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‘釣り小ネタ’ カテゴリーのアーカイブ

深海巨魚アブラボウズに挑むには?

2012/04/09

近海の浅場釣りではお目に掛かれない深海魚が多数狙える深場釣り。サイズも1キロ以上のものが多く、食べて美味しい魚で数も狙えるのが魅力です。しかし深海には強烈な大型魚も生息しています。

深海の大型魚

「目指せ100キロ!」と謳われ、そのサイズと食味の良さで近年注目を浴びている深海大型魚がいます。
その名をアブラボウズ。カサゴ目に属する大型魚で最大サイズは170センチ100キロ近く。水深400~1000メートルの起伏の激しい岩礁帯に生息しており、春頃になると産卵の為やや浅場へ移動し、小さな群を形成するので、その時期が絶好の釣期となります。
「アブラ」の名が付く巨大魚なので誤解を受けることが多くありますが、アブラボウズの脂は普通の魚と同じもの。ワックス成分の脂を持つ食用不能魚、バラムツやアブラソコムツ(サットウ)と違い、人間にも消化できる食用可能魚です。しかし肉中の脂肪分が50パーセントを超える魚なので、肉の脂身などが苦手な方は脂を落とす調理を施した方が無難でしょう。食身は良好で脂を多少抜ける、炙り寿司・味噌付けなどがおすすめです。

南伊豆仕様の仕掛け

専門船が少なく、仕掛けに地域差が大きいアブラボウズ。関東近郊では乗合船で狙えるのは茨城県平潟と静岡県南伊豆ぐらい。生息範囲は広いので仕立船なら外海に面し、生息条件に合った海域が近くにあれば狙うことが可能です。今回は南伊豆手石から石廊崎沖を狙うパターンを紹介してみましょう。

[アブラボウズ仕掛け]
ハリ:スーパームツ35号
チモト:繊維強化チューブorケプラー5センチ
ハリス:ナイロンorフロロ50号2メートル
幹糸:ナイロンorフロロ80号2メートル
捨て糸:ナイロン16号5メートル
オモリ:鉄筋3キロ
ライト:赤色推奨ブランコ接続
エサ:スルメorヤリイカ1杯掛け
その他:状況に応じてタコベイトを使用

大きな特徴は非常に長い捨て糸。これは起伏の激しい岩礁を太掛けで狙うためで、深い溝を通過する際に根掛かりを防ぐためです。万が一、ハリなどが根掛かりしたら50号のハリス切断は非常に困難。ロッドで切ろうものなら余程強くなければ折れてしまいます。
またアブラボウズはヤスリ状のザラザラした歯を持ちます。この口に掛けた場合、ハリのチモトなどが歯が当たるので強化チューブやケプラーは必須。ハリと一緒に結び込んで必ず装着するようにしましょう。
また集魚灯も効果的です。船宿のおすすめは赤。あまり光が強すぎるとバラムツやミズウオといった外道を寄せてしまうので注意が必要。装着はダブルスナップなどでブランコ形式に接続すれば、直接負荷がかからないうえ、潮流で揺られて一層効果を高められます。

基本釣法は底たたき

 船はポイントとなる根や傾斜を通過するように流します。斜面を下るのならオモリの着底を確認してラインを止め、引かれるラインでオモリが浮いたら数秒待って底に下ろします。斜面を登るのならオモリが着底したら数メートル浮かせ、再び着底したらオモリを浮かせるようにします。
アブラボウズは底付近にいる魚なのでマメな底取りが肝心。キーパーにタックルを放置しているようでは根掛かりやタナボケを起こし、魚が掛かることは希です。
そして待望のアタリがきたらすぐに合わせずラインを送って静観しましょう。

巨大なアブラボウズの力は強く、自らの抵抗で十分針掛かりします。このときに暴れさせて鉄筋オモリをカットでれば、後のファイトが非常に楽になります。慌てて早合わせを入れてしまうと大抵はすっぽ抜けてハリ掛かりに至りません。
十分に食い込ませ、しっかりハリ掛かりできたら巻き上げ開始。強烈な重量感ですがサイズの割に引きは鈍いので、ドラグを効かせながらゆっくり巻き上げましょう。注意点としてはアブラボウズの顎はさほど強くないということ。巨大な口を開けながら上がってくると、途中で掛かる水圧は凄まじく、大きなウネリなどを通過すると口切れするおそれがあります。ドラグを調整しバラシに十分注意しましょう。
途中の激しい抵抗をいなし、いよいよ水面に見えたら取り込みです。モロコやイシナギを思わせるシルエットのアブラボウズですが水面で浮く魚ではありません。もしポロリと外れれば、そのまま水中に泳ぎ去ってしまいます。ですので油断は大敵!緩めないようにラインを手繰り船縁まで寄せます。
そして最後はギャフを打っての取り込みです。身は柔らかいので狙うはアゴ。大きな口にギャフを差し込み、1本目が掛かったら2本目を掛け、声を掛け合い全員で協力して引き上げます。このときギャフは垂直に引き上げなければ破損するので注意しましょう。
力を合わせて取り込めれば釣り人の勝利!大きな魚体は生で目にすると感動すらおぼえます。

アフターフィッシングは最大の楽しみ

下船後は調理し美味しく頂きましょう。脂肪分の多い身は柔らかく、包丁一本でも解体は可能なレベル。刺身は脂がくどく感じることも多いので、炙り寿司や西京漬けなどがおすすめです。
地元消費されることが多い魚なので味を知っている人は少ないですが、「銀ムツ」と似ているといわれることが多い魚です。切り身で冷凍すれば日持ちもまずまず。長く楽しむことができます。
まだ知名度の低い魚ですが、非常に魅力ある大型魚です。狙うまでの敷居は決して低い魚ではありませんが、機会があればぜひ狙ってみましょう!

 

ブラックPEを活かすフロロリーダーとザイロンチチワ

2012/02/17

深場釣りでメリットの多いブラックPEライン。内容は過去の【深海小ネタ】黒いPEと大型電動リール実釣比較の通りですが、マーキングが無いためにカウンター狂いや途中で電源が抜けてしまうと、残量が分からずヒヤリとする場面も多々あります。さらに快適に扱うにはどうすれば良いでしょう?

フロロカーボンのリーダー

先述のような状況で、カウンターの数値が当てにならない場合、最も怖いのは巻き込みによるロッドの破損でしょう。
いつ終わるのかわからない巻き上げでは気を抜くことはできず、ラインを注視する事となるため精神的にかなり疲れます。
そこで有効なのがリーダー(先糸)の取り付け。これを行うと結束部がガイドを通過する際に音と振動が伝わり、視覚的にも変化を捉えやすく、容易に仕掛け接近が察知できます。
先糸素材のおすすめはPEラインの約4倍のフロロカーボン。これだけの太さがあれば多少の事では切れにくく、同乗者の幹糸と絡んでも、太さでの判断が容易です。また太さにより投入待ちでの穂先絡みが激減。フロロカーボンであれば伸びも少なく感度も良好。吸水劣化もないので数回の釣行ぐらいは耐える強度も維持できます。
結束はPRノットなどの摩擦系ノットであれば強度低下も少なく、結び目も小さいのでスムーズなガイド通過が可能。これを4m以上つければ投入前はリーダーのみがリールから出ている状態になります。
利点が多いフロロリーダーですが、難点もあります。それは太番手のフロロカーボンは値段が張るということ。そしてオマツリの際に誤って切られやすいとことでしょう。また結束に慣れるまでは本来の強度を出すのも一苦労ですが、慣れれば非常に有効なのでぜひ試してみてください。

サルカン接続が容易なザイロンのチチワ

リーダーを結んだ際に面倒なのがサルカンなどへの接続。直結となると張りの強い太番手のフロロカーボンはかなり面倒。しっかり締めこめなければ抜けてしまうこともあります。
そこで有効なのがザイロンやケプラーなどを用いたチチワ作成。これを作ってしまえば通常のPEチチワと同じように容易にサルカンを接続可能。しかも覚えてしまえば泳がせ釣りの先糸作成にも応用できるので何かと便利です。
まず用意するものは以下の5点

・ザイロンもしくはケプラー ・編込用ニードル ・低粘度接着剤
・セキ糸 ・ヤスリ

今回はフロロリーダー50号にザイロンノット40号の組み合わせです。目安としてリーダーの号数に対し、ザイロンやケプラーは7~8割前後の号数を選ぶと良いでしょう。それでは組み立ててみましょう。

まずはチチワの全体の長さを想定してスプールより引き出しカットします。そしてカットしたザイロンより芯糸を引き抜きます。

次にチチワの股部のポイントを決めてニードルを貫通させ、先端の鉤にザイロンを掛けてループを作ります。


貫通部より3ミリほどずらして再び貫通させます。ここでチチワのサイズを確定させ、左右交互に6回ほど貫通させて編み込んでゆきます。

強度を出すためにも間隔が均一に、そして緩まないよう丁寧に作業しましょう。

編み込みが完成したらザイロンの端より編み込み直前までニードルを通し、残りを引き込みます。

リーダーの先端をヤスリで角を落とし、ザイロンの端より挿入します。引き込んで二重になっているところもしっかり通すようにしましょう。

ザイロンの端がバラけないようにセキ糸を巻き、接着剤を垂らし補強します。

以上で完成です。接着箇所が少なく不安を感じるかもしれませんが、負荷が掛かるとザンロンの繊維が締め込まれ強度を保ちます。逆に接着範囲が広すぎると締め込みを阻害し、強度が出ずにすっぽ抜ける恐れがあるので注意しましょう。

ちょっとした工夫で深場釣りはより快適になります。ぜひお試し下さい。

お手持ちのタックルで始められるスロージギング

2012/01/12

最近流行のスロージギングは、いわゆるスタンダードなジギングに比べて力を必要とせず、また、従来ジギングで釣れなかったような魚もよく釣れるのが特徴。しかも、ライトアジやライトマルイカなどのタックルの流用もできるため、普段エサ釣りを楽しんでいる人たちにもおすすめ。注目を集めているとともに、大きな可能性を持った、新たな釣り物です。

エサ釣り視点からみたスロージギング


80~150グラムまでのメタルジグを操る近海スロージギングのタックル。ロッドは弾性の強い専用品やインチク用で、リールシートからバッドエンドまでが長く、脇で挟みで固定できるモデル。現在、専用品が各社から発売されていますが2~5万円のモデルが多く、やや割高感があります。
リールはアルミ合金製などの高剛性でドラグ力に優れた小型モデルが中心でギア比の高いモデルが瞬間的に力を加えやすく操作性が良好です。
ルアー風の説明を聞くと何とも敷居が高そうですが、噛み砕いて考えてみればそれほど難解なものではなく、親しみやすいものです。

・ロッド

オモリ40号前後ビシをしっかり振れる、張りが強めのライトアジや、ライトウイリーに使える竿が目安になります。
胴の張りが強く、竿先の感度にも優れる直結・直ブラ用のマルイカロッドもOK。脇挟みしやすいロングバットがおすすめで、軽量ならなおよいでしょう。
一例をあげると、 アルバトロスフラフラM、ライトゲームCI4アレグロ82、ベイゲームマルイカなどがあります。ファイトの際のテンションコントロールがきちんとできるのならカワハギ専用竿でもいいぐらいです。

・リール

PE1.5~2号を巻いた小型両軸、たとえば、カルカッタやミリオネア、カウンター付きモデルもいいですが、できるだけドラグ性能に優れたモデルがおすすめです。
電動丸400Cやレオブリッツ150のような小型電動リールも「あり」です。

・道糸(メインライン)
近海スロージギングのメインはPE1.5~2号を150メートル以上。色分けと1メートルごとのマーキングがあるものが見やすく、フォール中のアタリも見逃しません。

・先糸(リーダー)
道糸の先端に、フロロカーボン20~30ポンド、号数でいえば5~8号を3~4.5メートル直結します。

いかがでしょう? 該当するタックルを持っている方が意外と多いのではないでしょうか? そして操作も簡単で疲れにくいハンドル巻きのみ。メタルジグさえそろえれば、すぐにスタートできます!

タナへの意識が釣果の分かれ目

スロージギングの実釣をする上で大切なのが「タナ」つまり食ってくる位置を探し、把握することです。
前回乗船した征海丸船長によると「エサ釣り師はタナ取りに慣れていて、数十センチの差で食わないシビアな違いを経験で理解している。それはルアーの追って食わせるのと違い、上下の移動速度の遅いスロージギングでは強みになるんです」とのことだった。
魚を掛けてからの注意点ですが、スロージギングではロッドを立ててのファイトはNG。スロージギングで使われるロッドは胴にそれほどクッション性がないため、無理に立てるとラインかロッドが破損する恐れがあります。ファイトはロッドを水平からやや下げ気味までの間で行い、リールの性能で魚と勝負しましょう。

スロー専用のメタルジグ

メタルジグはどれを選べばいいか非常に迷うと思います。そこで個人的見解ながら「これがあれば大丈夫!」とおすすめできる専用メタルジグをご紹介しましょう。

・ファルコンZスロー
関東では非常に人気があるジグの一つで、スロータイプの設計ながら沈みが速く、底取りが容易にできます。メリハリの利いたアクションで初心者でも安心。流通量も多く、ウエイト・カラーのバリエーションも豊富です。ロッドが高弾性なら断然お勧めです。

・バックドロップ
「初心者でもジグを簡単に横へ向ける」をコンセプトに開発された操作性抜群のジグ。値段も安価で流通量もまずまず。そして確かな実力をもつ実戦向けジグです。裏面の独特のキールが特徴で少ない移動距離でジグを横に向け、ターゲットのバイトチャンスを作り出します。少々ロッドが柔らかくても扱いやすいでしょう。

・スロースクイッド
見るからに「イカ」といったこのジグ。奇抜なフォルムが多いスロージグにおいても異端児です。スローなアクションにタコベイトの艶めかしい動きが加わり、インチクと合体したモデルといえるでしょう。沈みは遅いですがフワリフワリとした誘いは強烈です。

出船船宿も増加中

ライトアジやライトマルイカのタックルがあれば、メタルジグだけでチャレンジできる方も多いことでしょう。
そしてブーム到来とともに受け入れ船宿も徐々に整いつつあります。気軽に楽しめるスロージギングを身近なエリアで楽しんでみてはいかがでしょう?

[スロージギング:つり情報 提携船宿]
波崎 征海丸 0479-44-4757
平塚 庄次郎丸 0463‐21‐1312
網代 森竜丸 090‐1620‐1988
伊東 はるひら丸 0557-37-4250

相模湾マグロに挑むには?

2011/08/28

今年もやってきた相模湾のキハダマグロ。昨年以上の高活性、そして一回り成長した大型個体は実にパワフル!そんな近海ルアーターゲットの最高峰に挑むにはどのような準備が必要なのでしょうか?

今年の群れは良型ぞろい!

今年も7月末より相模湾に回遊中のキハダマグロ。平均重量30kgと良型揃い! 今年の最大は91kg(腸抜き)までしとめられており、全長で125~160cmと、サイズにややバラつきがあります。一般的に勝負して獲れるのは40kg前後がほとんどで、何本かマグロ経験のあるエキスパートアングラーなら最大サイズまで戦うこともできるでしょう。
マグロは回遊速度の速い魚なので釣り場が毎日変わります。南端の沖ノ瀬で出ることもあれば西の初島沖に現れることも。かと思えば港前でボイルが起きることもあります。早く見つけられれば、それだけチャンスは増えます。前日までの情報を見ながら釣り場に近そうな船宿を選ぶのも一手です。

マグロが釣れる確率

「船中3本、ヒット複数回」普通の釣りものならば少ない釣果に見えるでしょう。しかしマグロ船ならばかなり良い数値といえます。昨年は船中1本上がれば上出来、海域で1本も上がらない日も多くありました。それが今年は多いところで二桁近いヒット数、海域で船中複数本の船が数隻出る日もあるぐらいです。現在は挑戦してヒットできる確率は平均20%、獲れる確率は10%ほどで推移。マグロ狙いとしては通常の倍ほどの確率で、アングラーは夢を追って日々乗船を繰り返すのです。

マグロに挑むタックル

ルアーでマグロ狙いとなるとジギングかキャスティングですが、現在はキャスティングにて狙われています。数年前の回遊当初はシイラタックルの延長で狙われていましたが年々タックルは強化され、現在は飛距離も出てアクションも付けやすい専用タックルが主流となりました。

[ロッド]
7~8.5ft程のマグロ・ヒラマサキャスティングロッド。キャストウェイトMAX100g、PEライン6号負荷までの物が多く用いられます。見た目もゴツく、はじめて見ると気後れするかもしれません。
全長は長ければ飛距離も出しやすいのですが、ファイト時の負荷は高め。PEラインも含めて体力相応のモデルを選んだ方が無難でしょう。
また選ぶ際に良く見て頂きたいのがティップ部の柔らかさ。フローティングプラグのアクションを付ける際に大きく影響し、柔らかいモデルほどプラグの水咬みが良く、水面で飛び出しにくくなります。ただし、あまりに柔らかいとプラグの抵抗に負け、アクションが決まらない場合もあります。ロッドのウェイト表記を見て、適合するプラグを効果的に動かしましょう。

[リール]
ロッドと同様に大型で剛性に優れたモデルが使用されます。ラインキャパ・ドラグ性能・ギア比など、ロッドやルアーとのバランスが重要です。通常はPE4~6号を用い、ドラグ力はMAX10kg以上のものがほとんどです。専用モデルではギア比がハイギア・ローギアに分かれています。諸説ありますが、フローティングプラグならアクションの間にポーズを入れるので、ローギアでも十分に間に合います。シンキングの沈下系では沈めたラインを一気に回収する際にハイギアは有利です。ただ、マグロが掛かってからは高負荷を巻き上げるのでローギアに分があります。

[ライン]
メインラインはPE4~6号。号数を選ぶ際に考慮したいのは強度と飛距離のバランス。太くなれば強度は強く、細くなれば飛距離が伸びます。巻き量は300m以上。大型マグロのファーストランは100m以上となることもざらで、200mではライントラブルが起きたら足りなくなる恐れがあります。スプールのキャパにもよりますが400m近く巻くことができれば安心です。
ライン構造としては原糸の編み数によって4本ヨリと8本ヨリがあります。4本ヨリは適度な張りでエアループが起こり難く、原糸が太いのでラインクロスなどの擦れに強く、値段は安価です。8本ヨリは構成原糸が細くしなやかで、表面の凹凸抵抗が少なく飛距離が出ます。また編み密度が高いので伸びも少なくなります。ラインマーキングはシンキングの沈下系を使用する際に沈下深度やアタリを把握しやすく、ファイト時に残mが分かるので取り込みでも有利です。
リーダーは80~130LBを3m前後。素材はナイロン・フロロカーボンとありますが、柔らかくスプール馴染みも良く、結束強度の安定しやすいナイロンがおすすめ。太さはメインラインの太さ次第ですが、PE4号+80LB、PE5号+100LB、PE6号+130LBが一般的な組み合わせで、結束には強度に優れたPRノットをおすすめします。
ロッド・リールの相性、自身の体力など総合的に考えて太さを選ぶとよいでしょう。

マグロ用のルアーたち

マグロが口を使う決め手はルアーセレクトとアクションの善しあし。ルアーのタイプは大きく分けてフローティングとシンキングの2種類です。サイズが大きいだけに高額ですがマグロを獲るには必要不可欠。どのようなものを選べば良いでしょう?

・フローティング
水に浮くフローティングプラグ。主流はダイビングアクションの14~20cmサイズです。ダイビングモデルは垂直状態で浮く物が多く、ロッドで引くと水中へ潜り、泡を引きながらS字に泳いで水面に顔を出します。アクション後のポーズが決め手で、アクションに魅せられたマグロは海中から急浮上し、ルアーを突き上げるように襲いかかります。一般的に誘い出しでの「間」は3~5秒、ナブラ打ちの場合は30秒近く止めておくこともあります。マグロは適度な斜め浮きの姿勢を好むとされ、垂直姿勢のものはアクション後にラインを張り気味にして斜め浮き姿勢を作ると食いやすいようです。

フローティングモデルはソナー反応の出ているエリアでの誘い出しも効果的。泡を引きながら一定のリズムで引いてくると突如海中からルアーを突き上げてくることも多々あります。
基本的に大型モデルが多いのでベイトがトビウオ、サバ、マイワシなどのときに効果的。操るには慣れもいりますがサメも掛かりにくく、海面を割って食ってきたときの興奮度はピカイチです!ただし鳥が非常に多いときは扱いが難しく、ラインが飛んでいる鳥に掛かったり、水面でアクションするルアーを追跡されてマグロが食えない状態になることも・・・。その際はシンキングに替えるか、鳥が追わないピンクバックのようなカラーで対応しましょう。

・シンキング
水に沈むシンキングプラグ。マグロ狙いで使う際は沈下系がほとんどとで、主にイワシ団子や高密度ボイルで用い、着水後ボディを左右に揺すりながら沈下しマグロを誘います。

沈み方はフリーフォールでその場で沈むタイプや前方に沈むタイプに分かれ、沈降速度や潜行角度など様々な種類があります。沈下系はマッチ・ザ・ベイトに有効で、ベイトの種類を特定して同じタイプを使えればヒット率は大きく向上します。

スイム系はユラリユラリと揺れる程度に泳ぎ、アクションは抑え気味。マグロは水中での大きなアクションを嫌うので、僅かな動きのアピールが効果的です。
ルアー自らアクションするものも多く、オートマチックで初心者でも扱いは簡単。ナブラ撃ちでは投げてラインを送るだけでマグロが食ってきます。サイズは小さい物から大きいものまで様々で、カタクチイワシや小型トビウオを偏食するような場面では小型シンキングでなければ勝負にならないことも多々あります。ただしシンキングモデルにはサメも食ってくるので、サメ付きナブラで投げる際には覚悟が必要です。

8月下旬現在の相模湾ではキハダマグロは偏食傾向を見せておらず、フローティング・シンキングのいずれも釣果上がっています。状況を見極めてなげればヒット率も大きく向上。ぜひ2タックル持ち込んで投げ分けたいですね。
またキャスト時が最も事故率が高まる瞬間となります。高まる鼓動を深呼吸で落ち着け、周りを良く確認し、声をかけてキャストしましょう。

マグロヒット後

タイミングよくキャストが決まり、マグロがルアーに襲いかかればファイト開始です! 魚類最速級の遊泳力に加え、キハダなら高水温に強く体力があります。タックルによっては長期戦となることもあるでしょう。このファイトに勝つにはどうすればよいでしょう?

・合わせを決める
マグロ船で初心者に非常に多いのが合わせない人。ガツンとアタればロッドを大きくしならせ、ファーストランでスプールは高速逆転!見る見るライン残量を減らしていきます。
しかし、大型に成長したマグロの顎力も相当なもの。がっちり咬んでいるうちはドラグを逆転させるぐらいの負荷なら平気で受け止め、顎の力を抜けばルアーはポロリと落ちてフックアウトとなるわけです。
「ファーストラン中に抜けた」「止まったらバレた」は大抵合わせが決まっていません。針も太軸なので強烈なアワセを3回ぐらいは叩き込みましょう。

・焦らずリラックスして挑む
念願のマグロがヒット!興奮度もMAXに高まる瞬間です。が、ここで冷静さを欠けば獲れる確率は低下します。マグロとのファイトは陸上に例えれば長距離走のようなものです。船ベリでギャフが掛かるまで体力を配分し、魚との持久戦を制しましょう。

最初から渾身で挑んでは10分と耐たずにへばってしまいます。焦りは緊張を生み、緊張は疲れを増加させます。強烈なマグロの引きを最小限の力で受け止め、筋力だけでなくロッドのしなりや体重も活用しましょう。
ファイトにはマンタベルト・ファイティングベルトと呼ばれるベルトが大変効果的。バットエンドをカップに固定すればポンピングも行いやすく、長期戦の疲れを軽減させます。値段もピンキリですが是非用意したい一品です。

マグロは泳いでいなければ呼吸することはできません。直線的な走りが止まり、旋回をするようになれば酸欠で弱った証です。テンションを一定に保って隙を与えずに巻き上げましょう。また、バラシの多い魚なのでヒットの幸運は得られても半分は何らかの理由で逃します。

釣ったマグロの持ち帰り

マグロは相手が大型だけに収納も悩ましい問題の一つです。しかし現在出船中している相模湾のマグロ船は魚蔵に氷を用意し、釣ったマグロをきっちり冷やして保存してくれます。そればかりか港で解体サービスを行う船宿もあり、50L未満の中型クーラーボックスでも挑むことが可能です。感動を伝えるべく、そのままの状態で持ち帰りたいのであれば大型クーラーが必要となりますが、なかなかの出費です。その場合はホームセンターで販売されている大型衣装ケースにアルミロールマットを敷き詰めて簡易クーラーとしても何とか使用可能です。

大型マグロを狙う本格的大物釣りが楽しめる今年の相模湾。近海最大級にして最強クラスの魚にぜひ挑んでみてはいかがでしょう?

乗合ルアーマグロ船 つり情報提携船宿(8/26現在)

葉山 愛正丸 ℡0468-75-8462
茅ヶ崎 一俊丸 ℡0467-86-7043
平塚 庄三郎丸 ℡0463-21-1012
平塚 庄次郎丸 ℡0463-21-1312
早川 平安丸 ℡0465-22-0676
網代 森竜丸 ℡090-1620-198

その他、ルアーマグロ船出船船宿

宮川 二宮丸 ・ 長井 貴正丸
佐島 相洋丸 ・ 大磯 邦丸
大磯 六熊丸 ・ 早川 弘美丸
早川 隠徳丸 ・ 真鶴 第五嘉丸
など

釣果に差が出る!特船オキアミカスタム

2011/08/01

盛り上がっている駿河湾のカツオ&キメジ。そして間もなく開幕するであろう剣崎・初島沖のワラサ。コマセ釣りで盛んに狙われています。回遊魚釣りといえば必須アイテムの一つ、マルキューの「特船オキアミ」は外せません。多くの人が愛用する擬餌エサで人に差をつける小技をご紹介しましょう。

特船オキアミとは?

船の回遊魚釣りでは定番となった「特船オキアミ」。生分解素材で作られたオキアミ型のワームです。非常に強い保持力を誇り、エサ取りに突つかれたぐらいでは簡単に外れません。
本命がいるもののエサ取りが多いときに威力を発揮します。サイズは40mmと55mmで、赤手・白手・夜光・蛍ムラの4色です。

特化型ペイントを施す

状況を判断しながら使い分ければ、基本の4色で十分な効果を得ることが可能でしょう。ですが、だれでももっと釣りたいと思うもの。そこで効果的なのがカスタムペイント。特船オキアミはゴム系素材ですので油性マジックで着色が可能です。着色部は時間経過とともに滲み、1~3日ほどでよりナチュラルな着色に仕上がりますので、前もって作成すると非常に効果的です。
参考までに私が実践している実績カラーをご紹介しましょう。

[リアルオキアミ]
白に対し、ピンク系カラーで着色します。白っぽいオキアミを好むことの多いワラサに特に効果的で、着色2日後が最もオキアミのカラーに近づきます。本命が低活性なのにエサ取りが多いような状況で最も効果を発揮します。

[セグロ・アゴSP]
カツオ釣りにおいてシラス追いはケイムラで十分対応できますが、小型トビウオや小型イワシを偏食する状況になるとケイムラだけでは威力がいまいちです。この状況で効果的なのが蛍ムラの背を青や紫で着色したカラー。背中の色が濃く、蛍ムラの発色もあってよりリアルになります。さらに目玉ビーズを併用することで、より一層の威力を発揮します。

[メジSP]
比較的濃い色を好むメジ。過去にナマズ系のバケやフィッシュダンサーの緑などで高釣果を上げたことがあり、同様のカラーリングを施したことろメジの反応は非常に良好でした。ベースは白・ケイムラ共に良好です。メジは歯がそれなりに鋭いので2、3本釣ると特船オキアミが壊れてしまいます。狙う際は多めに作っておきましょう。

当日→翌日→明後日と色が滲むとナチュラルな感じに!

エサ付けにも一工夫

カスタムしてもしっかりとハリに付けなければ効果は半減です。数日程度で腐ることはないので、釣行前日に自宅で付けてしまえば真っすぐに付けることも簡単。揺れていたり、ナブラを目の前にすると慌ててうまく付けられないものなので、事前に付けて用意しましょう。付ける際はハリのフトコロを狭めないように特船オキアミのできるだけ内側にハリを通します。フトコロが狭くなると掛かりが浅くなり、バラシの原因になります。短いチャンスで効率よく回遊魚をしとめましょう。