Archive for 10月, 2011

12/24 プロト2号登場。

10月 15 2011 Published by under 本誌記事

●協力/そもそもティカジャパン株式会社

「どうですか、この辺 まで強くなっています」 吉田さんはかなり元気 になりました

「お待たせしました。ようやく試作品第2号ができました」台風15号がまだ太平洋上をウロウロしている9月中旬、昼下がりの外神田・つり情報編集部。

脱臼も回復が進み三角巾を外して自由度の増した左腕を動かしつつ、ティカジャパン・吉田俊介さんが説明する。

「9月始めの予定が、ずいぶん延びましたねぇ」

「あ、いや、それは色いろありまして……。設計どおりに上がってこなければやり直させますし……って、沖藤さん、勘弁してくださいよぉ」

せっかく上がってきた竿を見せるなり難癖をつけられ軽く逆ギレしてみる吉田さん。

「で、やはり強くなっているのですか?」

「はい。簡単に言えばカーボンを巻く量を増すことで硬さを増しています。プロト1号と比べると元から第1ガイドまでは20パーセント、次のガイドまでは10パーセント強くなっていて、その先は同じです」

竿の設計や構造の話になると水を得た魚のごとく生き生きする吉田さん。

「おお、本当だ! バットエンドから元が強くなってる」

「分かりますか! 違うでしょ」

盛り上がるオヤジ2人。

「ところで、硬くしたからといって、基準はライトアジ、そしてシロギスですよね?」

「もちろんですよ。『つれる竿』の中心円はカワハギではなくライトアジです」

そもそも、プロト1号がライトアジとシロギス試釣で好成績を上げているのに、なぜ元部の張りを持たせたプロト2号を作る必要があったのか?

それは釣れる釣れないではなく、プロト1号を色んな人に持っていただくと、その第一印象として、しばしば「元にもうちょっと強さがあったほうがいいのでは?」という意見が聞かれたためだった。

「これでライトアジで強すぎるようなら、強さはプロト1号でOKですね、吉田さん」

「シロギスもですか?」

「もちろんです」

決してプロト2号がいいという前提ではなく、あくまで硬さを比較するためのものだ。

ただ、ここまでの試釣で、非力な釣りガールや子供たちは、私たちが思うほど竿を大きく動かせない傾向が見られた。

そのためツリオヤジ的に「硬すぎやしませんか?」と思うような竿のほうが、女性やビギナーや子供にとっては仕掛けを動かしやすく、結果として「つれる竿」になる傾向があるのでは? と我われプロジェクトは睨んでもいるのだ。

もちろん単に硬いだけではいけない。ちゃんとアタリを取れる竿先であり、軽さでなくてはいけない。

オモリ30 号。ほとんど差がない

50 号。曲がり込んでいるのがプロト1号

80 号。プロト2号(上)はかなりシャキッとしている。これはいいかも!

「ムムム、オモリ30号以下まで(写真A)は差がないけど、負荷を増していくと(写真B、C)シッカリ感がだいぶ違いますよ。プロト2号はカワハギへの汎用性だけでなく、マゴチやライトヒラメにもいいかもしれません
よ、吉田さん!」

比較画像に思わず興奮する。

「あの……メインはあくまでライトアジ、なんですよね?」

次号、暴走気味のまま女子たちの試釣へ!?

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11/24 意外に進んでいる試釣のまとめ

10月 11 2011 Published by under 本誌記事

●協力/そもそもティカジャパン株式会社

カワハギも釣れたらい いな、程度だったのが、 欲が出てきました。

前号、クルマが全損になったなんて冗談めかして書いたら、色んな方面で「本当?」と質問されてしまったのでちょっと反省。実際のところを申しますと、赤信号で停車中にお爺さん運転の乗用車にノーブレーキで追突され愛車は大破・全損となりました。みなさん、運転には注意してくださいね。

と、いうわけで、開発担当のティカジャパン・吉田俊介さんも左肘脱臼の重傷(時期が同じなのは偶然です)と、満身創痍の「つれる竿」プロジェクトチーム。元部に張りを持たせた「プロト2号」が上がってくるのが
9月上旬、しばしの小休止となった。

今回は「つれる竿」試作品1号、通称プロト1号で行われた試釣の様子をザッと紹介。

これならライトケンサキも大丈夫!とイカ先生こと 富所潤さん。日本海でも試釣(少しだけどね)

連載で試釣の様子を紹介したのが、
●シロギス
●ライトアジ

このメイン2魚種は大成功、テストはほぼ初めての女性・笹本里絵が行った。この時点で「替え穂」「伸縮グリップ」ほか各パーツの寸法や強度など、基本的な方向は間違っていないと確信。

ここから「つれる竿」の真骨頂・汎用性のテストに進む。
現在まで試釣した釣り物を列記すると……、

子供がテストしたタチウオジギング

●ライトマルイカ
●カサゴ
●ライトタチウオ
●タチウオジギング
●カワハギ
●イイダコ

この中で好結果だったのがカサゴ、タチウオジギング、イイダコ。この3魚種は間違いなくオススメ。

とくにタチウオジギングは体格の小さな子供に試釣してもらったところ、竿のよさが現れた試釣となった。穂先は太いほうがベストマッチ、グリップは伸ばした状態で使用。120グラムのメタルジグまでシャクることができ、タチウオの引きにも不安になることなし。

ぶっ壊してイイッスか! と言って いそうなジャガー・三石(もちろん そんなこと言ってない)

カサゴはドクモグランプリ参加者がカサゴ釣りで一日使用。細いほうの穂先がマッチし、オモリ20号前後で使うと若干先調子気味になるため、仕掛けを根歩きさせることも問題なし。初心者が陥りやすい「海底が分からない」ことも少なかった。イイダコは後日、ネタ切れの際にじっくり報告したい。

さて。ここまで読むといいことずくめに思える「つれる竿」の試釣だが、実はまったく釣れず、テストにならなかったり、不調に終わった釣り物もある。

それを書かないとインチキ臭くなるので触れておく。まず、ライトマル

イカ!よりによって試釣した日は船中マルイカゼロ。負け惜しみだが、オモリ30号と仕掛けをぶら下げた感触は

なかなかよし。太いほうの穂先は「直結のタタキ釣り」、細いほうの穂先は「たたかず止めて待つ保田スタイル」と、釣法に合わせて2種の穂先を使い分けることができるのではないか? と考えている。

出たらぜったい買います、と言って くれた。うう、ありがとう(涙)

そして貧果に終わったのが、カワハギ。

これは女性に使っていただいたところ午前中わずか1枚。午後から吉田さんが使って数枚釣ったようだが、竿の特性を知っている開発者が使って釣れるのは当たり前。

と、いうわけでプロト2号ではカワハギ、ライトアジ、シロギスでバランスを取れないか試す予定。

(今回は沖藤のみの構成でした)

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