刺さっています!
最後の最後で本命ヒット!ロッドを起こし止めに掛かるも、根掛かりと勘違いするような強烈な重量感です。グイグイと引っ張り、ドラグもゆっくり出されて行きます。止めて走られ、止めて走られを繰り返すと、リールのドラグレバー部は火傷するほどの熱を持ちだしています。それでも徐々に巻ける量が増えてゆき、じりじりと20mほど浮上させたところで、まさかのスッポ抜け・・・。これを最後に午前船は帰港となりました。

午後船でリベンジ!

記念撮影が行われている岸壁で、手に残っているのはイシナギの手応えと悔しさ。このまま帰るわけにはいきません! おかみさんに午後船の空席を確認すると、まだ乗船可能とのこと。急いで左胴間に乗り込み、同行者に見送られラウンド2へ突入です!
午後もイカ釣りからスタートですが、潮流は午前よりさらに増して4ノット・・・。3流しするもとオマツリで釣れたイカはわずか1杯・・・。それでも大半の人が釣れていないので幸いでしょう。
そして午前船最終流しでバラしたイシナギ場に到着。ここからが勝負です。水深も変わらず80m前後。着底し仕掛けをタナに合わせようとすると、既に左ミヨシの釣り師のロッドが海面に突き刺さっています!

YouTube Preview Image

全員仕掛けを上げ、船で追跡もしながら十数分のファイトの末に取り込まれたのは52.8kg。午前船よりも一回り大きく、迫力があります。この魚はスルメのデッドベイトで食ったようで、タナ取りの動きが誘いとなって食わせることができたのでしょう。

リベンジ達成

午後船の1本目に盛り上がる船内。潮も程よく流れており、探見丸に映るベイト反応は午前船よりも濃厚です。今一度、私にもチャンスが巡ってきても良い筈です。
船は1本獲って、同じラインを流し直すべく移動の最中。この間にタックルの総チェックを行い、2流し目に入りました。着底して5m上げてタナ取り、その後1分ごとに1mづつ3m上げて、ゆっくりと落とし込み。すると一気にロッドが海面に突き刺さりました!
待望のアタリ到来。しっかりハリ掛かりさせるべく渾身の合わせを叩き込むと、午前船とほぼ同じ強烈な重量感。今度は逃すわけにはゆきません。先ほどの魚に比べてそこそこ動き、ドラグもズルズルと10mほど引き出していきます。しかし、ロッドとハリスの限界に近いドラグテンションをかけているので、次第に、ジワジワと浮き始めました。時折抵抗をみせるものの、海底から20mも浮かせれば大抵勝負はつきます。

ゆっくりと海面へ浮上してきたのは40.5kg。仲乗りさんのギャフがイシナギの口をとらえ、念願の1尾が船に取り込まれました。

釣期は7月一杯

2流しで2本の釣果にその後が期待されるも、残念ながらこれで打ち止め。午前午後で合計3本とやや寂しい結果となりました。しかし翌日より午前船で9本上がり、その後も超大型を混じえながら順調に釣果をのばしております。このイシナギ船は7月一杯までの出船となっており、チャンスは残り僅かです。遊魚で狙える最大級の大物とぜひ闘ってみてはいかがでしょう。

興津 第二沖合丸
電話:090-2328-9926イシナギ船(午前・午後)
10000円(通し17000円)

[タックル]
ロッド:マッドバイパースティング240M
リール:ティアノス20
ライン:PE10号400m+140LB3m
仕掛け:ハリス40号1.5m スーパームツ30号
オモリ:胴付錘150号

闇夜の怪魚バトル

2011/07/14

ここ数年、近海で大型回遊魚の釣果が上昇してきたように感じます。伊豆南沖のクロマグロ、相模湾のキハダマグロとブリ、外房の大型ヒラマサ。皆様の記憶にも新しいことと思います。

しかし、これらの大型魚を何の対策もなく仕留めることは至難の業。理論は勉強できても技術は経験から覚えるものです。そんな、大型魚との闘いを気軽に経験できる釣りがあります。

闇夜の深海巨魚

ターゲットとなるのはバラムツやアブラソコムツ。日中は水深400~1000mの深海に生息する深海魚ですが、浮き袋を持たない彼らは夜間にサバやイカなどのエサを求めて100m以浅まで現れます。そのサイズは大きく、全長2m近くまで成長し、重量は50kg近くに達します。そして特にアブラソコムツのシルエットはマグロに酷似しているためか、高い遊泳力を誇ります。
バラムツやアブラソコムツは温暖な海域であれば世界中に分布しているといわれますが、やはりエサの多い所ほど生息数は多いようです。関東周辺では東京湾、相模湾、駿河湾のいずれにも生息し、その中でも複雑な海底地形と深い水深の駿河湾は格好の住処となっています。
釣りとしてはローカルな対象魚であり、深海釣りでは周年掛かる邪魔物扱い。そのためいつでも釣れるように思われがちですがシーズンは5~12月。前半はアブラソコムツ、後半はバラムツが多めです。水温の上昇する夏期は入れ食いの数釣りが楽しめ、年末ごろには日本記録が狙える超大型が掛かってきます。
また釣行予定を立てるのなら月齢も気にしたいところです。夜間に浅海へ浮上し補食活動をする魚ですが、月明かりによって泳層が変化します。これはエサの遊泳層が変化するためで、明るい時ほど浅く、暗いときほど深くなる傾向が見られます。

タックルの強度を試す

大型魚だけに釣ることを最優先するならばタックルは頑丈なものを選べばよいのですが、より楽しむため、そしてマグロやヒラマサとの大物バトルを想定した練習とした場合、普段、青物狙いで使っているタックルをそのままお使うことをおすすめします。

そうすればタックル強度、ドラグ強弱の感覚、ファイトのスタミナ配分、魚のコントロールなど大型魚を仕留める上で重要な技術を体感することができるでしょう。
タックルに求める最低限の条件は「道糸:PEライン250m以上」。中には技術向上のためにシーバスジギングタックルで挑む強者も!いずれ夢の大型魚と対峙できるようタックルやノットなど様ざまな強度テストを行いましょう。

エサ付きメタルジグで狙う

深場釣りでは胴付仕掛けに掛かるバラムツやアブラソコムツですが、専門に狙う駿河湾ではエサとルアーが融合したスタイル。
300gのメタルジグのリアに大型フックを繋ぎ、そこへ切り身エサを装着します。エサはサンマやサバなどを薄く大きめにカットし、水中でヒラヒラとアピールするように付けると良いでしょう。もし手に入るようならばカツオのハラモがエサ持ち、食い共に良好で特エサとなります。
夜間に狙うだけあって「光」と「臭い」が重要な要素となり、メタルジグは夜光タイプ、切り身エサも旨味調味料などで臭いと味を強化すればアタリが増えます。
また水中ライトも有効なアイテム。最近はLEDの軽量タイプが多く発売されており、装着すれば確実にアタリは増えます。船長は「赤」がおすすめ、私の経験では「白」も有効です。発光パターンは止めて狙うなら「遅い点滅」、動かして狙うなら「速い点滅」が有効と感じられます。

夜の大物を求めて

お世話になったのは清水のD丸。ルアー系の釣りを得意とする船宿でカツオやシイラのキャスティングから、ハタ類やブリ系のジギングで人気があります。特に流行のスロージギングは得意のようです。もちろんバラムツ・アブラソコムツも実績が高く、回遊コースを的確に予測し釣らせてくれます。今回は日没が遅いこともあり18時30分の出船。急深の駿河湾は20分ほどで700m近い水深のポイントに到着します。
「やってみて。まだ明るいから150~200mぐらいをバラバラに探って」とのアナウンスに各人160、180、200mとやや深めの230mで振り分けてスタートしました。潮流はやや速めでラインは緩やかに斜めへ入っていきます。
タナについてからの釣り方は比較的簡単。バラムツやアブラソコムツは静止もしくは速い動作に反応がよく、動かさないか速く動かすか、または組み合わせてアピールしていきます。低速巻き上げなどの中途半端な誘いは反応が悪いようです。
アタリの出方は2パターン。静止状態ではコツコツとヒラメのような魚信、速巻き状態ではガツンと力強い魚信がやってきます。
タナを探り始めて約20分。まだ僅かに明るいのが良くないのか、コツコツと前アタリは出ても単発で消えてしまいます。微妙な停滞感が漂う船内。しかし、その状況を打ち破る、強いアタリが到来しました!
この魚の合わせは強烈に決めることが重要。大型魚の口を太軸大針で貫くべく

「全力で三回叩き込めっ!!!」

とマイクで船長から檄が飛びます。これでガッチリ掛かれば大物とのファイトが始まります。巻き上げで重要なのは「一定のテンションを保つ」こと。ポンピングでの引き上げが基本で、リールを巻くときもロッドのテンションをフリーにせず、常に魚へプレッシャーをかけて反転する隙を与えないことが重要です。

最後の抵抗は強烈

掛かってすぐは激しく抵抗するも、意外と素直に表層まで上がってきました。しかし、この魚の本気はここからです。水中での点滅光には寄ってきますが、光源が大きく常時点灯している船の明かりは好きではないようで、船下に来てからが抵抗が最も激しくなります。中には海面をテールウォークに近い逃げ方をする個体もいるほどです。
このときも残り15mのところでラインが横に走り出しました。本当の勝負が始まります!明らかに速度の増した突っ込み、急な方向転換で釣り人を翻弄。船に寄せてからも急に船下を通過して逆舷に走ったりと抵抗を見せます。
何とか押さえ込んで引き上げた個体は15kg程のレギュラーサイズ。そしてこの1尾を皮切りに活性が一気に高まりました。

ベイトについて高活性に!

闇夜にポツリと浮かぶ船の光源に寄せられ、水深40~60mにベイト反応が多く映り始めました。暗い海の中でエサとなる魚が密集しているのをバラムツやアブラソコムツが逃すはずがありません。闇の中から突然襲いかかり闇に消えてゆくのが彼らの捕食スタイル。船から漏れる光の中を下りるジグは格好のターゲットになります。
スルスルと出ていくラインが急に止まればフォールでのバイトです。すかさず糸フケを巻き取り、ガツンと合わせましょう。この手のバイトが増えるとジグを飲まれるリスクが高まります。意外と鋭い歯を持つので、飲まれてパワーファイとなるとラインブレイクされかねません。
ベイトの層では掛かるサイズは15kgまでがほとんど。中、小型ほど浮く傾向にあり、パターンに入った人は面白いように掛けていきます。しかし、この魚を狙うのなら数よりもサイズ。ベイトの層の下で悠然と泳ぐ大型を掛けてこそ、真のファイトが楽しめます。

大型はさらに下へ潜む

ベイトの層より30m程下の水深100m。アタリは確実に減りますが、狙うは大型です。通常よりも多めにエサ付けしたメタルジグでタナを探っていると「コツ、コツ」と小さいシグナルがやってきました。アタリは小さいほど大型であることが多く、外道でもない限り大型でしょう。慎重に食い込ませ、アタリが増幅されたタイミングで渾身の合わせ!するとロッドにテンションが強く加わり、一気にラインが20m近く引き出されました。しっかり掛かったようです。
良型であればタックル強度とファイト方法の両方が試せます。 今回は70kgまでのマグロを見据えたタックル。大きく曲げてロッドのカーブを見ながら、体感的に限界値を探ることができます。
そして魚の顔を向けたら速攻の練習。ライン限界のハイプレッシャーで抵抗の隙を与えず一気に巻き上げを試みます。これは荒根のヒラマサや、マグロでサメがいるときに使う技術です。取り込み時間とドラグテンションに自身の体力がどれだけ耐つのか、限界を計っておけば本命魚との勝負の際に仕掛けるタイミングを見誤ることも減ります。
このように様ざまな練習ができるのが、この釣りの魅力。速攻を150mからしかけ、5分弱で船下までリフト。しかし最後の抵抗前に体力が尽きたため、ここから10分以上グダグダのファイトに・・・。それでも当日最大の30kg弱をゲット。体力配分の重要性を改めて感じさせてくれた1尾でした。

手軽に挑める大物の魅力

体力が尽きたので一休み。その間にも目の前で次つぎとロッドが絞り込まれ、続ぞくとアブラソコムツが浮上してきます。「今日はサットウ(アブラソコムツ)ばかりだな~♪」と入れ食い状態に船長も上機嫌。このまま終了の22時半まで食い続きました。
今回はバラムツこそ出なかったものの、アブラソコムツは高活性。こんなファイトが夕方から出船して夕涼みがてら楽しめるのです。釣り場が近い清水なら、料金も夜アナゴや夜メバルとさほど変わらない7500円(4名~)で乗船可能です。
気軽な大物ファイトを楽しむもよし、大型魚に備えて技術の練習をするもよし。

本気で魚と「闘える」釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょう?

[タックル]
ロッド:ソルティガドラドCB77S
リール:ソルティガ5000
ライン:PE5号300m+100LB3m
ルアー:メタルジグ300g+管付ムロ40